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第二百五十五話 イケメン王

ユ「それで国王いい案ある?」

王「そのお金を我が国で使いたいのだが。個人のお金だから何もいえんな」


ちゃんと考えてくれているな


ユ「ちなみに本音は?」

王「すぐに我が息子に何かをプレゼントしたい」


正直でよろしい

って...国王に何思ってるんだろう


ユ「俺的には国のために使うとかなんて全くしないし。むしろやるなら、自分の好きなことに使う」

王「じゃろ?」


だからちょっと呆れている

好きなことに使いたいのに、その好きなものが無いせいでお金が消費できないということになっている


ユ「何か良いもん無い?」

王「でも、なぜそれを儂に相談したんだ?」


首を傾げ座ったまま聞いてきた


ユ「なんか一番そういうのに詳しそうだったから」

王「それはどっちかというと商会の方に聞くといい商品がもらえるかもしれんのに…」


ちょっと不思議そうにしているけど

俺達からしたら商会のものより全然いいもの作れるからいらないんだよな

というか俺達のを売ったらそれはそれで経済崩壊するしな


王「わからないから。何が好きなのか教えてはくれぬか?」

ユ「ああ、わかった」


好きなこと、好きなこと…

思い浮かべてみて、出てきた


ユ「他人が幸せになる瞬間が大好きだな」


人の恋を応援する理由でもあるからな


王「ほう。そうか。こんな聖人みたいな大人が居るなんてな。聖女みたいだ」


まぁ、確かに俺みたいなやつは今まで一回もあったこと無いな


ユ「俺は男だぞ」

王「おお、そうだったな」


そうだったな...って言うことは

もしや忘れてた?


ユ「何かいいの無いか?」

王「うーん。なかなか思いつかんな」


椅子に頬杖をつくような体勢でずっと考えてくれている

というか思ったけど、国王とかってずっとここで座ってても良いのだろうか


王「おっ、良いのがあるぞ」

ユ「えっ!?何!?」


良いのがあるって言われただけで

自分の欲を満たせると思い、めっちゃ食いついた


王「す、少し離れてくれないか?」

ユ「あっ、悪い」


顔を近づけすぎて、少し引き気味だった


王「孤児院のためにお金を入れたらどうだ?」

ユ「孤児院か。あるのか?」

王「あるぞ。地図も渡しておこう」


国王が椅子から立ち上がった


王「付いてきてくれ」


案内してくれるようなので、ついていくことにした

というかこの国王意外とでかいな

俺の身長は優に超えていやがる…


ユ『くそっ…』

王「?」


小声で言っていたから

バレていない


王「着いたぞ」

ユ「ああ、ここか」


ここは前に俺が侵入して国王が大声で起こしたところだ


ユ「ここにあるのか?」

王「そうだ」


国王はドアを開けて部屋の中に入って

そこにあるテーブルを漁った


ユ(そういえば、地図くらいだったら俺、持ってるのに…)


最近使ってないので

ついさっきまで忘れていた


王「おー、あったあった」


少し埃を被った

紙を取り出した


王「これが地図だ」

ユ「へぇ、最近使ってないように見えるけど」

王「もう覚えたし。ユートのような人は今まで居なかったからな」


俺みたいな国王にも普通に接するようなやつか

勇者あたりとかも同じっぽそうだけどな

もしかしたら、あいつはちゃんと言葉は選べるタイプなのかもしれんな


ユ「それでどこ?」


魔法で埃を取った後

地図を広げて、見てみた


王「ここだ」


真ん中あたりを指差している


ユ「比較的内側なんだな」

王「敵に攻められた時におんな子供こどもは第一に守らねばならんからな」


攻められたときまで考えているのか


ユ「すげ。ちなみにその順番は?」


どういう順番で守るんだろう


王「一に王子、二に国民、三に騎士団、最後に儂だ」

ユ「自分の国民のためなら死んでもいいと?」

王「そうだ。王はどうにでもなる。だが、王を支えてくれる国民が居なければ王の価値なしだ」

ユ「ほー。かっこいいな」


このイケメン国王にたいして尊敬の念が出そうだった

こういうところがあるから、慕われているのかもな

親バカなところはあるけども


ユ「本当にすごい国王だ」

王「じゃろ?」


ちょっとうれしそうだな

子供っぽい一面もあるんだな


ユ「これなら王子も楽しみだ」

王「そうか」


親は子に似るからな

まぁ、それは環境が似ていたら似る可能性があるだけで

環境が違ったら全く変わっていた可能性だってある


ユ「似たんだな」

王「そうだ」


ニヤニヤして嬉しそうだけど

王子も自分の息子に対して親ばかっぽくなったら困るわ


ユ「今まで国王のところに来るとかはあったけど、孤児院は一回も見てないな」

王「そうなのか。近いし案内してやろう」


部屋から出て廊下でそんなこと言ってきた


ユ「いいのか?城から出て」


結構偉い人って縛られた生活してるんじゃないの?


