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第一話 数日前....

「」・・・普通の声

『』・・・小声、テキスト、独り言など

()・・・心のなかで考えていること、補足など

裏ボス、隠しボス、オマケ要素

ゲームの中では、基本的にラスボスより強いのが裏ボスという存在だ

ゲームにいる超理不尽な強さをもつやつらだ

まぁ、ゲームでの認識では

最後の最後に挑むオマケ的な奴らってとこだろう


---------------


ドコッ!


ダンジョンの中では今日も戦いの音が聞こえてくる


「ふー、今日はこれだけか」


戦い終わってから、その場で一人で気怠そうに思い息を吐いた

動かすのがめんどくさい手をすぐに羽織っている上着のポケットの中に入れて俺はこのダンジョンに入ってきてそこで倒れている奴らをめんどさくさそう眺めた

少し時間経ってから、視線は下から上へと向いた


「なんで俺らはここにいるんだろうなぁ...」


ため息をつきながらそう呟いた


「もう何回思ったことか...」


数日前 


「おいこら」

「なんだ〜?喧嘩か〜?」

「誰だよ!4のハート持ってんの!」


俺達は学校の教室で他の男子と一緒にトランプを使って遊んでいた


「うるさいぞ」

「ゲームで熱くなりすぎ」


みんなで楽しくトランプで大富豪をして遊んでいる時

突然、地面に魔法陣らしきものが教室の真ん中に出てきた


「な、なんだこれ?」


俺らはトランプを手から離して、地面の方を見つめた

すると、それが出てきた途端光りだして


「うわっ!」


光がなくなって、次に目を開けたとき

俺らは石に囲まれたところにいた

岩に囲まれているというより、地下という印象のほうが正しいだろう


「いってぇぇぇぇぇぇ!」


さっきの光を直視して目を痛そうにして地面に寝っ転がっている男子が1名いる


「なんだー、ここー?」


緑色の服を着た中指に銀の指輪をはめている男の子があたりを見渡している


「光もない、石だけ。しかも暗いよぉ」


青い上着を着たフード付きの少し弱腰な男の子が周りを説明してくれた

光はないのに、なぜかそれを認識できるくらいの明るさはあったようだ


「というとはここは密封されたところもしくは地下か」

「にしては広いな」


濃い灰色の上着を来た一番背の高い男の子と明るい灰色の上着を来た男の子が冷静に分析した


「お前目と髪の色変わってるぞ」


さっきまで光を直視して悶絶していたところ

目を擦ってから、一番最初に目に入った光景は自分の友達の変化だった


「えっ、まじで?」


そして、反応したのは黒い上着に赤い線が入った男の子だ


「どこだ?ここは...」


この部屋には男子が六人いる

多分魔法陣が出てきたときに教室にいた人たちしか来てないんだろう

俺らが話していると


「うわっ!」


急に目の前に謎のテキストが出てきた

そのテキストにはこう書いてあった


『あなた達はこのダンジョンのボスです』


少しびっくりした


「ボスー?」

「つまりゲームで言うところの敵ってことか?」


皆んなで話しながら何のことか完全に理解する前に、また文が出てきた


『これから、あなた達のもとに冒険者たちが来ます。その冒険者と戦ってください』


簡単な文章だけど、内容はかなり物騒だ

デスゲームみたい


「えー、戦いやりたくねー」

「まず戦うことに慣れている熟練の人とかだと勝てないだろ」


少しめんどくさそうに言っている


「こ、怖いよぉ...よく皆んなよくそんなに冷静だよね...」


青いフード付きの男の子が震えながらみんなの状態に驚いていた


「しかも冒険者って...何?」


まず冒険者とは何なのか理解できていない

俺たちのところではあまり馴染みがないからだ


「冒険するっていうなら、探検家みたいな感じだったらわかるけど...」


こっちの方ならまだあり得る


「これは異世界転移ってやつなのでは?」

「ああ、あの漫画の...」


よく読んでいた漫画などを思い出して見ると

こういうシチュエーションがあった気がする


「てことは、俺たち誘拐された?」

「キャー、えっち〜」

「ふざけてる場合か...」


俺は明るい灰色の上着を着た男の子から

頭に軽いチョップを食らった


「いや、まずは落ち着こう。この文に書いてあることからすると、もうすぐ俺たちにとっての敵がやってくる」

「ええっ!?どうすればいいの!?僕たち戦えないよ!」

「うーん...漫画にあることに沿うなら...冒険者って結構強いよな」


このままでは勝てないことを理解していたのか

またテキストがきた


『今の貴方たちでは勝てないので、スキルをあげます。そのスキルでこのダンジョンのボスとして生き残ってください』


「おー、なんかスキルまでくれるなんて親切だね〜」

「急に戦わせること自体は親切じゃなけどな」

「あはは〜、それな〜」


ごもっともである

そう話していたら

皆の目の前にテキストが来た

それらには

『賢者』

『タンク』

『キャラ変更』

『ウェポンマスター』

『スマホ』

『そうぞう』


おーなんか色々出てきた

変なの混じってる気がするけど...


