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第三百九十三話 怪しい取引発見

ユ「ありがと。てかよく起きれたな」


窓の外を見てみると青い光が館の中に差し込んでいた

それまでの間この婆さんはずっと起きていた


「これから寝るわい。私たちの仕事は主に夜だからね」

ユ「はいはい。じゃあ、おやすみ...」


そういえば、俺たちがこの娼館に訪れた時も起きてたな

あの時は昼だし...


ユ「あの婆さん、いつ寝てるんだ?」


少し疑問が残ったが、大したことではないから気にしないことにした

結局誰もランの部屋へと来ることはなかった


ユ「おっ、おはよう」

カ「おはよ〜」


あくびをしながら、眠そうにカンタがこっちへと来た


ユ「エナドリでもいる?」


大量のエナドリを片手に持ってみせた


カ「キクチじゃないし、いいや〜」

ユ「ん」


寝起きでエナドリを飲むのはなかなかに体に悪そうではある

それでも眠気覚ましにキクチが飲んでいるのが想像つく


カ「まだ解析は終わってないよ〜」

ユ「長いな」

カ「相手の了承が無いと、解析が遅いんだよね〜」

ユ「そうなんだ」


知らないことだった


カ「なんかパスワードが無いのと同じで、了承がなければ。ハッキングすることになるんだよね〜」


それでも力技で、頑張れば見ることができるのか…


ユ「流石に、他人のプライベートを見てストーカーみたいなことはすんじゃないぞ…」

カ「しねぇ〜よ〜。全部の記憶って結構時間かかるしね〜」


どうやら、情報が多ければ多いほど時間がかかるとのこと


ラ「にぎやかですね」

ユ「あっ、おはよ」

カ「おっはよ〜」


ランがドアを開けて、こっちの事を見ていた


ユ「そういやさ、一個聞いていい?」

ラ「はい、何でしょうか?」

ユ「その悪徳貴族はどうやって倒すつもりなんだ?対抗するって言ってたけど」

ラ「私達が証拠を集めて、裁判で戦いに行きます」

ユ(思ったより真面目なやり方だった)