王「大丈夫だ。冒険者以外、比較的平和だからなこの王都は」

ユ「まぁ、それは確かに」


国王はかなり自身を持ったような感じだな


ユ「平和でも、奴隷制度は完全に消えないんだな」

王「ああ、そうだ。儂も、すぐに奴隷制度を消して、すべての種族がわかりあえるような国を作りたいんだけどな。今は、儂の使いが貴族たちに説得を試みている」


そうだったのか

使いってことは騎士団だろうか


ユ「独裁じゃなくて、皆で決めてるから。説得させるしか無いんだよな」


めんどくさそうだな


王「不満が募るようなものより、皆が納得している政治のほうがいいからな」

ユ「まぁ、多数決とかでやると不満持つ人もいるかもしれんけどな」

王「それでも渋々納得はしてくれるよ」


そうなんだ

やっぱり平和だな、ここは


ユ「いつか奴隷制度が消えることを願うよ」

王「そうだな。一緒に住んでいるイリヤという者のためにもな」

ユ「ああ」


国王は獣人だって知ってるもんな

フィル、青スラさんは言ってないけどな

古龍はどうだろう…

スズナさんからの報告とかで聞いてそう


ユ「国王って意外と暇なのか?」

王「そんな事無いぞ。ただ、もう仕事は終えたからだ。それに、今は騒ぎがあったりしないからな」


騒ぎがあったら上とかって大変だもんな

だけど、今は戦争中でもなんでもないし

大体の盗賊絡みのものは騎士団もしくは冒険者がするから比較的国王は仕事が少ないのかもしれんな


ユ「…意外と廊下長いな」


思ったより長いので、この結構年老いてる国王はかなり体力あると思う

普通に歩けてるから


王「う、うん。それは儂もよく思う」


なんてことを廊下で話していた

そして、歩いていたら外に出た


ユ「ここか」


外に出て、すぐそこに孤児院があった

そんなにボロくない、というかむしろきれいだ


ユ「学校みたいだな」

王「一応、孤児院だけどな。いや、孤児院ではなくて皆の家だな」


言い換えるんだな

たしかにそれは俺も言うかもしれんな


ユ「お〜」


中は小さい子供が元気に遊んでいる様子が見れる


ユ「これを見てるとぐはっ!」


国王と話してたら

孤児院の子供が俺の顔面に飛びついてきた

まだ子供の威力だから足が崩されることはなかった


ユ「あははっ。元気がいいんだな」

王「だろう?」


子供が頭に乗っているが軽いので特に重さを感じない


ユ「もう、寄付とかしなくても大丈夫なそうだけどな」

王「でも、してくれたらもっと良くなるぞ」


寄付してほしいのか?


ユ「流石に普通の子よりいい生活にさせるとかはできないけどな。捨て子が増える」


本音ではさせたいけども

それをすると孤児が増えて親の愛情を貰う人が居なくなる


ユ(色んなケースがあるから一概には言えんがな)


まぁ、孤児院には親みたいな存在の人はいるけど


王「たしかにそうだ。だけど、それ以上に皆は楽しむことができている」

ユ「いい環境だ」


子供は遊ぶことが、仕事だからな


ユ「じゃあ、決めた」

王「何にするんだ?」

ユ「寄付は今の国王で十分だろ。だけど、たまに遊びに来ていいか?」


寄付しないことにした


王「いいぞ。たまに優しい冒険者もしくは、ここで育った人が来るからな」


何年くらいあるんだろうこの孤児院


ユ「俺もちょっと遊んでこようかな」

王「行くといい。儂は少し孤児院の院長と話をしてくる」


国王はそのまま孤児院の中に入っていったけど

俺は、外にいる子供たちのところに行った

だが…


「あはは、あはは、あは…」

ユ「…」


楽しそうに遊んでいたやつが居た

もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください


この話へ一言 国王から


王「儂、意外とかっこいいじゃろ」

ユ「それを言わなければかっこよかったよ」

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