新たな悪巧み
「おーす!大商人のムムカくん〜」
「のぶ殿、何ですかその含みのある呼び方は。。」
「いやー。あちらこちらで戦が起こり、資材やら食糧が売れ行きが良いと聞いてなー」
「ちゃんとこちらの領主様には、税を納めておりますよ」
「今、帝国内の経済はどうなっておる?」
「余り良くない様です。相変わらず物資が不足気味です」
「我々が使ってる、中立国発行通貨と帝国発行通貨の交換比率は?」
「今現在だと、1対0.8位ですかね」
「ほほう〜」
「何ですか?いきなり?」
「帝国発行の金貨持っとるか?」
「商人なら誰でも持っておりますよ」
「じゃあ、30枚程借りるぞ」
「へ?まあ構いませんが、こちらでは使い道が無いとおもいますが??」
「まあ、準備が出来次第お前に一儲けさせてやるので、待っておれ」
「それなら、どーぞ!ちゃんと返してくださいよ!」
のぶ殿呼び掛けで、親父殿、二次元、ガイが領主屋に、集められていた。
「のぶ殿、珍しい組合せのメンバーですな」
「なーに、余り大勢には聞かれたく無い話でなー。まずこれを見てくれ」
そこには先程の帝国発行金貨が積まれていた。
「帝国金貨?」
「そうじゃ。二次元とガイにこれの偽金貨の製造をお願いしたいのじゃ。ミリオタの記憶から、金メッキってやつを見つけた。それを施した偽金貨の製造よ」
はぁ〜。ガイから重いため息が溢れる。
「そんな事がバレたら極刑だぞ!」
「可笑しな事を言うな。平和な時にそんな事をすれば、極刑だが今は戦時中。しかも敵じゃ。」
「そりゃーそうだが。。。」
「のぶ殿は、帝国国内の経済を破綻させようと?」
「はっはっはー。流石親父殿!何も戦は武力だけでは無い。経済戦争ってやつだ」
「でも、鑑定スキルが有る人が見れば直ぐにバレちゃうんじゃないの?」
「二次元よー。ここの住民が異常なのさ。スキルを持っていても、それが開花するかしないかは、環境なのさ。教会で判明してもそもそも漢字の意味が判明したのは極わずか。お前たちがこちらに来てからさ。しかも開花しやすい様に、人を分配してるのもこの領地だけさ」
「うーん」
「まあ、その内にバレるにはバレる。逆にバレてもらわなくては困るのさ」
大ぴらに出来んので、我ら4人での中では例の件って話になった。
二次元やガイの話だと製造自体には、難しく無いみたいだが、それなりの量を作るとなると人手が足りん。余り多くの人に知られる訳はいかんが、10名程度元から居る住民からの募ると。作業場はガイが使っていた旧鍛冶場。今は使っておらんし、領主屋前の道を通らんと行けんから秘密保持には丁度良いか。完成するのが楽しみじゃ。
まずは、ライオンヤローの国に有る帝国金貨を全てこちらに貰おう。貰った金貨は、溶かして金の延板へと。
ムムカにもそれと無く伝えて金貨の回収と。
時を見て、一気に帝国国内にばら撒くか。さて、そこはどうするか。まあ、偽金貨がある程度貯まらんと動けんからそれまでに考えておくか。