第三話 初めての外
敵を倒したところまで少し戻ってから始まる
シ「また外に置いていくか」
ユ「うーん...」
キ「ユートまだ起きないんだけど」
シ「叩いて起こせ」
パシンッ!
ユ「いったぁっ!」
シ「よし、運ぶぞ」
ユ「なんで引っ叩くんだよ!」
俺の言葉を全部スルーしてそのまま皆で外へと運んでいった
カ「よくコイツラここまでこれたなぁー」
ア「た、確かに」
一階には大量のアンデットがいる
主な理由は通常のモンスターと違って簡単には死なないからである
カ「ユートもよくモンスター出せたよね〜」
ユ「なんか、ダンジョン制作するときにメニュー画面みたいな感じで誰を配置するか選べたんだよね」
初めて作る時正直ちょっとびっくりした
ア「こ、この人たち毒が効かないのかな...こ、怖い...」
しかも毒が撒かれていて、その毒は引火しやすくて
引火すると爆発するものがあるのに
毒に関しては遅効性とはいえ、5分吸ってたら死ぬレベルなのに
どうやって来たんだろう
カ「あっ、神官がいるなぁ〜」
ユ「ゲームの通りなら...こいつが浄化したんだな」
こっちの世界の職業はゲームのキャラクターみたいなのと同じらしい
だから、敵キャラの配置とかの設定する時に単語がわからないみたいな問題はなかった
カ「じゃあ、二階の水中の麻痺毒と神経毒も効かなかったのはこいつのせいかぁ」
キ「水の中にピラニアは普通に退治したんだろうな。俺が考えたのに...」
簡単に突破されて少し悲しそうにしている
ア「皆これくらい強いんかな?」
ヒ「三階のメビウスの環の道は転移魔法で出てこられたんだろう」
一人ひとり思ったことなどを述べていっている時
カンタだけスマホを眺めている
カ「う〜ん...」
ユ「なんかあった?」
カンタがスマホをじっと眺めて顰めっ面である
カ「あのさ〜。こいつ鑑定したらの職業勇者だったんだよね〜」
ユ・キ「まじ?」
俺とキクチの声が重なってしまった
勇者てことは本当は強いってことなんじゃないの?
いや、俺らが強すぎるだけなのか
裏ボスだからか
キ「まだレベルが低かったんじゃね?」
シ「そういうことか」
レベルが低かったことで
間違って勇者を倒してしまった
ということにしておいた
というかこの世界にレベルの概念あんの?
腹減ってきたな
ユ「そろそろ、飯にする?」
キ「そうだ!せっかく出れるし、どっか外のご飯を食べに行ってみようぜ」
シ「確かにずっと引きこもってるわけにはいかない」
カ「おお」
ヒ「行ってみるか」
一応、外に出てはいるけど
あんまり遠くへと出ていない
シ「だが、先にするべきことがいくつかある。外に冒険に行くのは生活基盤を整えてからだ。ユートお前には働いてもらうぞ」
ユ「えっ、俺の夢のヒモ生活は?」
シ「捨ててしまえそんな理想」
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ユ「よし、いろんなもの作ったし、これで当分は生きていけるでしょ!」
シ「ああ、じゃあ外に何があるか見にいこう」
ダンジョン内の生活がかなり充実してきたし
生きる余裕もできてきた
好奇心が溢れる自分は外の景色をまだ見てないのでうずうずしている
シ「異世界の食べ物ってどんなものがあるんだろうな」
ユ「実際に言って見るしか無いな。行くぞー!」
皆「おー」
カ「おーぅ」
階段を上がって
初めて、ダンジョンをちゃんと出てみた
ユ「があぁぁぁぁぁ!」
外に出た瞬間、痛いという答えしか出てこず
俺はある刺激に耐えられず叫んでしまった
シ「なにがあった!?」
ユ「眩しい...」
ずっと地下にいたせいで目がクッソ痛い
倒した敵の体は他の人に運んでもらってたから、初めての外はかなり目に来た
シ「...置いていくぞ」
