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偶数

作者: 万寂空

テレビの音量などは偶数に設定しておかないと落ち着かない。他にも、エアコンの温度や車のオーディオもだ。特に確固たる理由があるわけではないがどうしても奇数の状態だと気にくわないのである。ムズムズして体が痒くなるような気分にもなる。

このこだわりのようなものには欠点がある。例えば、テレビの音量が20だと少し音がうるさいなと感じるとき。私は音量を下げるために、偶数の18に設定する。すると今度は、少し音が小さく感じるときがある。となれば、丁度いい音量はおそらく19だろう。しかし、19は奇数のため、僕はこの音量を選ぶことができない。しぶしぶ18か20で視聴するしかない。これはなんとも居心地が悪いのだ。だったら19にしろ、と思われるかもしれないがそういうことではないのだ。テレビの音量は偶数、これは絶対なのだ、居心地の良し悪しよりも優先される。

これまで20数年生きてきた中で、共感してもらえた人は2人だけいた。大抵の人は、このことを伝えると気持ち悪いと行ってくる。大学で数学科を卒業した友人は、「偶数は理解できないけど素数だったら共感できる」と言っていた。僕はそれが理解できなかった。

人は誰でも他人から共感されないこだわりを何かしら持っているんじゃないだろうか。それは、へきと呼ばれることもある。

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