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第三百九十四話 外に逃げた犯人

ユ「どこいった…」


まずは周りを見た

最初、何も見当たらなかったが木が軋む音がして

その方向を見てみると、屋根の上に怪しい人影があった


ユ「あれか?」


試しに撃ち抜いてみようかと思ったが

暗いせいで狙いにくい


ユ「追いかけるか…」


カンタが俺の代わりに護衛をしているだろうし

行っても大丈夫だろう


ユ「仔蜘蛛姉との鬼ごっこみたいだな」


気配を消しながら追いかけるためにフードをかぶった


ユ「待ちやがれ」


と言っても待ってくれるわけないので

返してもらうために走り出した


---------------------


ユ「うーん…遅いなぁ…」


追いかけながら出てきた感想である


メ『遅いならとっとと捕まえればいいじゃねぇか』

ユ『いや、このまま逃げしておけば俺を本拠地に案内してくれるかなって』


俺の感想に違和感を覚えたメラが不思議そうに聞いてきた


メ『なるほど〜』

ユ『俺とシューゴで話した転移の使い道の一つだからな』


追いかけて、場所を突き止めたら戻ればいいんだから


ユ『まぁ、もしかしたら俺の場合普通に探したほうがいいかもな』


大量の目を作って、王都中を探せばいい


テ『不思議ですよね』

ユ『ん?』

テ『普通、一つの脳では視認できる情報が限られています。なのにどうやって、何千人分の情報を一気に取り入れることができるのかわからないですね…』

ユ『いや〜…なんでなんだろうな』


それは俺もわからん


ユ「うーん…」


相手を追いかけるのがまぁまぁ余裕で会話をして暇つぶしをしているが

相手がなかなか足を止めない


メ『なんか、怪しくね?』

ユ「人を抱えながらってすごいなぁ。疲れないんかな」

メ『聞け!』


アホみたいな感想を述べていると怒られた


ユ『それでどういうこと?怪しいって』

メ『俺、この光景を何回か見たんだが』

エ『確かに、私もそんな気がします』


一応、体の中で外は見えるらしいが


ユ「つまり…迷った?」

エ『この人ってこんなに頭悪かったでしたっけ?』

メ『多分、そうだったんだろ』

ユ『ひどいな!だってあるかもしれないだろ!アユムだってよく道に迷うし』


----------------


ア「はっくしょん!」


ダンジョン内で、爆発音のような大きなくしゃみが響いていた


シ「どうした?風邪か?」

ア「ちょ、ちょっとユートの部屋に行って、かぜ薬を取ってくる」

シ「薬に手を出すが速い」

ア「い、言い方悪いよ!」


-----------------


ユ「まぁ、でも…あいつは基地に帰らないのかな」

エ『同じところを何回か往復しているので、そうだと思われます』


そうと分かると、屋根が壊れるくらいの力で踏ん張り

相手のもとへと一瞬でたどり着いた


「うわっ!」

ユ「捕まえた」


速さに驚いているようで、掴んだ瞬間姿勢を崩した


ユ「そいつを離せ」


とりあえず最初は言葉で頼んでみる


「するわけ無いだろ!」


と言ってから、すぐに相手は俺のことを殴りかかってきた


ユ「“呼吸投げ”」


相手の殴ってきた腕を掴み、弱い関節部分を押しながら姿勢を崩すともに相手を地面に投げた


「ぐはっ!」

ユ「畳じゃないからちょっと痛いだろうけど…」


いつもは畳でやってる技を石の上でやるのは普通に痛いと思う


ユ「それで、離してくれる?」


地面に叩きつけて痛そうにしているのに、まだ女を抱えている


ユ「じゃあ…」


思いつく手段は一つだ


ユ「おらよっ!」

「あははははは。あーはっはっはっはっははははははは」


音だけを聞くと、相手が勝手に笑い出したと思えるが

俺がしたのは、「こちょこちょ」である


「ひいいいひひいいいひひいっひっひっひ」

ユ「速く離せ〜。じゃないと、笑い過ぎによる窒息死を起こすぞ〜」


結構危ないことをしている


ユ「今度、キクチが煽ってきたら。これで仕返ししようかな…」


安全そうに見えるけど、最悪死んでしまう可能性があるから結構極悪である


「あっはっはっははは〜…は、はぁ…」

ユ「あっ…気絶した」


長く笑わせすぎて、気絶してしまった


ユ「よーし、これでようやく回収できる…」


相手が気絶して力が入らなくなったのを確認してから

この女を抱えたけど

それと同時に、また別のあることを感知した


ユ「こんな真夜中に大声で笑わせたのは問題だったかもなぁ…」


片手に抱えたまま頭をかいた

そして、女はそっと寝かせた

枕と毛布も添えて


ユ(秋だし、結構冷たかったりし、普通の人だったら寒そうだな)


冷えそうだからである

ついでに湯たんぽも置いた


ガキンッ!