「ここが裏ボスの居場所か...」


スキルと言われているものを見ていたら

誰かの声が聞こえてくるのと同時に、知らない人の姿が見えてきた


「...」


入ってきた人たちは三人組だった

服装はいかにも俺たちの知っている漫画などで登場する冒険者っぽいものだった

漫画によく登場するものを初めて見て少し興奮気味だけど

これから戦うということを知らされているせいで、すぐに冷静になった


「本当か?」

「ここにはガキ五人と大人しかいねーな」

「でもここにいるってことは敵だろ、倒そうぜ」


俺たちの方を向いて少し話してるように見えたがすぐに俺たちのほうに走って詰め寄ってきた


「ぶ、武器持ってきてるよ!死んじゃうよ!」


男子の一人が叫んでいる


「なー、俺のスキルだけ漢字表記じゃないんだけど。馬鹿にされてるってこと?」

「言ってる場合じゃないって!」


さっきの叫んでいた男の子が俺に向かって大声で言ってきた

ちょっと耳が痛い


「戦いに集中しろ」

「ゲームだったら説明するのにチュートリアルとかあるだろうけどなぁ...でも、現実世界だし...」


殺すと言う単語に怖さを感じていたが、あまり馴染みがないからかあんまり恐ろしさがなかった


「し、しに、死にたくないよ!」

「でもどうすれば...」


そういえば、少し前に文字が自分たちに向かって話していたな

『これで生き残ってください』

ってあったな


「なぁ、ここにあるスキル使って見ようぜ」


初めて感じた殺気から俺は、皆に提案した


「おー、そうだなー」


皆、同じ意見だった

そりゃぁ、皆も俺と同じように死にたくないからね


「じゃあ、俺から」


そう言ってすぐに出ていったのは『賢者』の能力をもつ、明るい灰色のフード付き上着を着ているシューゴだ


「これは...魔法が使えるのだろうか...」


相手が向かってきている間に、このスキルがどういう能力か考えてからすぐに行動に移した


「“豪炎”」


試しに思いついた、魔法っぽそうなことをつぶやいたら

巨大な炎が相手に向かっていった

相手よりも何倍も大きい巨大な炎だった


「やっ、やばい」


相手はとっさに防いだ

二人は水の魔法を当てたりと必死に火を防いでるけど

一人は余裕そうに避けて反撃してこようとし俺たちの方へと走って襲いかかってきた


「”豪炎”!」


もちろんシューゴが何もしないわけもなく

すぐに魔法を繰り出した


「いや、でかいな...小回りがきくほうがいい...」


シューゴが戦いに集中している間

自分たちは自分たちが今まで夢見てきた魔法を目の当たりにして

感動に近い感情を抱いた


「”火球”!」


向かってくる相手に火球を直接放ったり、横から誘うようにして放ったりした

最初の大きい炎を避けた時と違い、相手の余裕がなくなっているように見える


「よしっ!行ける...」


シューゴは人生で初めての魔法での戦いで

冷静なように見せても、実は興奮気味であった


「がっ!」

「当たった!」


当たらないように立ち回っていた相手の足に火の玉を当て姿勢を崩させ動けなくなったところに、他の魔法でさらなる追撃をしようとしたら


「もらった!」

「なっ...」


他の二人がすでにシューゴをぶった斬れる距離まで近づいていた


「あっ!」

「やばっ!」


魔法に見惚(みと)れていたせいで他の男子も二人に気づかなかった


「くっ!」


相手がシューゴに近づき、シューゴの魔法を放っていた腕を切り落とすように剣を振ってきた


ガキンッ!


