第二百二十七話 海の街
ユ「ここがかぁ…」
カ「まさに海の街って感じだね〜」
港町みたいなところだ
魚とか売ってるかな?
シ「あそこらへんで、遊んでるね」
シューゴが指を指した
その先には、ビーチがあった
ユ「じゃあ、俺とフィルとイリヤは街を歩いてるから」
キ「わかった」
ここに来るとき、俺とフィル、イリヤは街を歩くことになった
フィルは水が怖いから
イリヤは水が苦手らしい
まぁ、イリヤは猫だからなのと、フィルは種族的な関係かな?
吸血鬼は流水だめらしいし
ユ「街にいいもの売ってないかな?」
イ「魚とか食べたいですよね」
ユ「刺し身とか」
魚料理を思い浮かべて、イリヤと一緒によだれを垂らしていた
フィ「行くよ」
妄想の中でご飯を食べようとしたが
現実でフィルに声をかけられたので、現実世界に戻された
ユ「そうだな」
イ「どこに行きますか?」
フィ「ここ」
指差して行きたいところをどんどん行っていった
フィ「ここ」
街の端っこだったり
フィ「ここ」
海の近くだったり
フィ「ここ」
宿の近くだったり
ユ「あっ、そう言えば止まるところ決めてなかったな」
イ「ダンジョンを行き来すればいいじゃないですか」
ユ「それで皆がいいならいいけど」
別に俺はどんな理由だったとしてもなんでもいい
ユ「そういえば、全く疲れないな。体力でも増えたのかな?」
なんか最近全く
ステータスを見てなかった気がする
ユ「あ、あれ?なんか数が違う」
前と数が違ったのだ
というか増えた
変わったのは体力だけじゃない
HP、ATK(攻撃力)も変わった
変わってないのは魔力だけだ
テ『もちろんゲームと違うのでステータスが固定なわけないじゃないですか』
ユ『この世界にはレベルアップ制度があるのか?』
テ『無いですよ。ただ、ユートさんが成長したってだけです』
どうやら、このステータスは本当に数値だけらしい
レベルアップなんてものは無いから次のレベルに上がるまでステータスが変化しないみたいなんてことはないみたいだな
しかもレベルアップが無いってことはずっとステータスは同じように伸びるってことか、ずっと止まってたり、急激に伸びたりはしないんだな
ユ(俺のスキルのせいで数がどんどん変化していきそうだな)
下がったり上がったり数値は大変そうだな
ユ(これだとこの数値の基準がわかんないし、これは…当てにならないな)
ステータスを確認するよりも
普通に走ったほうがいいかもしれない
ユ(見る必要、殆どなくなったな)
あと見るなら、魔力がどれくらい残ってるってくらいかな?
まぁ、俺は見ないけど
だってゼロだから
ユ「ステータスはもう見ること無さそう」
ゲームとかで一番最後に挑むボスだから変わるのは技能だけで、ステータスはこれ以上成長しないかと思ってたわ
そういえば、重りとかしてたら筋力とか増えてたな
これは嬉しいことを知った
伸びしろがあるってことだ
さて、現実に行くか
イ「機嫌いいですね」
ユ「まぁ、いいこと知ったからな」
何のことかわかってないみたいだけど
どうせこの世界では常識だろうから、別に言う必要は無いだろう
ユ『皆、宿に泊まる?家に泊まって転移でもう一回来る?』
皆『家』
皆家一択だった
確かに快適だけども
ユ「まだまだ時間あるし。俺たちはまだ歩くか」
イ「ですね」
フィ「…」
フィルがどっか見ている
ユ「なんか欲しいものでもあったのか?」
フィ「ううん。違う」
フィルの見ていた先にはなんか宝石店みたいなところだった
きれいだったのかな?