まぁ、俺らみたいに直接制裁を与えに行くような仕返しはしないんだな

確かに、仕返しの仕方は場合によっては犯罪だもんな…


ユ「その証拠をさ。集めるの手伝おうか?」

ラ「…ええっと…できるのですか?」

ユ「まぁ、証拠集めくらいなら…」


どうせ簡単に尻尾を出すだろうし


ラ「では、それもお願いします」

ユ「了解。じゃあ、カンタ。頼んだ」

カ「丸投げしないでよ〜!」


冗談だ

もちろん協力する


ラ「意外ですね…」

カ「何が〜?」


なんか変なことをしていただろうか


ラ「冒険者というのは、戦闘に関しては強いと聞きましたが。頭はあまりと聞いていました…」

ユ「えっ…そうだったのか…」


知らないことだった

確かに、今思えば頭を使うような依頼はあまり掲示板に乗っていなかった気がする

主に退治や採集、逃げた猫を捕まえるなど、なんでも屋っぽい依頼が多かった


ラ「なので、こういう裁判に関することは私達で解決しようと思っていました」

カ「舐められてるね〜」


ヘラヘラと笑いながら、ちょっと不満を述べている


ラ「き、気分を害されましたか?」


カンタのヘラヘラ笑っている様子を見て

怖くなったのか、震えながらこっちの様子を伺ってきた


ユ「いやそんな事無いよ。まぁ、事実なのかもしれんしな。でもな…」

ラ「はい」

ユ「頭いいやつは居ると思うよ」


ギルマスやシューゴ、ヤクザ勇者などが頭の中に浮かんできた


ユ「じゃあ、証拠集め行ってくるよ」

カ「なんで〜?」

ユ「えっ、捕まえてご…ゔ、ゔん…尋問すれば」

カ「不穏なの聞こえたけど〜。解析が終わったら、証拠はつかめるよ〜」

ユ「あっ、確かに」


ということで証拠集めは余裕で終わっていた


ユ「だってよ、あとは解析が終わるのを待つだけだ」

ラ「ありがとうございます」


そして、一日ゆっくりここで過ごした


ユ「今日は来なかったな」

カ「たまたまだよ〜」


夜になったけど、誰も来なかったのである


ユ「というか、攫いに来なければ普通に買うことができただろうに。なんでそんなことをしているんだろう…」

カ「欲に抗えなかったんじゃね〜?」

ユ「かもな」


理由はわからない

解析すればもしかしたらわかることかもしれないが


ユ「じっくりとやれば普通に手に入っただろうにな」


なんか焦る理由ができたのだろうか


ラ「今日も掃除しますか!」

カ「俺もやる〜」

ユ「俺はトイレ行ってくる〜。ちょっと腹が痛い」


お腹をさすりながら

弱そうに言った


ラ「わかりました」

ユ「カンタ。任せた」

カ「りょ〜」


そして、トイレへと向かった


-------------


「今夜も、冒険者があの集まっております」


暗いところで、電話を使って

言葉をかわしている


「わ、わかりました…あの…私は助けてください」


怪しい取引のようなものが行われている


「ありがとうございます」


電話を切って、すぐ後ろに振り返ったら

逆さになっているユートの顔が目の前にあった


「きゃっ…っ!」

ユ「うるさいから黙ってろ」


叫ぶことを察知して、パネル型の小さい防音シートを口の中に無理やり詰め込んだ

だが、思ったより軽かったので詰め込んだのとついでにちょっとつき飛ばしてしまった


ユ「大きい音はあんま得意じゃないから…」


耳を指で塞ぎながら嫌そうに言った


テ『の割には自分で爆音を発したりしますよね』

ユ『はいうるさいよ』


念話でいちいちちょっかいでしてきやがる


「かはっ!げほっげほっ!」


無理やり詰め込んだせいで唾液まみれになってしまった防音シートを吐き出して

咳き込んでいる、ちょっと小粒が詰まったのだろうか


「何よっ!」

ユ「たまたま、見つけたんだけど...それで、今の怪しい取引は何?」


聞いてみたら、後ずさりをしながら震えている

だが、よく見てみると

後ろのドアへと行こうとしているのが見える


「あ、あなたには関係ないことよ」

ユ「護衛を仕事でやっているから、関係なくはないんだよな」

「…」


それに、今日証拠集めも手伝うことにしたしな


ユ「選択肢をあげる。おとなしく捕まる、もしくは抵抗する」

「…」

ユ「もっとわかりやすく言おう。おとなしく捕まって確実に生きるか、抵抗して死の可能性を増やすか」


抵抗されたら、もしかしたら殺してしまう可能性がある


ユ「どうする?手加減は苦手なんよ」

「…くっ」


ちゃんと危険性を説明したのにも関わらず

相手はドアを開けて逃げた


ユ「うーん…そうか…気絶させるように頑張るか…」


上と下に転移門を2つ作り

その間に小石を入れた


ユ「これくらいでいいだろ」


だいたい人間が気絶するくらいの威力にした


ユ「人間って弱点だらけだから、どこ狙っても気絶しそうだが…」


手を拳銃のような形に変えて

人差し指の先に転移門を一つ作った


ユ「パン!」


拳銃と違って、音がない


「かっ!」


首に向かって、小石を撃ったら

相手は気絶した


ユ「さて、回収するか…」


気絶して、もう逃げることはないので

歩いて回収しに行った


ユ「ふあぁぁぁ…」


アホっぽいあくびをしてから、前を見てみると

気絶したあの娘の姿がなかった


ユ「っ!?」

読んでくださりありがとうございます

もし誤字、質問、変なとこなどがありましたら教えてください


この話へ一言 カンタから

カ「パネル型の防音シート突っ込むユートひでぇ〜」

ユ「音を抑えるのはちょうどいいと思ったんだけどなぁ...」

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