第四話 初めての異世界の街
ユ「なんか日本の祭りみたいだな」
辺りにはたくさんの屋台があり、かなり賑やかだ
少し騒がしくも感じる
その屋台でご飯を売っている
でもまず俺の好きな物から行くか
焼き鳥、りんご、焼きそば、ハンバーガー
ユ「ふぅー、たくさん食った」
全部二周してれば流石にお腹が一杯になる
皆は何を食べただろうか、あとで聞いてみるか
ユ「少し腹が痛いな...」
少し腹をさすってから、近くにあったベンチに腰を下ろした
そして、次に何をするかを決めた
ユ「まぁ、いいや。とりあえずここに観光の名所とかあるかな」
あとなんか情報があればいいかもしれないと思い
さっき焼きそばを売ってくれたところにいるおじさんに聞いた
ユ「ここらへんってなんか、観光名所ってある?」
おじ「ここらへんでか、あんた旅のものか?ここの観光名所は有名でここの王都で知らない人がいないくらいだよ」
ここ王都だったんだ
ユ「うん、そう。緑色の草原が広がっているところを超えてきた」
おじ「緑色の草原か、かなり遠いなそこは。あそこは勇者が負けたっていう敵が住んでいるらしいから、気をつけろよ」
すごい心当たりがある
だけど、そのことを言ったらヤバそうだ
というか今日あったことなのに情報が早いな
もしかしたら、俺の作ったものを売っている間に広まったのかもな
ユ「ありがと。それで観光名所はどこにある?」
おじ「ああ、そういやそんな質問だったな。王都の中心に。勇者の像があるぞ。あれは初代勇者が初めて魔王を倒した場所だ」
かなり親切に色々と教えてくれる
おじ「魔王が王都に攻めてきたときに勇者が倒したらしい。あと初代ではないが、その子孫を最近勇者が倒したらしくて、今は平和になったよ」
ユ「ほー」
おじ「他にはー...」
数分後
ユ「たくさんの観光名所を教えてくれてありがとう」
おじ「おうよ、今度また焼きそばを買っていってくれ」
ユ「わかった、今度仲間を連れてくるよ」
おじさんはニカっと笑って
俺を見送った
俺は王都を歩きながら観光名所に向かった
ユ「これが初代勇者の像か」
青銅でできており
勇者が剣を上に上げている
勇者の足の下には魔物がたくさんいる
おそらく、倒した後の状況を作ったんだろう
それとその像の横に『聖剣』って書かれた剣が刺さっている
ユ(てかひげの量すご...)
ヒゲの量に圧倒されていると
その像をじっと見ているキクチに気づいた
ユ「おーい、キクチ。何してんだここで」
キ「この武器がなんで聖剣じゃないのかを見ていた」
ユ「聖剣じゃないの!?」
黙れと声には出さずに行動で俺の口を塞いできた
キ「多分、この前攻めてきた勇者が本当の聖剣を持っていて、観光名所としてはあるように見せたいからここに置いてあるのだと思う」
ユ「『ウェポンマスター』がいると見抜かれてるけどな」
キ「はは。そうだな」
皆真剣に見ているから
キクチのように鑑定できないから、武器の正体を知らないのだろう
ユ「次さ、聖女を信仰している人たちが作ったいう聖堂があるらしいんだけど行く?」
キ「ああ、行く。偽物をずっと見てるのは嫌だからな。今度は本物が刺さっているのをを見てみたいわ」
ユ「そうだな、行くぞ」
俺たちは王都の南にある聖堂へと向かった
ユ「でけぇ」
南に向かったらそれはそれはでかい、聖堂があった
四万平方メートルありそう
ユ「勇者と一緒に旅をした聖女への信仰のレベルがすごい」
キ「勇者といえばこの前倒した気がする」
ユ「てことは、こいつは勇者の仲間の一人か」
前の三人がおそらく俺らのところまで勇者を呼んで
その勇者パーティーは七人いるんだろう
そのうちの誰かが聖女だったんだろうな
神官はまた別なんだろう
雇われたんだろうか
聞いたところ本来勇者パーティーは四人らしい
あの時に七人いたということは三人雇ったんだろうか
あそこの場には魔法使いっぽいやつが異様に多かったから
多分、浄化魔法、転移魔法を使える奴らを雇ったんだろう
弱かったけど
ユ「これが入り口か」
