第二百七十八話 食事
ユ「ふ〜、食った食った〜」
お腹を叩きながら爪楊枝で歯の間に挟まった料理を取り出している
シ「美味しかったな」
イ「ありがとうございます!」
本人も嬉しそうにしている
青スラ「今日のご飯は少し少なめの方がいいでしょうか?」
カ「だね〜」
軽い返事とともにカンタと青スラさんが部屋に入ってきた
ユ「今日の当番はカンタか」
カ「そだよ〜」
今日はカンタの番だ
ユ「カンタが作るのが一番数値とかが正確だからうまいのに…」
シ「消化すれば?」
普通だと無理難題なものを言ってきた
ユ「そうだな!」
俺は納得して大声で言った
シ「えっ?」
この反応は冗談のつもりだったのだろうけど
ユートにそんな冗談は通じなかった
ユ「食欲促し…と思ったけど、やっぱりまだ食えるわ」
俺の食欲をなめんな
本当に化け物並みに食えるからな
そんなに食えなくても過ごしていけるけど
ユ「なんとも便利な体だな」
この体に感謝をして、美味しくご飯を食べた
ちなみにシューゴはお腹いっぱいだったみたいだ
ユ「うめぇ〜」
ご飯をもう一回食べて
満足した
数分後…
ユ「あへ〜」
体が赤くなっていて
ちょっと湯気が出ているような感じになって、ユートがソファの上でうつ伏せになって寝ている
カ「大丈夫〜?」
ア「ユート、顔赤いよ?」
アユムが体を触ってきた
ア「あっち!」
体に触れてから数秒でアユムが飛び跳ねるように騒いだ
どうやら俺の体が熱かったようだ
ユ「俺の体そんなに蒸気出してる?」
ア「う、うん」
それほどかよ
シ「薬仕込んだとかしてないよな?」
青スラ「してないですよ」
カ「してね〜よ」
何故か体温が高くなっている理由を探してくれた
ヒ「おそらく、代謝がいいんだと思うよ」
カ「代謝〜?」
カンタがわからないので聞いてきた
ヒ「基礎代謝って言って。動かなくても、体を維持するために使うエネルギーや栄養素のことだよ。体温が高いほど、基礎代謝量が多いんだよ」
カ「へぇ〜」
ア「そうだったんだ!」
納得のようだな
ヒ「中1だったころの家庭科の試験範囲だったよ?」
カ・ア「えっ…」
その現実を知って、焦りだした
キ「あれれ?もしや勉強してない?」
すかさずキクチは煽りだした
ア「ぼ、僕はちゃんと勉強してるよ!」
カ「いや!俺もだ〜」
もちろん期末試験で勉強しないやつなんてこの中には居ない
ユ「あぢ〜」
体温が高くなっているのでもちろん熱い
流石に体温が42度を超えることはないけどな
というか超えたら普通は死ぬけど、俺はどうなんだろうか…
テ『これは...基礎代謝と言うより、血糖値が高くなってると言うのが正しいですね』
ユ『血糖値...』
なんか聞いたことがある気がする
テ『ご飯を食べてから、眠くなるときに少し体温が上がりますよね?』
ユ『まぁ、確かに』
テ『それです』
ユ『おーわかりやすい』
ちゃんと説明してくれてありがたい
ユ「“扇風機”」
目の前に扇風機を置いて、涼しくなろうとした
青スラ「そんなことしなくてもいいですよ」
ユ「え、どういうこと?」
青スラさんが、丸くなって俺の頭の上に乗ってきた
そして、だんだん青スラさんが冷たくなってきた
ユ「水枕かよ」
青スラ「気持ちいいですか?」
ユ「めっちゃいい。なんか煙出てるけど」
俺の体温が高いのと、青スラさんが冷たすぎて煙というより水蒸気が大量に出ている
ユ「ほえ〜」
変な声を出しながら
水蒸気を出し続けた
十分くらい経った時、俺の体温は下がってきた
ユ「おっ、熱くなくなった気がする」
試しにカンタの手を触ってみたけど
あつがる様子はない
ユ「ようやく冷えたか」
ヒ「病気みたいだね」
病で治るけどな
しかもだるくもなんとも無いし
キ「風邪引いたの?確かバカって風邪引かないんじゃなかったっけ?」
ユ「そ、う、だ、け、ど!“剣×30”」
キ「うわっ!」
俺が剣を三十本作り、キクチに向けて放ったら
キクチも同じように、武器庫から武器を放出した、もちろんキクチは武器を大量に作っているので三拾本くらい余裕で叩き落とせる
というかそもそも作るのが速いし
ユ「はぁ…腹立つ野郎だまったく」
ため息をついて
また剣を作って、手に持って構えたけど
どうせ弾かれるから投げただけでそれ以外は何もしなかった
キ「あぶねっ」
この日はもう終えて、寝ようかと考えていたら
ふとある考えが浮かんできた
深く考えずすぐに口に出した
ユ「青スラさん」
青スラ「はい?」
ユ「体を冷やしたのってどういう魔法?」
そういう魔法があるのか?
