海から
あれ以来、動きが全く無いな。ライオンからも変化がないと来とるし。時間が長引けば長引く程、我が国の方が有利になるから良いのだが。
しかし、気味が悪い。何が抜けてるのか!?
魚雷艇も3隻完成、4隻目を造っておる。
武装は20㎜1門のMG42が2丁。既に訓練を開始しておる。全部で5隻予定。それが完成した後に、海防艦か。これが旗艦だ。
あれから、ハ号も37㎜が2台に、20㎜が1台。計3台。船にエンジンを回してしまったからの〜。
南北とも渡した武器の訓練も順調に進んでると話は聞いとる。これらはかなり心強い。
「のぶーー!!」
「何だシスター?」
「帝都から緊急連絡!!」
!?
帝都港に、商業連合の軍艦寄港!!5隻との噂。
これでやっと奴等の動きが読めた。
「えー!?海からも圧力を掛ける!?」
「そうじゃ」
「上陸作戦を行うの?」
「いや。恐らくそれはないと思うが。うちみたいに、中発みたいなのを持っておらん。もしするとしても、手漕ぎの船で上陸よ。余程、大軍で来ないとやられてしまう」
「5隻じゃ少な過ぎ?」
「そうだ。威嚇にはいいと思うな。ライオンの奴にも海からも現れても動揺するなと連絡は入れとく」
「こっちも来るの?」
「う〜ん。ここの海沿いは、そもそも狭いからな」
「ラーライに現れたら、うちはどうするの?」
「それはライオン次第かな〜」
「何とも歯痒いわね」
「こればかりは仕方ない。恐らく出港するのに何やかんや、1ヶ月位掛かるはずよ。ライオンの所に現れるのも移動で1週間位は掛かるだろうな」
「港も防衛を固めないとな」