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短編怪談  作者: ライラ
6/6

辞めるきっかけ

 パチンコ店って人間の欲とか、そういった負の感情が集まりやすいので、幽霊話もよく見かけますよね。


 私も見ちゃったんですよ。

 パチンコで負けに負けて、帰る前にトイレ寄ろうとした時に。喫煙所の横にあるトイレの、鍵のかかってない個室の扉を開けました。


 ーーそしたら、目が合ったんです。ぶら下がってる人を。


 上からは紐が1本。


 そこに、全ての体重がかかっているのだと理解するのに時間がかかりました。

 なんせ、初めて見ましたので。



 私は直ぐに下の方へ目をそらしました。

 かすかに揺れている足が見えます。


 多分、実際には一瞬だったのでしょうが、そいつの表情は今でも焼き付いています。


 心臓はバクバクして、店員さんに知らせないと、とか、とにかくここから出ないと、とか、頭は動いてるんですけど体は動きませんでした。

 しばらく下のタイルを見てたんですけど、一瞬意識が遠のいて、気がついたら私は床に座り込んでました。


もう一度、視線を上に向けてみましたが、もう何もありませんでした。負けた上に幽霊にもからかわれ……悲しい気持ちで私は店を出ました。


そして、私はこれを最後にパチンコを辞めました。一瞬、目が合った瞬間はなぜか気づきませんでしたが、あとから思い出すと、あの幽霊は私でした。


虚ろな目をしてぶら下がっていた私。

あの目を思い出すと、もう賭け事は辞めようって思えたんです。

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