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第三百十七話 お返しの日

ユ「わー、ホワイトデ〜」


今日は去年からこの世界に普及させたホワイトデーである

そして、俺は今


王子「作り方手伝ってくれないか!」


前にも聞いたことがあるような相談をされている


ユ「なぜ俺?」

王子「知識があるからだ」

ユ(こっちの世界に関する知識だったらお前のほうがあるくせに…)


キクチとかと違って煽ってるつもりはないんだろうけど

少しため息を付いてしまった


ユ「よし、それで何作る?」

王子「それを聞いている」


どうやらアイデアが全くないようだ

というか、そんなことをはっきりと言うなし


ユ(先に考えておけや)


心のなかでそう思ってしまった


ユ「ちなみに、俺居なかった場合には何をあげるつもりだった?」

王子「チョコを買ってきて渡そうと思っていた」

ユ「絶対にそれは駄目だからな!」

王子「そ、そうなのか!」


ラブコメルールによると、手作りはあまり心がこもってると感じてない

と感じる人が大半だった気がする


ユ「というかなんでそれをホワイトデー前に言わなかった」

王子「…確かに、そうだな。それのほうが準備できたな」


この王子は頭がいいのか悪いのかわからないな

時々こうやって馬鹿を発動させるからなぁ…


ユ「まぁ、いいか。ちょっと手伝ってくれそうなやつ呼んでくる」


と言って呼んできた


キ「俺が手伝うよ」

ユ「じゃあ、頼む」

キ「俺もついでに作りたいし」

ユ「えっ、お前もらったの?」

キ「う、うん」


目をそらしながら言われたんだけど

ホントなのか?

でも、こんなくだらないことで嘘を付くとは思えないし


ユ「誰から〜?」

キ「それはいえない」

ユ「え〜。もしかして、好きな人だったり〜?」


ステータスを見る限りそれはありえないんだがな


キ『違う。名前を言えないだけだ』

ユ『…ということはシャーリーか?』

キ『そうだよ。ここでは名前を言えない』


なるほど

そういうことか


ユ「まぁ、いいか。作ろうぜ」


材料は俺が全部作るから


キ「テレビとかに出てくる提供だな」

ユ「…否定はできない」

王子「?」


もちろん前の世界の要素だから

王子は知らない

こっちの世界でもありえないことではないけど


ユ「材料はここにおいておくから。あともうひとりの協力者を呼んでくる。その間に考えておいてくれ」

キ「わかった」


ということで俺はすぐに転移で呼びに行った


ユ「ただいま」

アル「みなさんこんにちは。わたくしアルベともうします」


深々とお辞儀をしている

なんとなく印象としてはちゃんと相手を尊敬する執事のように見える


ユ(同じメイドや執事であってもこんなに違うなんてな)


だいぶ失礼なことを考えている

これ察知されたら殺されそうだな


---------------


「!?」


レミィさんと一緒に椅子に座って待っていた


レ「どうかしました?」

「いえ…今誰かが私のことを馬鹿にした気がしまして」


勘の鋭い人である


レ「あなた程優秀な方が馬鹿にされるなんてことはないと思います。きっと杞憂ですよ」

「そうだと良いのですが」


実は察知されていた

だが、ユートはその事実に気づかない


レ「ところで…私はいつまでここに座っていれば良いのでしょうか?」

「殿下が来るまで待ってください。もし何か退屈するようであれば私が何かします」

レ「い、いえ。今は大丈夫よ」


この間の鋭いメイドはユート達がきっとチョコを作っているであろうと察知していてここに座らせているのである


---------------------


ユ『えっ、キモ。なんで知ってるの?』


すぐに渡せるように、レミィさんがいる場所を探しておこうと思って

目を送ったけど、まさかの会話が聞こえてしまった


ユ「早く作るぞ」

ア「はい」

キ・王子「おー!」


いま外の椅子でまっているから、早めにしないと寒いと思う


ユ(時間を加速させる魔法なんて使えないんだけどな…)

テ『専用の結界を作ればいいじゃないですか。作り終わった後は、結界壊しの槍で破壊すればいいですし』

ユ『なるほど』


それを使うことにした

それなら速いからな


テ『ですが、あまり多用はしないでくださいね』

ユ『?』

テ『簡単に言えば...時間を加速させることによって王子たちの寿命が短くなりますよ』


ということらしい

だが、今回は急いで作らないとダメだから時間を加速させることにした


アル「良いものを知っているのでそれを作ってみましょう。殿下、キクチさん」

キ「よ、よろしく」


やっぱり初対面は緊張するらしい


王子「頼む!教えてくれ!」


お辞儀をして、頼んでいる

そして、お辞儀をした王子に困惑してしまっている


アル「あ、あの…えっ…殿下、頭を下げないでください!」


顔をあげようとしたけど

上げなかった

それで、俺の方を見て助けを求めてきた


ユ「素直に受け取っておけ」


と言ったら素直に受け取った


アル「で、では、説明するので作りましょう」


学校の調理室に移動してから、作り始めた


ユ(この調理室…錬金術師団で一回料理したときに来たところだな)


そういえば、錬金術師ギルド最近行ってないな

今度また行くとするか


ユ「“結界・時空加速”」


シューゴと違って倍率は俺の自由にできる


ユ「一日が一分くらいでいいか」


約1440倍である

普通に考えたら速すぎる


パリーン!