『タンク』のヒラノがシューゴの前に立ち敵の攻撃からシューゴを守った

ヒラノは濃い灰色のフード付き上着を着ている


「危ない...思わず守ったけど...まさか防げるとは...」

「やばっ...」


生身で攻撃を防いでる

攻撃が全く効いていない

守った本人も理解できてないような反応だった

自分たちも引いたような反応になった


「シューゴ!腕!腕!」


守ったとはいえ少し切られたようで

シューゴの上着が赤く滲み始めた


「あの剣...結構業物っぽいな」


そう言ったのはフードの無い黒い上着に赤い線が二本入ったのを着ている『ウェポンマスター』のキクチだ

『ウェポンマスター』だからか、なんか武器の性能が見れるらしい

スキルを手に入れると、先程の文から少しだけ説明をもらった

名の通り武器を使いこなすことができるらしい

そして、どうやら本人にしかない「武器庫」が存在していて、好きに武器を取り出せるようだ

あと、何故かこっちに来てから、本人の目の色と髪の色が変わっている


「なんで武器を鑑定できることを知ったんだ?」

「“鑑定”って浮いていて、それを見てみたら鑑定ができた」


軽い説明しか無いし

スキルなんて言うものは俺達の世界では存在しなかったから

自分たちの持っているスキルというものを細かく知るためには、自分たちで調べるしかなかった


「試しに武器をなんか出してみるか。シューゴみたいに魔法みたいな感じで出るかもだし」


キクチは試しに手を前に出して、考えたものを出してみた


ぽんっ!


「おお、でてきた!」

「ボールは武器扱いなんだ...」


キクチの武器庫からボールが出てきた


「最初から入ってるんだな」


優しい設計だ


「蹴ってみれば?」

「そうだな、オラッ!」


慣れた足付きで地面に置いてあったボールを跳ねさせ、ちょうど自分の打ちやすい高さまでボールを運んだ

そして、クリーンヒットさせるとボールはヒラノを切ろうとしていたやつの顔面に激突した

攻撃を食らってから動かなくなったのでヒラノとシューゴは下がった

相手の顔についた赤い跡を見るとかなり痛そうに思える


「強くね?」

「おぉ、やっば。日本でサッカーやってたけど、こんなに威力は出なかったな」


相手は、結構怯んでいる

もしくは攻撃を食らって動けなくなっている


「じゃあ、次は僕がやってみるよ。『キャラ変更』」


薄っぺらい説明文曰く、なんかの種族になることができるらしい

見た目は変わらないけど能力は使えるらしい

変えようと思えばできるみたいだ

ちなみにこいつはアユム

青いフード付きの上着を着ている


「じゃあ、あれにしよう」


何かが思いついたようで、手を前に出すと

手からビームを発射した

それは火の玉を防いでまた攻撃に移ろうとした奴らのお腹を貫いた


「た、試しに魔族って言うのを選んでみたけど...うお、グロい、吐きそう」

「気持ち悪いな」


俺とアユムは相手が腹が貫かれているところを見て、吐きそうになっている


「次は俺がやってみるー、だけど『スマホ』で何ができるんだー?」


次にいこうとしたのは『スマホ』を使えるカンタだ

カンタはフート付きの緑色の上着を着ている

カンタは写真を開いて相手を撮った

そしたら相手の情報が沢山でてきた


名前、年齢、職業、スキル

と、ありとあらゆる情報が出てきた

しかもそのスマホで撮った写真に写ってる人や物を触ると現実のそいつにも影響していることがわかる


「スマホに写ったやつらを触ると色々とできるんだ」

「上に引っぱって見ると、ほらみてみてー、上に浮いた」


ちょっとうれしそうにしている


「すごい能力だな」

「しかも写真に撮ったものは、保存でこの中に入れることがみたいー」

「じゃあ、何も待たなくていいな」


荷物を持つときはカンタに持ってもらおうかな?


「なんかこのスマホ、使いたくないときは消えて俺の体の中にあるらしいー」

「便利過ぎない?」

「使わないときは無いけどなぁー」


確かに学校でよく、カンタが家でスマホをたくさん使ってるって聞いたからな


「さすがスマホ依存症」

「ちげぇよぉ〜」


笑いながらも否定してきた


うーん、俺が能力を試す前に皆が倒してしまった

戦いに関係することだろうから

次のやつに試すとするか


あと俺の名前はユート

俺はフード付きの真っ黒の上着だ

読んでくださりありがとうございます

もし誤字などがあったら教えて下さい

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― 新着の感想 ―
[良い点] みんなで転移してから裏切らない小説が読みたかったからすごく助かります。今後も楽しみにしています。 [一言] もう一回やってみたらアカウント作れたんでコメントしてみました。
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