お兄ちゃん曰く定番らしいです
「ただいま」
「お帰りなさい」
「どうしたんだ、廊下で」
「ちょっと色々ね」
「とりあえず、疲れたから部屋に入ろう」
「教会は、どうだったの?」
何から話せばいいかな。まず教会の役目は、子供達に文字や算数を教える事らしいが、子供も重要な労働力で中々集まらないや村での奉仕活動がメインの仕事らしい。
それと子供達は、6歳になると神のご加護を受けるらしい。水晶に手を合わせて神に祈ると、それでご加護が与えられ、その時に記号、私達で言うと漢字だ。漢字が現れてスキルが発生するらし、爺の話した通りと同じだったよ。それ以上は、シスターも詳しくは解らないそうだ。
水晶は、神のご加護と通信手段だそうだ。各領地や国にある教会と連絡は可能らしい。
そこで試しに私もご加護をもう一度?、して貰ったんだよ。
そうしたら、「建・総・判」が付いてたぞ!
皆んなもまた、やってみるといい。
そうそう!
「それとこの世界の成人年齢もな」
ニコニコするな!
「悟、領地を見てどう思った?」
「正直、税収ではどうにも出来ないね」
「私もそう思う。物品での支払いになると思うが」
「さくらは?」
「私も同じよ。このままじゃ不味いわ」
「みどりは?」
「私が思いつくのは、農産物の生産位ね」
「そう。農産物以外の生産品を考えなければならない。しかし村はあの状態だ。かなりのピンチさ」
「ふふふ、異世界転生と言えば、まずはこれさ」
「何かあるのか?」
「リバーシさ」
「リバーシ!?」
これを加工して、輸出するのさ。さっき木工職人に、聞いたらこの様なゲームボードは、無いそうだ。
「試作品も2、3日で完成する予定」
「どうだい?父さん?」
「確かにいいアイデアだ。しかしどうやって輸出するんだ?」
「うっ。それは。。」
「私達は、ここでの事をまだまだ何も知らない。しかし発想はいいと思う!」
「みんなもこの発想で、行こう。私達の唯一の強みは、現代の知識のみ。ここでの再現性は、難しい物も多々ある思うが今はそれしか思いつかん」
「第一目標は、お金を稼ぐ事!フローチャートを書きたいんだが、紙とペンは、この世界にあるのか?」
「さあ???」
「そうそう。さっき倉庫でこんな物を見つけたよ」
そろばん、掛けないボールペン、壊れたオイルランプ、ゼンマイ仕掛けの時計、指輪。
「何故この世界に!?」
「それが解らないんだよね」「うーん」
「爺を呼んでくわ。あともう食事にしましょう」
「食事!?はぁー」
「そうそう私も光ったわよ。そうしたら面白い物が出来たわ。それも持ってくるわ」
とお母さんは、言って部屋を後にした。
「面白い物って何かしら?」
「さー。しかし昼の食事は。。。」
「お館様、御用ですか?」
「すまんが、紙とペンはあるか?」
「はあ?紙とペンとは?」なかったのかー!?
「あーすまない。何が書くものが欲しいだが」
「左様ですか。筆なら有りますが、パピルスは、ありませんな。。」
筆!?パピルスは、確か植物を貼り合わせた原始的な紙の様な物。
「筆をご用意致しますか?」
「いや。明日使いたいので明日の朝頼む」
小皿を持って、お母さんが戻ってきた。
「これよこれ」
そこには見慣れた、味噌と醤油だった。