ユ「おっと…寝かしつけてるんだから…」


剣で首を跳ねようとしたら、フードのおかげで剣をぶっ壊した

壊れたのを見てから、後ろにいる相手の足を一周させる勢いで横に薙ぎ払いまだ足が宙に浮いている時に、地面にぶつかる前に蹴っ飛ばした


ユ「…さて、何人だ?」


左手はパキパキと鳴らして、右手は2進数表示で相手の数を数えた


ユ「あっ、片手じゃ収まんなかった…」


今ここに集まった相手は16人以上だった


ユ「とりあえずいっぱいだな」


数えるのがめんどくさくなった


メ『やるか?』

エ『手伝いますよ!』


普段寝ていることから、結構やる気のある二人である


ユ『じゃあ、後ろからの攻撃に任せた』

メ『おう!久しぶりに戦えるぜ!』

エ『ですね!』


普段、あまり頼ることはしないからな


ユ『あでも不殺で』

メ『おー!』

エ『はーい』


エアルは大丈夫かもしれんけど

メラは燃やし尽くしそうだ


ユ(燃えそうだったら、消化器を使うか…)


とりあえずアイテムバックの中に新しい消化器を入れておいた


ユ「よし」


手袋をはめて、喧嘩の準備をした


ユ(なんか来ない…)


相手を目の前にして手袋をはめたりして油断してるところを突こうと考えてるやつを待っていたが

なかなか相手が攻撃しに来ない


ユ「まぁ、自分から行く、あっ!...っぶねぇ」


自分の目の前に石が飛んできたので、それをキャッチした


ユ(会話してるときにやんなよ…)


せめて最後まで言わせてほしい

消化不良だから


ユ「おっ、来た」


普通の長い剣を自分に振ってきた


ユ「おらっ!」


相手が自分の目の前に来ると、すぐに殴るか

一旦攻撃をさせてからカウンターをかました


「後ろががら空きだ!」

ユ「言ったら意味ないだろ…」


大声で場所を教えてくれたから、地面を掴んで体重を支えて後ろにいる相手に回し蹴りを当てた


ユ「まぁ、静かにしてるからと言ってもバレてないわけじゃないからな」

メ『やってるの俺なんだけどな』

ユ『まぁ、俺も気づいてるし〜!』

エ『こんなことで張り合うなんて、子供ですね〜』

テ『みんな一緒ですよ…』


子供みたいな会話を脳内で繰り広げながら

大量の相手と戦っている


ユ「危ねっ!」


数の暴力は流石にきつくて、遠距離から弓などを打ってくる奴らからの攻撃が鬱陶しく感じ思わず拳銃を取り出して、相手の方へと撃った

一応、加減はできている

おそらく脱臼レベルでいるだろう


ユ「あっ、後で治しとこ」


気絶させてから治そう


ユ「遠距離は仕留めたし、あと数人だな」

「死ねぇ!」


ちょっと油断してしまって、攻撃を鼻に食らってしまった


ユ「あっ、やべ…」


鼻血が…


ユ「もう油断できないな…」


鼻血が出たのなら、ちゃんと戦わないと死んでしまうかもしれない


ユ「…と思ったら」


結構簡単に倒せてしまった

始めから拳しか使ってないからな


ユ「それで…誰が主だ?」


後ろから攻めてきてメラのせいで燃えたやつを消化器で消して

縄で縛ってから、問い詰めた


「うっせぇ!今頃あの娼館に大量の仲間が行っているだろうからな!」

ユ「は…?」

読んでくださりありがとうございます

もし誤字、質問、変なとこなどがありましたら教えてください


この話へ一言 メラから

メ「相手を燃やさずに不殺って、きつくね?」

エ「大変そうでうすね」

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