表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/399

第七十話 また趣味の時間(製薬)

次の日


ダンジョン内

地下十階


テ『ダンジョン内に武器などは置かないのでしょうか?』

ユ「ん?」


薬を作っていたら、テキストさんに質問された


ユ「置かないよ、場合によってはそれにせいで死ぬかもしれないんだから。というか、ここまで来る人は強いらしいから、ここで作った武器なんてほしくないと思うよ」


そんな自滅を選ぶようなことはしたくない

実際、俺たちは死ぬためにいるんじゃないからな

”平和”に生きるためにいるからな


テ『売るという手がありますけど』

ユ「ホントだ。でもここの武器は外と比べてなまくらなんじゃないか?」


売ると言っても

その武器が外の世界よりも価値がなければ

多分持ってきすらされないだろう


テ『いえ、そんなことはありませんよ。キクチさんの作る武器は、この世界で高級品として扱ったとしても、他と比べて遜色はないと思います』

ユ「へぇー...それをほとんど無料でもらえる俺らってやばくない?」

テ『はい、やばいです』


語彙力が低下している

わざとだと思うが


テ『一人で薬作って何してるんですか?』

ユ「暇つぶしと、やりたいことがあったから」

テ『やりたいこと?』


文字でもなんか感情を感じれるな

疑問を持っているっていうのを感じれる

なんだろう...不思議だな


ユ「ああ、この前ドラゴンと戦ったのに、傷が一個もついてないから。俺の防御力が高いのか、自然治癒能力が高いのかを調べようかと思って。あと今まで一回も傷が残ってない気がして」

テ『ドMなのでしょうか?』

ユ「ちげぇよ!」


と、楽しく話しながらエリクサーを大量に作っていった

あと普通の最上級ポーションも

手順はメモしてあるから作れる


ユ「そういや、なんで急にテキストさん話してきたんだ?」

テ『最近話してくれないので、少し暇を持て余してしまって。今なら会話しても大丈夫だと思って、話しました』

ユ「お前感情あるんだな」


暇というのは無いと思っていたが...

だって、殆ど話しかけてこなかったから


テ『...感情の他にも、聴覚などありますよ』


さっきの俺の発言でによってなのかはわからないけど

わかることは、さっきよりも少し不満そうに言い返してきたということだけだ


ユ「そりゃぁ聞こえてるからな。他には?」

テ『視力がありますよ』

ユ「てことは俺のことが見えてるのか」


そうだったのか

てことはこいつは誰かが操縦してるものなのか?


