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第九十四話 四日後の当日

四日後

戦争当日


現在

俺と国王とシューゴが

王城のてっぺんにいる

風が少々吹いていて涼しい


ユ「なぁ、国王。この前話したことは了承してくれるんだよな?」

王「ああ、もうしたことだ」

ユ「じゃあ、シューゴやるよ」

シ「おう」


俺とシューゴはある魔法を放つ準備をした


ユ「“そうぞう”防御結界」

シ「“防御結界・極”!」


王都は俺達の作った巨大な結界に覆われた

その結界は分厚く、肉眼ではっきり見えるほどだ

結界は普段、見えないものだが

今作ったのは、厚いものだから、はっきり見えてしまう


ユ「三十枚….で終わった。これ以上は貧血で死ぬ」

シ「五十枚…はぁ、はぁ」


俺とシューゴは完全に疲れて

座っている


シューゴは少し魔力が足りなくなっている

俺は貧血でたおれそうだ


ユ「血ぃ使いすぎた」

シ「筋肉痛にはならなかった。よかった。」


シューゴは安心したような顔をし

俺は生き返ったばかりのゾンビみたいな状態になっている

まぁ、実際は死んでるんじゃなくて死にかけてるんだが


ユ「三十か」

シ「五十枚だ。勝った…」

ユ「これはお前の得意分野だろ」

シ「そうだな」


魔法に関してシューゴが負けてたら

シューゴの存在価値がなくなってしまう

さすがに存在する魔法はシューゴのほうが強かった


ユ「防御結界は、これで…良いか」

シ「だな」


三日前俺たちはこんな話をした


----------------------------


俺はキクチと国王の前にいる

玉座のある部屋で


ユ「俺たちは戦いたくはない」

王「何!?参加すると言ったではないか!」

キ「確かに参加するとは言ったけど、戦うとは言ってない」

王「ぐっ…では、どうやって勝てば良いんだ!?」


少々悔しそうな顔を浮かべている

わかるその気持ち、キクチがこういうトンチみたいなのを言う時くっそムカつくんだよなぁ


ユ「大丈夫、戦わないで。相手を追い払う方法がある」

キ「別に帝国を侵略するつもりは無いんだよね?」

王「ああ、そうだが」


どうやら侵略はするつもりは無いようだ


ユ「帝国に宣戦布告してない」

キ「侵略するつもりはない」

ユ「一度戦争をしたくないと言ったが、それは始める時間が先延ばされただけだった」

キ「ということは俺たちは戦わなくて済むってことだ」


王は口をあんぐりと開けている

外れてんじゃね?


王「…それで、どうやって戦争に勝てっていうんだ」

ユ「負けなければ良いんだから、別に戦わなくて良くね?」

王「むう、そうだが。わかった。そういうことにする。儂も自分の兵が傷つくのは見たくないからな」


意外と、兵のことを見ることのできる

いい国王だった


ユ「じゃあ、俺とシューゴが防御の結界を張るから。なるべく結界から出ないようにしておいてくれ」

王「わかった」

キ「あと念の為、もし兵が中に入ってきたり、裏切りものが居たりしたらのために、兵は一応位置にはつけておいて」

王「伝えておこう」


王は言ったことをすべて納得してくれた

ありがたい

俺たちは人殺しをしたくない

今までだって一回も殺したことが無いから

今回も殺したくない

力を人殺しには使いたくない

弱肉強食どうこう考えるんだったら別だが


王「それにしても、子供なのに頭が良いのう」


そう言いながら俺を指差してきた


ユ「あっ、そうですか」


…シューゴとヒラノに言われたことを言っただけなんて言えない!

ちょっと泣きそうになりながら、考えていた

シューゴとヒラノは王に目をつけられたくないというのと、本が読みたい、魔法を使いたいなどの理由で、俺がこれを言うことになった

一応カンペは用意してたけど、大丈夫だった


-------------------------------


ということがあり

俺たちは防御の結界を張った


ユ「俺たち、自衛隊みたいだな。自分から攻撃をしないで、攻撃をしてきたら、攻撃をするって」

シ「ああ、そうだな」

ユ「ちょっと例外があるけど」


寝っ転がりながら、そう話していた


シ「そういやユート」

ユ「うん?」

シ「毎回スキル使う時、そうぞうって言わなきゃいけないの?」

(たまに言わなくても使えてる気がするけど…無意識か?)


