傍受?
要塞強化も少しずつだが進んでおるな。あのペースなら後3ヶ月程で、ほぼほぼ終わるだろ。
「ミカ、わしは街へ戻る。何かあったら遠慮なくちゃんと言うんだぞ」
「解った!そう言うのはちゃんと言ってるから。でも一つ気になる事がある」
「気になる事??なんじゃ??」
「この前、私も難民探しに行った時なんだけど、私が乗っていたテケ乗員が無線機付けっ放しにしちゃった時なんだけど、無線機から声が聞こえた」
「んー?そりゃー。無線機だから声は聞こえて来るだろ?」
「そうじゃ無くて、ミヤさんから無線は緊急の時以外は禁止って言われてるから、その時は私が乗っていたテケだけだと思う」
「んー?無線からは何で聞こえたんだ?」
「ざーざー言っていて良く聞こえなかったけど、何かを話していたのは間違いないと思う」
「うーん?一回だけか?」
「それに気がついて、私が出た時は聞いてみる事にしたけど、3回は聞こえた。何言ってるかは分からなかったけど」
「んーー。よく分からんがお前さんが出た時には、また何か聞こえるかも知れんから聞いてみー?」
「解ったー!聞こえたら報告するよー」
「おう!そうしてくれ、わしは街へ戻る」
うーん。どう言う事かの〜。聞き間違いか?猫族は耳が良いから、聞き間違いって事は無いだろうし、嘘をつく訳もないしな。んーー。ミリオタの記憶にそんなのあるんかな。えーと。スピリットボックス?これか?知らん言葉や。どれどれ。霊からの声が機械を通して聞こえて…これな訳ないよな??無線機からの雑音??相手の声も拾う?無線機何だから当たり前……
!?傍受!?傍受ってのをしたのか!?まさか……
二次元かミリオタに話をしに行くか!!
ハヨー!ケッテン!行くぞー!
むむむ。あいつら何処におるんだ!!
「おう!のぶとやら!面白いもん乗ってんな!しかしここは見た事無いもんばかりだな」
「お主か。護衛にはまだ行かんのか?」
「明日、出発の予定さ」
「そういやーお主名前は?」
「名前か…名前は捨てたので適当に呼んでくれ」
「まあ、過去は深くは聞かんよ。じゃあ…そういや、お主帝都から護衛して来たんだよな?」
「そりゃそうさ」
「帝都で変わった事なかったか?」
「変わった事?馬鹿共が戦争始めた位かな?」
「それはわしも解っとる。もっと帝都で変わった事など無いか?」
「変わった事…?そういや王室近衛兵をやたら増強してるとか?か?」
「王室近衛兵?あれは貴族出身やら肩書きの欲しい金持ち連中とかじゃ無ければ成れないのでは?」
「あくまでも噂の話だが、能力主義に変わったらしい。しかも忠誠心が高い奴とかな。増強された連中は帝都の北方面への配属らしい」
「北?そっち方面は確か山脈やその周りに、小さな村々が点在してるだけでは無いか?」
「あ、あ。そうだ。俺も気になってかなり遠くからしか見た事無いが、工場が建っておった。夜でも煙突から炎が出ておった」
「あんな所に工場?」
「そうだ。あんな場所にだ。周りの村々も近衛が警備してやがる。出入するのはかなりの厳しさだったぞ。俺もやっとの思いで、山伝いに潜り込むのがやっとさ」
「それ程にか?」
「あーそうだ。しかも北から出て来る物はかなり大きい物を持ち出しておるらしい。それらが出る時は夜が多く、村の連中は窓を閉めさせ、外出禁止とかだそうだ。誰も詳細が解らんとさ」
「それを見る事は無理か?」
「ありゃー無理だな。近衛がピッタリと付いとる。それに近づこうとしただけで、弓で射抜かれるぞ」
「そこまでであるか…」
「そうだ。それに比べてここは随分と監視が緩いな」
「立入禁止区域を設けておるが…」
「勿論そこまで入り込んでは居ねーよ。それにここでも同じ物作ってんじゃ無いのか?」
「同じ物??」
「あ、あ、亜人族の俺がどうにか見えた物は、ここでも見れるじゃないか」
「!?」