テ『いえ、私は感情のあるロボットって考えてもらうと嬉しいです。実体はありませんが』

ユ「まぁ、文字だもんな。見えるけど、触れないからな...っていうか今ちゃっかり俺の心を読んだくない?」

テ『次ユートさんが考えそうなことを推測しました』

ユ「考えが筒抜けと言うことか。人工知能みたいだな...」


実際頭いいし

感情があるから、人間臭いロボットって考えればいいか

まぁ、人って考えるか


ユ「うーん...秘密とかできないなぁ」

テ『あったとしても私はこの世界に自分から干渉することはできないので』

ユ「確かに実態ないしな」


幽霊と一緒と考えた方が妥当なのかもしれない


ユ「そういえば、気になったんだけど」

テ『何でしょう?』

ユ「俺らこっちに来てから自由に過ごしてるけど、大丈夫?」


自分たちの立場的にだったり、突然こっちの世界に飛ばされたりとかのせいで

自分たちは何かした方がいいのかもしれないという悩みが生まれてきている


テ『大丈夫ですよ。もし道を外れたり、間違いをすることがあったら言いますので』

ユ「わかった。とりあえず仲間を増やすのは大丈夫っと」


俺はメモ帳と鉛筆を作って、テキストさんに聞いたことをメモしておいた

そして俺はあることが気になった


ユ「…鉛筆は本来ここの世界には無いはずなのに、驚かないんだな」


学校では、ノートに何か書くときは

シャーペンみたいな形をしたものに魔力を流して書いている

だからこの世界には鉛筆は存在しないはずだ


テ『あなた達が異世界から来た人だということは知っているので』

ユ「あそっか、最初にスキルを紹介してくれたのは、お前のおかげだったな」


結構前のことだったから忘れてた

こっち来てから半年か

もうそろそろ、学校の一学期みたいなのが終わりそうだな

もう夏だ、暑い


ユ「一つ気になったんだけど。この世界って前の世界と同じところは何がある?」

テ『どういうことですか?』

ユ「前の世界との共通点は何だ?ってこと」

テ『共通点ですか。同じなのはご飯と花の種類ですかね。相違点は人種、世界、魔力があること、魔物がいることなどでしょうか』


どんどん出てくるな


ユ「なるほど、花は一緒なのか。それは花言葉もか?」

テ『はい、一緒です』


心底良かったって思った

もし花言葉が違ったら

まったく意味の違うものを送ってたことになっちゃうからな

本当に違ったらただのずいやつになってるじゃん


ユ「よし、できた」

テ『では楽しんできてください。趣味は人それぞれですから』

ユ「実験だよ!趣味でもなんでも無い…よ。いや、実験は趣味だ。自傷行為は違うよ」


俺はエリクサーの瓶をたくさん持って

地下十階の生活部屋に戻った


ユ「...さ、流石に知るためとはいえ...自分を傷つけるとなると怖いな...」


刃物を右手に持って自分の左腕に添えた


ユ「一応左腕にしておくか。利き腕使えなくなったら終わるし」

テ『そこまで深くやるんですか?』


そうそうそんなに強い傷を負うことはないだろうけど


ユ「さて...やるか...」


覚悟を決めてから俺は自分の左腕に傷をつけた

はずだった


ユ「...いっ...あれ?」

テ『どうかしました?』


何もなかったから俺は驚いた


ユ「俺...傷つけたよな?」

テ『はい、刺さってましたよ』

ユ「ということは、ヒラノみたいに防御力があるわけではなくて治るのが早いのかな?」


傷をつけた?って思うくらい治るのが早かった


ユ「...うーん、流石に驚いたな。俺の体は再生能力が異常に高いんだな。若さかな?」


前の世界でも、全治二週間のまぁまぁ大きい怪我をほぼ三日で治ったことがある

結構おれは再生能力が高いのだろうか


ピコッ


ユ「ん?」


なんか鳴った


テ『ステータスに変化がありましたね』


うわっ、急に部屋に入ってきた


ユ「なにか変わったのか?」

テ『いえ、項目が一個追加されたようです』

ユ「どんなのだ?」


テキストさんは俺のステータスを見たようだな


テ『再生能力っていうのが追加されました』

ユ「ちなみに数値は?」

テ『えっ…一、一億です』

ユ「すごいのか?」


ちょっと基準がわからない。というか数値が高すぎて意味わからない

でもわかることは俺たちはボスとして存在しているから、ステータスは普通の人に比べたら全然強いってことくらいはわかる


テ『一億って、傷があったとしても、すぐに治るレベルです』

ユ「うーん」


まだ理解が追いつかない


テ『再生能力が高すぎるということです』

ユ「わかった」


とりあえずどれくらいかはわからなかった

高いことだけわかった


ユ「…やばいな。生命力とかもありそう。っていうか再生能力があるってことは、バラバラになってももどる可能性があるってこと!?」

テ『生命力が持てばできます』

ユ「そこまで行くと化け物だな...」


人間の領域を完全に超えている


テ『そういえばユートさんの再生能力の数値の右上に百って書いてありますね』

ユ「なんだろう」

テ『わからないので、今は気になくていいですね』

ユ「そうだな。とりあえず、どんな傷でも治ることがわかったから。というかテキストさんでもわかんないことあるんだ」

テ『私だって完璧じゃないので』


俺、ゾンビみたいだな

生きてるけど

普通にさっき腕切れちゃったけど

防御力は無いわけではない

というか普通の剣だと多分防御力が高すぎて、壊れたからな

だから、防御力無効の一回限りの剣を作って斬った

並大抵の攻撃は通らないんだな

まぁ、俺の作った剣が脆すぎたのかもしれんが


ユ「薬、あまったな」

テ『売ればいいでしょう、それは普通のやつなので』

ユ「そうだな」

テ『エリクサーなら高く売れますよ』

ユ「高級なのか?」


そういや、トレニアもこの前高級すぎて受け取り拒否してたもんな


テ『エリクサーはどんなものも治すことのできる薬です』

ユ「そりゃぁ、高級なわけだ。三十本くらいあるけど、どうすっか」

テ『全部売れば良いんじゃないですか?』

ユ「経済崩壊しそう」

テ『ですね』


流石に崩壊しないようにするけどな


と、のんきに会話をしながら歩いた


ユ「お前、外にでも会話できるんだな。てっきりダンジョンの中だけだと思った」

テ『前まではそうでしたけど、進化しました』

ユ「へぇー」

テ『ちなみに私の姿もじはあなたにしか見えません』


てことは、一人ごとをめっちゃ言ってる変なやつ、っぽくなるのか

変な目で見られるのはなれてるし良いか

そして俺は大きそうな商会に来て

売ろうとした


テ『ここは、商業ギルドですね。ここで売るんですか』

ユ「どう売ればいいかわからないから、ここで本業の人にわたそうと思ってな」


俺は黒い上着のフードを被って

移動した

ちなみに認識阻害をかけてある (フードをかぶると発動する仕様)

口元は見えるかもしれないが、目や鼻は見えないはずだ

俺は受付のところに行って

言った


ユ「これを売りたいんですけど..」

受「なんですかこれは?」


聞きながら渡したら

何なのか聞かれた

勿論嘘を付く必要がないので


ユ「ああ、エリクサーです」


とはっきり答えた

だが


受「えっ!?エリ!?…嘘はいけませんよ」


受付の人は信じてくれないようだ

俺がそう言ってからまわりの人がザワザワし始めた

だけど、皆の声を聞く限り、この受付の人と同じように信じてないようだ


テ『それはそうですよ、貴重すぎて人生で一回でも見れば奇跡とか言うレベルなのにそれを三十本持ってきたんですから』

ユ(持ってくるんじゃなかった)


受付の人は俺のことを完全に信用していない


受「からかうつもりで来たのならお引取りください」

ユ「はぁ、そうか」


信じてくれないのが

ちょっと悲しい

まぁ、それくらい貴重ならそうだよな


ユ「じゃあ、エリクサーは置いてきます。もうくさるほどあるんで。んじゃ」

受「あっ、ちょ。持ってって…」


俺はすぐに転移魔法で帰ってしまった

信じてくれないなら、信じなくていいし

あと本当にいつでも作れるし、今も腐るほどアイテムバックに入ってるから

売ろうと思ったけど、別にいいか

もし誤字、変なとこ、質問があったら言ってください


この話へ一言 テキストから


テ『一応見ることもできるので紙に書いてでの会話できます』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