聖堂の入口にはたくさんの人がいた
キ「おっ、シューゴとヒラノが並んでる」
ユ「ん?」
キクチが指差した方向を見てみると二人が長い列に並んでいた
ユ「なんでここにシューゴとヒラノがいるんだ?」
並んでいる二人に向かって一言言うと
二人は俺の方へと顔を向けた
ヒ「俺が歴史について知ろうと思って、図書館に行ってそこで魔導書を読んでるシューゴに会った。それで一緒に歴史がありそうなところに来た」
ユ「なるほど」
確かにヒラノは日本で卒論を書くために外国の歴史についてよく調べていた
あと普通の本も読んでた
シューゴは漫画が多かったが
シ「...」
シューゴはさっきから本にのめり込んでいて、こっちに向きもしない
ユ(そんなに面白いのだろうか)
中身をのぞいてみようかと思ったけど、自分のペースで読んでいたいので
また今度読むことにした
ユ「俺らも一緒に並んで、入ってみない?」
キ「暇だからいいよ」
四人で談笑しながら列が進むのをゆっくりと待った
数十分後
ユ「長かったー」
キ「やっと、中に入れたな」
中を見渡すと真ん中を開けてたくさんの長椅子が並べられていて
一番奥には大きな石像がある
ここは南にある聖堂で太陽を背にしているから逆光が眩しい
なんか神秘的だ
一時間後
ユ「結構まわったな」
ヒ「もうそろそろ時間だし帰ろうか」
シ「そうだな」
集合場所へ
ユ「よう、アユムとカンタ」
カ「よぉ〜」
ユ「楽しめたか?」
カ「そうだな〜」
ア「僕も楽しめた」
そうだな
見た目から楽しんでいるように見える
アユムは風船と綿あめ、お面、本と色々持っている
めっちゃ満喫してるな
カンタはなぜか涙目でなんか顔に紅葉がある
山っぽいのが五個あるこれほど綺麗な紅葉は初めてみたな
カ「かわいいねーちゃんをナンパしただけなのに...」
おそらくそれが原因だと思う
けど、今までそれを言ったとしても何も変わんなかったので何も言わない
ユ「じゃあ、帰るか」
来たときと真反対の出入口だけど反対に行けばいいか
俺たちは南の門まで行った
ユ「また、来ようぜ」
カ「荷物は、しまうから撮らさせて」
皆の荷物をカンタのスマホに入れた
入れてから帰ろうとした瞬間
『警報!警報!只今敵がこの王都を目指して来ています。一般人は避難を、冒険者は直ちに南の門に集合してください!!』
と何処からともなく
大きな声が響き渡った
魔法か?
ユ「えっ?」
ヒ「敵がくるみたいだね」
ユ「帰れないじゃん!」
敵が来ていることより
帰れないことに怒っているようだ
シ「心配するところそれであってるのかな?」
キ「倒せばよくね?」
カ「そうだな」
ア「嫌だなぁ...」
皆は賛成だけど
ちょっとアユムは嫌そうな顔をした
ア「だって勝てないかもしれないんだよ!?」
ユ「めんどいから倒しながら帰ろうぜ。ここでずっと待ってるよりは良いだろ。てか早く家帰ってゴロゴロしたい」
皆「おー」
ア「聞いてよ!」
アユムが文句すごい言っているけど
俺たちはあるき始めると、アユムも渋々ついてきてくれた
その時、門で警備している人たちが止めてきた
騎士団というやつだろうか
「君たち、今は危ないから、戻ってなさい」
君たちか
そうか俺ら日本だと中二だったから
こどもに見えるんだな
まぁ、実際子供だし
「大人の人がちゃんと子供を危険なところに行っちゃいけないのを教えなきゃいけないでしょ」
それをヒラノに向かっていった
ヒラノは異常に身長が大きかったから親とまちがわれたんだろう
もちろんヒラノは同い年だ
確かに大人に見えるけど
ヒ「俺は、親じゃ無いですよ」
「何、そうなのか。でもここは危険だ、早く避難しろ」
ユ「うるさい、早く帰らしてくれない?」
相手を威圧する
「…流石に子供を見殺しにするにはっ...わかった...通すよ...だが自己責任だぞ」
すんなり引いてくれた
もう無理だと思ったんだろうか
というか見殺しにするんだろう
まぁ、俺らは多分大丈夫だから良いか
ユ「行こうぜ」
俺らは、歩こうとしたら大量の敵が出てきた
