第二百八十一話 罠の対応
キ「罠が多いなぁ…」
ずっと進んでいるが
下へ行く階段もなく、ほぼ全てが一本道なのにも関わらず
冒険者がよく死んでいると言われるのだろうか
キ「わからない」
剣を振りながら
ほぼ全方向から飛んでくる矢を切り落としている
キ「魔法が使えたら楽なんだろうけど」
もしくは矢が刺さっても死なないような生命力と再生能力、そもそも刺さらないくらい硬い体を持つとか
キ「いつになったら在庫がなくなるんだろうか…」
矢が打ち切るのを待っている
だが、延々と止まらない
テ『ダンジョンの仕掛けで矢は止まりませんよ?』
キ『まじか…』
その事実を知って少しめんどくさそうにしている
キ『そう言えば、確かに自分のダンジョンで矢の補充をしているところを見たこと無いな』
過去を振り返ってみると
確かに一度も矢の補充をしたことはない
キ「ブラックソード・二本」
キクチが過去に吸収した剣を五本中二本使い
矢を切りながらゆっくり歩いた
キ「この剣…やっぱり強いな」
ずっと歩いていたらだんだん矢が撃たれなくなってきた
キ「矢のゾーン抜けれた…」
後ろを見てみると
さっきまで連射していたはずの矢が完全に止まっていた
キ「人が通るときだけ、発射されるのだろうか」
そこを通って
まだ進んでいった
キ「魔物が一匹もいないな」
敵を殺したくない自分たちからしたらそれは嬉しい限りなんだがな
キ「ユートが内装を変えて魔物を倒さなくてもいいようにしたんだっけ…」
しかもそれのおかげで冒険者がほとんど来なくなったしな
キ「魔物を犠牲にしなくてもいいし、魔物の素材目当ての人も来なくなるし。一番人道的かもな」
そもそも本当の殺し合いなんてしたくない
勝負は好きだけども、殺し合いはしたくない
キ『殺し合いをしたくないから、前の世界に転移しようとしたけど。戻れなかったんだよな』
ユートやシューゴの転移などを使ってみても全く移動できなかった
魔術を使ってみても無理だった
テ『それは私もわかりませんね』
テキストさんもわからないのなら
ここで過ごすしか無いな、ということで今この世界で過ごしている
テ『二人がちゃんと育ってからですね』
キ『それは、そうだな』
一応、帰る方法も探っているが全く手がかりがない
キ『そもそも、戻る方法なんて見つかるのかな…』
寿命が永遠とあるからその間に考えようと思う
キ「一日経っても帰れなかったらどうしようか...」
テ『私が伝えましょうか?あなた達6人になら、どこにいようと伝えられますよ』
距離が無限のトランシーバーである
キ「前にもらったエナドリを飲みながら、過ごすしかないな...」
一番最悪の場合、食料代わりになるということだ
テ『助けられるという考えはないのですね...』
キ「ここぞとばかりに煽ってくるだろうから、断る」
助けられたくないらしい
キ「あっ、ドアだ」
念話で会話していたら
ドアの前についた
キ「これはなんだろうか」
普通のドアだ
鍵もかかっていない
キ「この先にこのダンジョンのボスが居るのか?」
悩んでいたら
キクチが契約を交わした闇精霊が出てきた
ヤ「俺が先を見ようか?」
キ「頼む」
魔法で先をみてもらうことにした
ヤミはドアに触れて、魔法を放った
ヤ「“影移動”」
ヤミが影を利用して中に入っていった
ヤ「…なにもないな」
中はただの道だった
なぜこのドアがあるのかはわからない
ヤ「なにもないぞ」
ドアからまた出てきた
キ「じゃあ、俺も影移動させてくれないか?」
ヤ「なぜ?」
キ「ドアがここに一個だけあるのが不自然だから。ヤミさんも通れたなら俺もそれで行く」
少しドアが怖いみたいだ
ヤ「俺は実験台だったのか?」
キ「ごめん」
意外と素直に謝った
ヤ「ユートに対してだったら、挑発してたな」
キ「多分してた」
挑発はユート達にしかしない
キ「他人に煽っても怒られるだけだから」
ヤ「お前たちだったらふざけてるだけだもんな」
話してから影でドアの奥に移動した
キ「これがドアの奥だったか」
後ろを振り返りながらいったら
あることに気づいた
キ「ドアをこのまま開けてたら、俺爆発してた?」
ヤ「わからないが。魔法が発動してたと思う」
魔法陣があって
そこに“爆発”と書いてあった
キ「開けたら発動する仕様になってるのだろうか」
どんな魔法がかかってるかはキクチはわからない
キ「次行こう」
歩いていって
気がついたら、広いところに出た
キ「おぉ…」
広いところは暗い
だけど、大量の死体があった
しかも人の
キ「これがスズナさんの言っていた。最近居なくなった人たちか」
死体には死霊術はかかってないと思う
そして、前には女の子がいた
「…」
うつろな目をした女の子が居た
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 キクチから
キ「エナドリ、うまいよな」