でも、自分の体を凍らせるなんてものは作らないと思うけど…
青スラ「あれは魔法ではありません」
ユ「えっ?」
青スラ「あれは体の属性を変えたのです」
ユ「どういうこと?」
よくわからなかったから詳しい説明求む
青スラ「私達スライムは敵を吸収することができます。それで相手の属性などいろいろなものが吸収でき、吸収した属性に変化することができます。ただ、最初はスライムは弱いのでそもそも属性持ちのスライムは珍しいんですけどね」
シ「つまり、火属性の敵を吸収すると火属性のスライムになると」
青スラ「そういうことですね」
色んな種類に慣れそうだな
ユ「じゃあ、属性のないやつを吸収すると?」
青スラ「属性に変化はありませんね。ただ、魔力とか栄養分とかしか吸収できません」
てことは俺たちを吸収とかしても別になんにもならないのか
シ「それって色が変わったりするのか?」
青スラ「変わりますね。吸収した属性の色に体を変えることができます」
ユ「へぇ〜」
赤くなったり、青くなったり、もしや黒くなったり
することがあるのか
シ「…それは、初めて俺たちのところに入ってきたときに居たあのスライムたちと同じか?」
青スラ「はい、そうです」
大量にスライムが居たのが懐かしい
こっちに来たばっかだもんな
ユ「白とか赤とかめっちゃ居たよな」
青スラ「確かにいましたね。皆属性を得たスライムたちですね」
属性を得ているのはレアなはずなのに
あんなに居たってことは、かなりの量のスライムがいる可能性が…
ユ「じゃあ、ちょっと疑問なんだけど。いい?」
青スラ「いいですよ」
ふと一個疑問が出てきたから気になった
ユ「何で水の精霊から信頼を得ることができてたの?」
青スラ「それは、自分の属性だからじゃないですか?それに行ったことがあるので」
そう話していたらミズリィがカンタから出てきて話してくれた
ミ「はい、そうです。自分の属性だったら攻撃を食らうことはないので、怖くないからですね」
自分の属性は無効出来るのか
凄いな
ユ「違う属性だったら追い払ってたのか?」
ミ「そうですね。ですが、追い払わなかったおかげで助かったので今は感謝しています」
てことは結構危なかったのかもしれんな
俺達の動機は「温泉を作りたい」とかだったけど…
ユ「青スラさんって、どんな属性持ってるの」
青スラ「私はかなり多いですよ」
ステータスを確認しながら言ってくれた
青スラ「水・氷・風…あれ?知らないのが二つありますね」
ユ「何があったの?」
変なことが書いてあったようだな
顔がわかんないって言っている
青スラ「酸と回復がありました」
シ「溶かす。と回復が出来るってことか?」
シューゴは言葉を聞いてからすぐに考えた
凄いな
青スラ「そうでしょうか。やってみます?」
シ「わざわざ傷なんかつけたくない」
シューゴの優しい対応に対して嬉しく感じていた
だけど、俺は傷ついてもすぐに治るんだよな
ユ「今度もし怪我したら頼むよ」
青スラ「そうします」
青スラさんも納得のようだ
ユ「そう言えば、青スラさんは何で回復の効果持ってるの?」
青スラ「たまにユートさんの落とした薬草とかを食べてるからでしょうか」
ユ「拾い食いダメ絶対」
青スラ「掃除してるのと変わりありませんけどね」
確かに、青スラさんに掃除頼んでるもんな
しかも食べながら
ユ「薬草とか食べても強くなれるのか」
青スラ「おそらくそうですね」
ユ「じゃあ、いいこと思いついたんだけど」
青スラ「はい?」
いつものごとく悪い考えが出てきた
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 シューゴから
シ「火そのものとかは食べてもだめなのか?」
青スラ「それは無理ですね」




