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第三百十二話 32分の1の不幸

ユ「まだ地下一階だから大丈夫だけど。すぐ来るだろうか」


地下一階の様子を伺った


キ「俺見れないから、教えてくれ。剣振ってるから」


第三サードアイで見ているから

映像として出せば見れるだろうけど、多分剣振ってるほうが楽しいんだろうな


ユ「見た感じ。女が二人いるな」


見た目と服装的に結構ヤンキーっぽい

変な服装ではあるが、よくゲームにいる「それどこ守ってるの?」って思うような表面積が少ない装備ではなかった


ユ「耳も送るか」


耳も作ってから、送って音声が聞こえるようにした


「あんたには負けないから!」

「こっちこそ」


おーおー、喧嘩してるな

勝負するためにここに来たのか?


身長とか俺達より少し低いくらいだな

小6とかだろうか


ユ「女二人組が来る」

キ「ユートの作った罠は通れると思う?」

ユ「わからない」


見た目で判断しちゃ駄目だと思うけどさ…


ユ「一番最初は頭を使わないと通れないからな…」

キ「あんなの思いついたユートがおかしく思える」

ユ「お前らが通るのにめっちゃ時間かかったもんな」


一度やってもらった時は攻略するのにめっちゃ時間かかったからな

その時は、日を跨いだしな


「こらぁ!ボスはよこいやぁ!」


気がつくと、もういつも戦っているところに来ていた


ユ『うわっ、もう来たぞ』

キ『ほんとだ』


まさかこんなに早く地下三階まで来るとは思わなかった

それのせいで、俺達はいつもの黒い姿じゃなくてそのままだった


「あんたがボスぅ?」

「そんなこともわからないの?」


お互いで喧嘩しているけど、何かあったのだろうか


ユ「…」


どうすれば良いのか迷っていたら

早速攻めてきた


「剣を持ってるやつは任せた!私は何も持っていない方をやる!」

「指図するな。私が、こいつを倒す」


と言って2人とも俺の方へとやって来た

それを見て、キクチは


キ『人気者だな』


と念話で言ってきた


ユ『この野郎』


一瞬、敵は三人ほどいるって考えようかと思った


ユ「武器を持ってないから弱いわけじゃないぞ」


と言って俺は、左手左足を前にし右手を腰に構えた


「!?」

ユ「…」


これは合気道のときの構えなので、相手が攻めてこない限り

俺は何も出来ない

自分から攻めるものじゃないし、あと相手も拳だろうと思って楽だと思ったから


ユ(そういえば合気道って一対一のものじゃなかったっけ?)


俺、多人数を相手にするときの技知らないんだけど...

まだ、段位とか取ってないから


「何もしてねぇで早く攻めてこいやぁ!」

ユ(そっちが来いよ)


意外とビビりなのかもしれない


ユ(だけど、俺は攻めるつもり無いしなぁ…)


構えたままずっと待っている

二人とも止まっているから完全に場が動かない

ちなみにキクチは剣を持ったまま俺の方を見ている


「来ねぇならこっちから行くぞ!」

ユ(やっと来る...)


まだこのままだったら

魔法で後ろからぶっ叩こうと思ってた


「こらぁ!」

「…死ね」


二つの方向から拳が飛んできた


ユ(片方ずつにしてくれや)


右からちょっとうるさい子

左から少し静かな子が殴ってきた


ユ「“呼吸投げ”」


まずは右のうるさい子の首を右手で掴んで、呼吸が苦しくなるようにしてから

殴ってきて方の手の方の関節を叩いて、膝カックンのように力を抜いた

そして、後ろにぶん投げた


ユ「よし…あともうひとりだ」

「…止まらない」


呼吸投げは、「呼吸する間も与えずに投げる技」である

それにより、俺が一秒も経つ前に投げる事ができたので、相手はまだ殴っている行動の途中だった


ユ「“入身投げ”」


腕をつかみ、体を使って思いっきり地面に向かって投げた

投げたところは、ちょっとひび割れている


「ぐっ…」


二人とも地面に倒されて、消えていった


ユ「倒した判定になったのか」


おそらく消えて、転移したのだろう

そして、記憶も消えてるだろうな


ユ「手伝ってくれよぉ...」

キ「断る。てか無理だった」


速すぎたからだろうか...


ユ「俺ごと斬れ!」

キ「死にそうでもないのにそんな事言うな」


別に俺のことは普通に切っても大丈夫そうだがな


「こらぁ!二度目だ!」


とか言ってたら、さっき挑戦してきた

奴がまた挑んできた


ユ『確か倒したら、王都に飛ばされるんじゃなかったっけ?』

キ『すごい速いってことか、スキルだろ』


気づいたらもう居たのがびっくりだ


ユ『今度はお前もやれよ?』

キ『敵次第だ』


敵が俺のことを狙ってこなければ良いんだが


「今度こそぶっ倒してやる!」

ユ「…」


と言ってまたこっちの方に走ってきた

今度こそって言ってるけど、俺のことは覚えてないはずなんだよな

ボスに負けたという記憶は残るけど

ということはボスに負けて、悔しいからその復讐として、俺のことを攻撃しに来ているのか


ユ「...こっちかよ」


ちなみに悔しい記憶は残るが

誰が倒したかは覚えてないはずなので

どっちに攻めてくるかは完全にランダムである


ユ『はぁ…なんでこういう時、毎回俺の方によってきて攻撃してくるんだよ全く…めんどくさいのになんでだよ。ほんとにさ…。確かに俺が倒してるから、俺に恨みが来るのは間違ってないけど、キクチにも半分くらいいけよ…』