ユ「あー、どうなんだろ。やってみたいけど、流石に今やったら死ぬ」

シ「そうだな」


そのまま、俺達は

空を見上げたまま

寝っ転がって

次に起き上がったのは、三時間後だった


ユ「う〜ん。はぁー」


俺は起き上がって、体を伸ばした

シューゴは筋肉痛になってるけど一日くらい動けないらしいので

部屋に運んで寝かせておいた

この前作ったエリクサーでも飲ませとくか

もう一回王城をでて

王都の塀の外を空中から作った双眼鏡から見てみると

ゾンビ映画かのように人が集まっている


ユ「Gかな?」

「Gとはなんですか?」

ユ「わっ!」


後ろから急に声をかけられた

たけど後ろには誰も居なかった

まぁ、そうだろうな

だってここ空中だもんな

ちょっとあたりを見渡してみた

すると


「Gってなんですか?」

ユ「で、で出たぁ!!“浄化魔法?極”!」


目の前に黒いオバケが出てきたので

俺はそうぞうを使って

魔法を放った


「ま、眩しいぃ」

ユ「ん?」


よくよく声を聞いてるとどっかで聞いたことのあるような声だった


「ご主人さまぁ!」


なんか下から声が聞こえる

下を見てみると

黒い姿をした

人が居た


ユ「イリヤか…」

イ「そうですよ。ご主人さまあ!」


声をかけてきたのがイリヤだったことを安心して

下に降りた

あと俺主人じゃないし

イリヤの主人はリーファとフィルだよな


ユ「さっきどうやって空中にいる俺に後ろまで来た?」

イ「とびました」

ユ「飛ぶ?」

イ「跳びました」

ユ「ああ、跳んだか」


漢字は俺苦手なんだよなぁ

でも俺が疑問をいだいてることに気づいて

それの答えを出せるってことは

イリヤも漢字を知ってるってことか?


ユ「もしかして、イリヤって漢字っていうものを知ってる?」

イ「知りません。申し訳ありませんご主人さま」

ユ「だからそれやめろ!ユートで良いって」

イ「わかりました。ユート様」

ユ「…」


何言っても様つけそうだな

この前はつけなかったのに

なんか命令すると

様を無意識につけちゃうのだろうか


ユ「そういや、どうだった?」

イ「大丈夫でした」

ユ「そうか」


イリヤには塀の上に登ってもらって

王都を一周してもらった

そこで敵国の兵が入ってきてないか、どんなやつが来てるか

壊されてないかなど色々と調べてもらった


ユ「それにしても猫は速いなぁ」

イ「獣人は身体能力が高いですから」


そっか、だからさっき飛んでる俺に対して

足の力だけで行けたのか

あと王都一周って結構長いと思うんだが三時間くらいで帰ってきたよな

昔の俺が走ったら、多分一日かかる気がする

やっぱここの王都はでかいなぁ


シ「おーい、どうだった?」

ユ「もう起きたのか」

シ「ああ、なんか体がすごい軽くて」

ユ「…死んで幽霊として出てないよな?」

シ「死んでないよ」

ユ「もしかして生霊!?」


死んでないけど、幽霊ってことは….

死んでるのでは?

幽霊の謎について考えていたら

二人が俺に言ってきた


シ「違うよ。幽霊から離れろ」

イ「シューゴ様は生きてますよ」

ユ「…」

シ「ユート?」


俺はシューゴに近づいて

シューゴに手を伸ばした


シ「何し…ぐへぇ。痛い痛い。やめろ!」


俺はシューゴのほっぺをつねった

幽霊なら、さわれないはずだ

痛がってるから、これは生きてる!


シ「もうやめろ!“麻痺”!」

ユ「わ〜、テガシビレルナー」

イ「だ、大丈夫ですか!?」

シ(そうだった状態異常効かないんだった!)


棒読みで反応したけど

イリヤは心配しているようだ

慌てている

頭の上にある耳を見てみると

ぴょこぴょこ動いてる

犬か?こいつ猫だよな

….面白い


ユ「ぐーたらしようかな?」

シ「ああ、そうだな」

イ「監視はちゃんとしておきます」

ユ「わかった」


イリヤに監視を任せて

俺とシューゴは王城の中の俺たちのもらった部屋で、ポーカーを始めた


三十分後


ユ「これで俺がハートを出せばフラッシュで俺の勝ち!」

シ「もし出なかったらストレートで俺の勝ち」


今現在、残り一枚が俺の勝敗をわける状況になっている

シューゴは最初に言った「カードの交換三枚まで」というルールでもう既に三回交換している

そして、シューゴは今俺より強いカードを持っている

勝てる方法は俺がフラッシュを出せばいいだけだ

もし出なかったら豚だ


ユ「俺のターン!ドロー!いでよ、ハート!」

シ「これはどっかの決闘じゃないぞ」


興奮してる俺とは対象的に

シューゴは落ち着いている


ユ「落ち着いていられるか!せっかく俺が勝てそうな機会が来たのに!」

シ「全部負けてるもんな」


俺はこの三十分すべて負けていた

シューゴは運は皆の中では悪い方なんだが

運が悪いのは俺が一番だ


シ「でどんなカード出た?」

ユ「スペードの二…ワンペアそろった…」

シ「はい、俺の勝ちだな」

ユ「…」

シ「お、おいユート…」


俺は部屋の隅で落ち込んでいた


ユ「流石に運悪すぎだろぉ〜」


この日俺は自分の運の悪さに嘆いた

もし誤字、変なとこ、質問があったら言ってください


この話へ一言 シューゴから


シ「めんどかったから言いに行きたくなかったんだよな」

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