ユ「あいつら何してるのかな?」
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他の皆
キ「泳ぐぞー!」
キクチとヒラノは着替えてからすぐに泳ぎに行った
シ「行ってらっしゃい」
シューゴは椅子に座って、寝るつもりらしい
リーファ、変装した青スラさんは浅いところで水を掛け合う感じだ
シ「泳ぐのはいいかもしれないけど、あいつらにはついて行けない」
速さ的にだな
カ「早いよな〜」
カンタも横でスマホをいじっている
シ「ナンパに行かないのか?」
カ「…ちょっと行ってこようかな〜?」
シ「また顔に紅葉できるぞ」
カ「行ってくるわ〜」
カンタはそのまま行ってしまった
シ(ナンパ成功しても、一緒に住むことが出来ないことは気づいているのだろうか)
カンタはそれに気づいていない
シ「まぁ、最悪の場合魔法でどうにかするか」
洗脳で何もなかったようにするとかもできるしな
そのままシューゴはぐっすりと寝た
古「おっ?シューゴ、寝ているのか。じゃあ、お友達っぽく俺も寝るとするか」
さっきまで、上で日光浴してた人化中の古龍も椅子に座って一緒に寝た
「きゃー!」
突然悲鳴が聞こえてきた
シ「…海で悲鳴か…」
シューゴは悲鳴を聞いて
すぐに色々と察した
シ「完全にメタ推理だけども。敵がなんとなく何か予想がつく」
ゆっくり目を開けると
そこには大きなタコが居た
二十メートル級である
シ(ラノベでもよくあるやつだな。ラッキースケベってやつ)
シューゴはぼーっと見ているが
誰も捕まっていないから、違うのかもしれない
とちょっと安心したら、すぐにその予想は覆った
リ「シューゴお兄ちゃーん!助けてー!」
シ「…多分青スラさんもどっかで捕まってんだよな」
予想をしてから
直ぐに行動に移した
古「シューゴ、頑張れ〜」
シ「おう」
返事してそのまま走った
砂のせいか、ちょっと走りにくそうだ
シ「ラッキースケベなんて起こさせてたまるか...」
そう言うとシューゴは地面を蹴り、高く飛び上がった
シ・キ「邪魔だし、毎回これにつきあわされる女子達が可愛そうだ」
同じことを言ってキクチはタコを切った
シューゴは身体能力強化魔法で強くしてぶん殴った
シ「泳いでたのでは?」
キ「寝てないのか?」
お互いがお互いに質問をしている
シ「俺は悲鳴で起きた」
キ「俺は悲鳴が聞こえて泳いで来た」
二人共悲鳴で来たみたいだ
ヒ「ここにいたのか〜。探したよ」
さっきまで居なかったヒラノが帰ってきた
水着でヒラノだけ、水泳部とかが頭につける帽子を被ってるから
ガチ度が違う
ヒ「もう一回泳ぐ?」
キ「行こう」
ヒラノとキクチはすごい勢いで泳ぎに行った
シ「あの二人、魔法使ってんじゃないかってくらい速いんだけど」
古「俺も同じくらい行けるぞ」
陸上で走る時と同じくらい速い
「きゃー!」
シ「…カンタ、古龍、逃げよう」
カ「わかった〜」
シューゴは何かを察知して、古龍とさっきまで寝ていたカンタに声をかけて
逃げ始めた
シ「違う理由で悲鳴みたいなのが聞こえた」
カ「黄色い声だったね〜」
古「人間はめんどくさいな」
カンタはスマホを持って
シューゴと一緒に街の屋根の上を走りながら逃げた
古龍は素の身体能力が高いから普通に逃げることができた
シ「ここなら寄ってこないだろ」
シューゴ達は安心した
シ「もう一度認識阻害かけて、戻ろう」
カ「おっけ~」
古「頼む」
認識阻害をかけて
ビーチに戻った
幸い、魔法が得意なやつが居なかったのか
バレることはなかった
リ「器用だね〜」
シ「ありがとよ。楽しんできた?」
リ「うん!」
リーファは楽しかったみたいだ
シ「ところで、青スラさんは?」
リ「あそこで凍ってる」
ちょっと氷の塊があった
シ「なんで?」
リ「間違って凍らせちゃった」
シ「“火炎放射”」
火魔法ですぐに青スラさんを溶かし
連れてきた
青スラ「まさか凍らされるとは思いませんでしたね」
リ「ごめんなさい…」
青スラ「大丈夫ですよ」
凍っている時皆変な目で見ていたけど
誰も何もしなくて助かった
下手に触って、折って種族がバレて青スラさんが捕まる
みたいなことにならなくてよかった
シ「あれ?アユムは?」
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ア「…気持ちいい….」
アユムは深海で深海魚として過ごしている
エラ呼吸しているから、解除しない限りずっと居られる
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 古龍から
古「龍は日焼けしない。鱗があるから」
ユ「なにそれ便利」