キ『大量の愚痴が聞こえた…』


ブツブツ言っていてキクチからしたら

少々気味の悪いものだったのかもしれない


ユ『今度は一撃で終わらせるから、近づいたら危ないよ』

キ『女子にも手加減しないのか?』


キクチだったら手加減してるかもな


ユ『俺は男女平等パンチの使い手だぞ?』

キ『初めて聞いた気がするが...なるほど。わかった』


ということで殴りかかってきたので

ちゃんと敬意を示すことにして、同じ様にぶん殴って王都に戻した


ユ「なぁ…ダンジョン壊れたんだけど」

キ「大丈夫だろ」


今までどんなに強い魔法を使っても、このダンジョンの壁が壊れたこと無いんだけど…

今まででも、ひび割れるくらいはあったけど、少し崩れてくるみたいなことは無かった


ユ「まぁ、手加減はしてるけどな」

キ「男女に平等に手加減するってことだな」

ユ「そうだ」


本気で殴ることなんてそんなに無い


ユ「戻ろうぜ」

キ「ああ」


そう言ってから、生活部屋の方に戻ったけど

後三回ほど、女達は攻めてきた


ユ「めんどくさいな」

キ「それより俺いる必要ないよな」

ユ「うん…」


毎回俺の方を攻撃してくるから、キクチいらないよな

しかも、毎回助けてくれないし


ユ「助けてよー」

キ「二分の一を五回連続引くような運勢してないからな」


三十二分の一である


ユ「もう来ないよな?」

シ「それを言うとフラグになるぞ」


後ろから、シューゴの声が聞こえてきた


ユ「あっシューゴとリーファ」

リ「ご飯だよー!」


リーファがなんか看板を持りながら言っていた


ユ「…リーファが作ったのか?」

リ「今日は作ってないよ〜」


悪いけど、それを聞いてめっちゃ安心した


「何回も倒しやがって!」


安心しながら、部屋へと戻ろうとしたが

また女達は戻ってきた


ユ「またかよ」


ため息を付いて、もう一回戦おうとしたら


リ「私がやる!」

ユ「うーん…」


リーファだと負けるかもしれないからな...


リ「お兄ちゃんだと相手を泣かせて後で怒られるかもしれないから!」

ユ「めっちゃ倒してもいいよ!」


ということでリーファに戦ってもらうことになった


青スラ「…流石に相手を泣かせても怒りませんよ」

ユ「ほ、本当?」


後ろから話しかけてきた

それを聞いて安心した


青スラ「攻撃してる相手に情けなんて必要ありませんよ」

ユ「容赦ないな」


引くくらいめっちゃ容赦無い


「もう一体増えた!」


確かに一体という数え方なのかもしれないけど

一応人型だから1ひとり、2ふたりって言ったほうが良いと思う


青スラ「リーファさんだけだと心配なので、私もいいですか?」

ユ「…いいけど」


任せてということなので

俺達は何もしないことにした

そして、シューゴにはお皿の配膳を頼んで戻った


リ「看板持って!」

ユ「あっ、うん」


看板を投げられたのでちゃんと取った


ユ『俺達は椅子にでも座ってようぜ』

キ『おう』


俺達は椅子に座った状態で、二人の共闘を見ることにした


「こいつらを倒さないとボスらしきヤツのことを倒せないみたいだな!」

「ぶっ殺す」


結構怖いこと言うな


青スラ「“水光線”!」

リ「“絶対零度”!」


青スラさんは体の一部であのめっちゃ貫通力のある水光線をつくり

リーファがそれを魔法で凍らせた


「うっ…」

「…」


二人の脳天を貫いた凍った水光線が血で真っ赤になっていた

もちろん死んだ判定になったので、王都に戻された


ユ「え、エグいな」

リ「この前シューゴお兄ちゃんに教えてもらった魔法!」

青スラ「すごいですね」


結構エグいことしてるけど

本当に躊躇なくやってるのが怖い


ユ「俺も流石にあれは出来ないな」

キ「俺も無理」


というか敵に回したくない


ユ「…もう俺達より強いのでは?」

キ「それな」


二人のやったことに対してちょっともう怖くなってきた


ユ「なぁ」

キ「なに?」

ユ「やっぱ、ダンジョンのボスらしく、あの容赦無さは見習ったほうが良いんかね」

キ「前も聞いた気がするが...」

ユ「いやでもやっぱ、同じ人間と戦うとさ無意識に手加減しちゃうじゃん?」

キ「わかるけど...」

ユ「今度、本人たちに聞いてみるか」

キ「だな」


ゆっくりと歩いていった


キ「でもやっぱり、昔よりは慣れてる気がするな」

ユ「そうだな」


こっち来てから数年経ってるおかげで、一番最初より慣れていた

だが、それでも衝撃は大きい


ユ「まぁ…ご飯くおうぜ」

もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください


この話へ一言 リーファから


リ「氷って強いね〜」

ユ「確かにそうだな」

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