何万人という単位でうじゃうじゃいる
まだ自分たちの世界にいたような兵器みたいなのは存在していないようで白兵戦をするみたいだ
ヒ「ユート...」
ユ「ん?」
ヒ「一部の人の服装違うね」
だけど見た目が明らかに盗賊じゃないのがいる
服が騎士団っぽい、今日倒した人みたいな、雇ったんだろうか
でも一緒に来てるということは敵だよな
ユ「勇者とやらとしか戦ってないけどさ...自分たちも応戦する?」
一応提案として聞いてみた
だけど、みんな同じ意見のようだ
ユ「守るか!」
ここのご飯は美味しいから
絶対に通させない
ユ「全員倒すぞ」
アユム以外「おう」
ア「えぇー」
ユ「じゃあ、皆別れて」
皆「うん」
皆別れた
自分たちが強い自信はあまりなかったが
おそらく強いであろう勇者に対して、余裕で倒せたから少しくらいは簡単に勝てると考えている
シ「足止めが一番早いのはこれだな」
シューゴは魔法を放った
シ「“絶対零度の風”」
手から氷を出した
名の通り絶対零度の風が相手に吹いていく、触った相手は固まっている
それに対してシューゴの顔はあったかくなっていた
その言葉を言うことに少し抵抗があるみたい
シ「あと、”竜巻”」
大きな風が渦を巻いて、それにたくさんの人が巻き込まれて飛ばされている
しかも絶対零度の風に触れたせいで、この竜巻も絶対零度だ
通り過ぎていく竜巻に触れた相手は皆瞬間的に悲鳴を上げる間もなく凍っている
ヒラノは敵に近づいて素手で倒している
かなりの瞬発力で誰も反応できていない、また体が硬いから相手の攻撃が一つも通っていない
というか相手の武器がすべて破壊されている
キクチはどんどん剣とか槍とかを手に出し
それを投げ続けている
そして、近づいてきた敵には持っている剣で相手を叩いて気絶させている
アユムは手を広げて前に出し
相手の中心を爆発させた
その爆発は円状で王都に匹敵するくらいの大きさだ
どうやらアユムのキャラ変更は、姿を変えることもできるし、変えなくても能力などが使えるらしい
威力は調整して見た目の割には弱めにしているようで、爆発を起こした跡には人が全員倒れていて
なおかつ生きている
カンタはスマホで魔法の文字を打ち込んで
魔法を放っている
雷とか炎とか
俺は相手を倒す手段が出てきすぎて
どれを選べばいいのか悩んでいたら
この戦いで攻めてきた敵がもう自分の目の前まできていた
敵が自分のことを殺すと言っているが、あまり相手からその気迫を感じなかったから
冷静でいられた
ユ「じゃあ、これで倒してやる」
作ったのはピコピコハンマーだ
玩具屋さんとかで売っていそうな代物だ
ユ「おらよっ!」
前のキクチが力が強くなってたということから自分も強くなってるだろうということで
力加減を調節するためにハンマーはかなり柔らかいものにしたのだった
だが、そのハンマーを持って相手の頭に向けて振った時、自分はこっちの世界にきたことによって予想以上に強くなっていることに気づいた
相手はそのハンマーで叩かれた瞬間相手の顔は地面に埋まって気絶しあたりはひび割れた
そして、ハンマーは一回で壊れた
ユ「またつくろ...」
数分後
ユ「うわぁ...粗大ゴミ」
大量のゴミを、作った普通のリュックに入れて持って帰ることにした
シ「戦略がクソなだけだろ」
辛辣な一言が返ってきた
ユ「よし、帰るか」
一名だけ涙目で、俺らはシューゴの魔法で飛んで帰った
敵は皆気絶程度にしておいて、山にして王都のまえに置いといた
「——。——。」
なんか手を振って何かを言ってるように見えるけどよく聞こえてこない
ユ「晩ごはん何にする?」
ヒ「魚食べたいな」
キ「釣る?」
ユ「そうだな、一匹も釣れなかったら出すわ」
シ「最初からそれで良くない?」
ユ「確かに」
ア「ははは」
読んでくださりありがとうございます
もし誤字、変なとこがあったら教えて下さい
この話への一言 キクチから
キ「ユートだけ戦い方かっこつかないな」
ユ「うっせ!倒せればいいんだよ!」