ユ「ちょ、待ってよ!」
反応は冷たかった
慣れてから目を開けてみると
ダンジョンの外は驚くほどなにもないことがわかった
緑色の草原しか無い
地平線なんて初めて見た
今まで俺だけ中に居たから、俺だけ外の世界をしらない
だってまだ能力が不明だったから出してくれなかったんだもん
横に勇者たちが寝っ転がっている
ユ「ここからどこに行けば良いんだ?」
カ「スマホで検索したら、南の方向が街らしいよ」
ユ「方角わからん」
カンタがスマホで方角を調べている
くるくる回って
どの方角かを確かめている
カ「方位磁石…….あっちだってぇ」
ユ「便利だな、それ」
カンタがスマホを水平に傾けてぐるぐるしたと思ったら前に指差した
よくよく考えたら、太陽を見るとかの他の方法があったと思う
カ「距離は10キロくらいみたいよ〜...」
ユ「えっ、遠いなぁ...」
ア「ちょ、ちょっと遠くない?」
距離を聞いて途端に行く気が失せてきた人たちである
キ「それくらい余裕だろ!引きこもってるからだぞ!」
流石一番運動しているキクチだ
ユ「でもなぁ...歩きたくねぇよ...」
シ「流石に運動しろ...と言いたいが、一つ実験してみたいことがある」
ア「えっ、ちょっっ、それ大丈夫なの!?僕たち死んじゃう!?」
シューゴの言葉に恐怖心を覚えたのかアユムがビビり散らかしていた
シ「大丈夫、ユートとは違って失敗はしないはずだ」
ユ「おい」
なんでそこに俺を出した
シ「...よし。“飛行”」
シューゴがそう言うと自分たちの足は地面から離れていた
体重も軽い気がする
ユ「お、浮いた」
ア「わわっ、ちょっと急にやんないでよ!」
シ「悪い」
アユムは急な変化にビビってしまったようだ
ユ「浮く度合いを調節すれば体重計誤魔化せそう」
シ「脂肪は詰まったままだぞ」
まぁその通りだな
キ「おぉっ!速い!」
早速キクチが器用に飛び回っている
ユ「なら、これで行くか」
キクチのおかげで飛行魔法で行けば速いだろうと確信してから
街に向かった
街にて
街はなんか真ん中にある城を囲っているように見える
ついでに入るときに仮の身分証を作ってもらった
作らなきゃ入れないそうなんでな
この街には人間しか居ないようだ
ユ「これが異世界の街か」
ア「美味しそうなものたくさんある」
キ「おい、早く買いに行こうぜ」
皆街をまわりたいようだ
ユ「いいけど...お金がないから...」
辺りを見渡して、皆がどんな硬貨を使っているか見た
ユ「あんな感じか...硬貨製造は...犯罪だな」
経済を壊しかねないから
作らないでおこう
ユ「えーっと...」
どうしようか悩んでいると...
シ「なんか作って売りに行ったらどうだ?」
ユ「よし、そうするか」
ちょっと人目のないところに行ってこっちの世界で売れそうなものを作った
ユ「これとかどう?」
ヒ「良いかもね」
とりあえず、色んなものを作ってみて
色んな店を回った
ユ「まぁまぁ売れたな」
財布を皆の分作って、さっき稼いできたお金を分けた
ユ「じゃあ、お腹一杯になって四時過ぎたらここの噴水のあるところに集合!それまで解散!あと時計作ったから時間はこれを見て!」
皆「わかった」
皆分の時計を作り
次々と腕にはめていった
ア「行くぞー」
キ「何があるんだろう」
ヒ「異世界の本とか読んでみるか」
シ「漫画でも見た魔導書ってどんなものなんだろう」
カ(可愛い人いるかな)
皆、各々の行きたいところに散っていった
ユ「よし、俺も食いもん買いに行くか!」
ジュルリ
よだれがたれてしまった
読んでくださりありがとうございます
もし誤字があったら教えて下さい
この話への一言 ヒラノから
ヒ「引きこもりすぎはだめだね」
ユ「前の世界の俺とあんま変わってない」




