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とある二人の英雄譚  作者: にのまえはじめ
5/7

5話 戦闘

更新遅れてごめんなさい。

初戦闘です。

ふと、どうしようもなく寂しさが襲ってきた。

家族にも友人にも、二度と会えない。

好きな小説も、漫画もアニメもゲームも映画もドラマも、二度と見れない。


死ぬってのは、嫌なものだ。


プロパンガスボンベとコンロを作り、珈琲を淹れる。


幸いなことに、食べ物も水もいくらでも出せる。

魔法で大抵の事は出来る。

忘れようとは言わないが、今はただこの生活を楽しもうと思う。


ということで、ちょっと魔物狩りしようと思います。

フハハハハ、俺が何故珈琲を飲んだか分かるか?

ドーピングさ、カフェインを摂ると人はハイになって運動能力や反応速度が上がるのさ!ヒャッハーッ!

まぁ、判断能力とか落ちるんだけどね。


というか、吸収されるまで30分程度は掛かるからまだ行かないんだけどね。




2000 YEARS LATER




30分経ったし、行くか。


森の中を探すにあたって、一番怖いのは戻って来れなくなることだ。

ってことで、縄を100mくらい作る。

ちょくちょく作って、結び継ぎ足していけば長さは問題ないだろう。

帰るときはこれを辿れば良いって寸法だ。


森の中を歩いていく。

こんな所に来たのはいつぶりだろうか。

少なくとも年単位で来てなかった事は確実だ、とかそんなことを考えながら探索する。

ロープの二本目を結んでから暫くしたあたりで、"それ"は居た。

やや透明な暗い赤紫の、スライム様の塊。

消化途中なのか動物のものだろう臓器や、骨や、牙や、溶けかけの肉塊が点々と体内に浮いている。

表面に浮かぶ目は、それそのものが本来持つものなのか消化途中の他者の目が偶然それらしい位置にあるだけなのか。

吐き気がするような、グロい光景。若しこの世界がゲームであるならば、間違いなくCERO18であろう。

それの足元を見れば、その体躯(?)と同色の跡が残っている。

それを辿っていくと、あたりに蝿のたかる何かがある。赤黒い液体を撒き散らした様に見えるその巨大な体躯は、熊と同等程度には、つまり2m程度はあるように感じられた。その半分は半固体状になっており、もう数日は肉が食えなくなりそうな光景を作り出していた

実際の所その骸が何であるかは、その状態の酷さから分からないし、そもそもそれを見てすぐに目を逸したので知るつもりも無い。


試しにその辺の石ころを投げて見る。

見事に命中したそれは、「ぽよん」と無様な音と共に弾かれ、地面に転がった。


ライオットシールドを掲げながら、これは警棒で叩くより剣で切る方が良いだろうかと考える。

赤く妖しく刀身を光らせる、我ながら美しいと感じるその剣を、赤紫の敵へ振り下ろす。

抵抗は以外にも軽く、あっさりとその体躯に大穴を開けた。

そこから体液が漏れ出すと、徐々に萎むようにそいつは死んだ。

半透明の膜に、僅かに残る赤紫の何かと、消化途中だろう臓器や骨や牙や肉塊。

それはなぜかひどく醜く感じられた。

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