もちろん作ってから十秒くらいで破壊した

四時間くらいなら説明も作るのも終わるだろうからな


ユ「できたか?」

王子「できた!」

「できましたね」


王子が嬉しそうに自分の作ったものを持ち上げている

そして、早速渡しに行った


ユ「行ってらっしゃい」


好きな人からもらうもんだからどんなものでも嬉しがると思うけどな


「とても時間が経っている思ったいのですが…十秒しか経ってませんね」

ユ「俺時間を加速させて、速攻で作らせたからな」

「便利な魔法ですね」

ユ「そうか」


厳密には魔法だけど、魔法じゃないからなんとも言えん

作っているのは魔法みたいなものだけど、そのものを作っているだけで

魔力を使った皆の認識してる魔法とは違うんだよな


ユ「さて、結果でも見に行くかね。“転移”“浮遊”」


三人で、転移魔法で飛んだあとに浮いた

そして、二人の状況を見に行った


ユ「えっ…」


なんかメイドがボールの上に乗ってボーリングのピンを三本つかってジャグリングをしている


ユ(サーカスかよ)

「すごいですね」


たしかにあれは普通にすごい


王子「レミィさん!えっ…あー、えっと…」


メイドのことを見て、少し困惑している

しかもちょっと散らかっている


ユ「“転移”」


あの散らかっているものをすべて、自分のアイテムバックの中に入れた

そして、メイドは俺の転移と同時に俺の方にばれないように移動してきた


「後は見守るだけよ」

「そうですね」

ユ「だな」

キ「俺帰っていいか?」


静かにしてろ!と言って、三人に口を抑えられた


王子「こ、これをお返しとして渡しに来た!」


お辞儀しながら、レミィさんに渡した


レ「ありがとうございます」


にっこり笑って、もらっている

だけど、顔も赤くなってるし

思ってるより、興奮しているようだ


ユ「んふふふふふ…」

「気持ち悪いね」

「確かにそうですね」


そりゃあ、他人の幸せな姿が見えるんだから

喜んで当たり前だろう


ユ「さて、良いもの見たし。俺は帰るわ」

「わかりました。では、また明日」

「また明日」


と言ってから、転移で帰ろうとしたがあることを思い出した


ユ「そういやこれ、渡すわ」

「これは...」


メイドにバレンタインのお返しを渡した


「綺麗な包装ですね」

ユ「全部手作りだからな」

「そうですか。ユートさんの割にはちゃんとできてますね」

ユ「おいこらそれはどういうこっ!」


文句を言おうとしたら、三人に口を塞がれた


「大きな声を出さないでください」

「大声は出さないんじゃなかったのか?」

「静かにしてください」

ユ「くっ...」


めちゃくちゃ腹が立った


ユ「こいつら...」


アルベは真面目に言っているのだろうけど

この二人は悪意が完全にこもっている


「では美味しくいただきます」

ユ「はいはい...」


もうめんどくさくなってきた


ユ「じゃあ、ほんとに帰るわ」


転移で家に帰らせてもらった


キ「ユート、俺も転移してくれないか?」


家に帰ってから、すぐに頼んできた

まぁ、さっきの場所ではできない話題だったからな


ユ「おけ〜。ついていかせてもらおう」

キ「やめろ来んなよ〜...と言いたいけど、お前絶対来るじゃん」

ユ「?」


何を言っているのかわからず、首をかしげるしかできなかった


キ「当たり前みたいな顔しないでくれ」


転移魔法で俺はキクチをもう一つのダンジョンに送った


ユ「“気配隠蔽”」


気配を消してから、転移した


キ「これ…この前のお返しだ」

シャ「あ、ありがとうございます」


お互いおどおどした状態だ


ユ(えっ…何あれ初々しい)


乙女みたいな感じで見守って、俺は満足である


キ「じゃ、帰るね」

シャ「はい。いつかまた来てください」


キクチを転移魔法で転送してから、俺も移動ようとしたら


シャ「ま、待ってください」

ユ「…」


誰か冒険者でも来たのか?


シャ「そ、そこにいる人。なんで、気配消えてるのですか?」

ユ「ああ、俺のことか」


周りを見ても、誰も居ないから

やっぱり俺のことか


シャ「…貴方ですか」

ユ「悪いな。キクチをここに転送するときに来たんだ」


というのは嘘だけど

間違っては居ないからな


シャ「ありがとう」

ユ「おうよ。じゃあ、俺は帰るよ」


家に戻って、今日あったことを思い出して

ベッドの中でニヤニヤしていた


ユ「んふふふふふ…」


その日、ベッドの中から気味の悪い声が聞こえてくることで少しダンジョン内で話題になった

もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください


この話へ一言 キクチから


キ「結構、緊張するな...」

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