第二百七話 入団試験
ユ「…もしもーし」
テ『電話?』
ユ『違う』
ゆっくりドアを開けながら入った
「ふぅ↑ーーーーーーー!」
色んな人がいる
天井にブランコをぶら下げている人だったり
ボールをぶん投げる機械をつかってボールをふっ飛ばしまくってたりしている
「トレニアさんが男を連れて来たぞぉ!」
「おーーーーー!」
ト「ち、違います!」
ユ「言い方よ」
というか、こいつは俺じゃなくてシューゴのほうが好きだから
ユ「よし、帰ろう」
「待って待って待ってくれー!」
ドアを開けようとした俺をすごい勢いで止めてきたやつがいた
ユ「上級生?」
「ああ、そうだ!」
どうやらクラブは学年関係なく入れるらしい
ただし二年生以上
ユ「なんとも陽気な師団だな」
「褒め言葉をありがとう!」
というかだんだん見てるとコイツラ普通に薬物とか作って、ラリってるようにしか見えなくなってくるんだが?
ユ「ここは錬金術を行うところなのか?」
「そうだよ!ポーション作ったり、鉄を生み出したり、何かを開発したりするんだ!」
普通に錬金術だな
「君は誰かね!」
ユ「ユート」
「わかった!君はこの錬金術師団に入りたいのか!?」
ユ「あー、いやべt…」
断ろうとしたら、トレニアが顔の中を見てきた
そうだった、やるって言っちゃったわ
ユ「俺はやりたくないんだが、トレニアとやるって約束しちゃったからな」
「そうか!では、実力を見せてくれないか?」
と言われてからなんか紙を渡された
なんか項目がたくさんある
ユ「今まで作ったことがある物リスト?」
「ああ!これで今まで作ったポーションを書いてもらう!」
ユ「わかった」
鉛筆を取り出して、書いた
ユ「下級ポーション、中級ポーション、上級ポーション…」
家で大量に作って、もはや棚とかに収納してるからなぁ…
というか全部作ったことあるし
しかも、「これ以外に作った薬品はなんですか?」とかあるんだが
全部書くの?百個くらい書けるけど…
ユート印のものを入れるとヤバそうだからそれは抜いておこう
ユ「これ以外かぁ…惚れ薬、下剤、胃腸薬、鼻血防止剤、媚薬、腹痛剤、風邪薬、麻酔、…」
などなど、大量に出てくる
まぁ、王子の恋愛を手伝うものがほとんどだが
あと出しても大丈夫なやつしか書いてない
まだあと性格改変剤、ヤンデレ薬、ツンデレ薬、崩壊薬、激辛薬、等がある
ユ「はい。全部かけてないけど、枠が小さくて全部かけなかった」
「えっ?足りないだと?」
さっきまでうるさかったのと打って変わって、静かになった
渡した紙をじっくり見ている
「は?」
「お前…嘘ついちゃいけないからな」
肩をポンと叩かれ、嘘だと疑われた
ユ「嘘じゃないが?」
「じゃあ、実力を見せてもらおう。もしくは、持っているのなら実物を持ってこい。どっちもなければ作り方でも良いが」
これは完全に疑ってるな
ユ「じゃあ、実物持ってくるよ。どれがいい?」
「じゃ、じゃあ。この惚れぐs。がはっ!」
男の人が同じ師団の女の人に腹を殴られた
「それはだめだ。試しにエリクサーを持ってきてみて」
多分一番珍しいからだろうな
ユ「わかった。ほら」
アイテムバックの中にあるものだから、手の上にすぐに出すことが出来た
というかこの機能つけてたの忘れてたわ
ユ「これでいい?」
「えーーー!?」
「えっ!?本当にあるの!?」
こいつ…信じてなかったな絶対
というか皆びっくりしているから皆信じてなかったんだな
ユ「本物だよ」
「本当に持ってるとは!」
感動してるな
というかこいつ、これが偽物だとは疑わないんだな
「それが偽物だという可能性は?」
俺と同じことを思った年上が聞いた
「いや!俺は一度エリクサーを見たことがある。それは、これと全く同じものだったんだ!」
本物を見たことがあるのか
一体どこで見たんだろう
「どこでそんなものを見たんだ?」
さっき質問してたやつがもう一回聞いてた
「ああ、たまたま商業ギルドで売ってたから買ったんだよ」
「お前、運いいな」
「だろー」
楽しそうに会話しているが
俺的にはこいつが言っていたことに驚きなんだが?
商業ギルドで買ったって言ったか?
「お前がそれを持ってるということは、あいつも買ったっていう可能性はないのか?」
「はっ、確かに」
こいつめんどくさいな
確かに全部買えるくらいのお金は持ってるよ
ユ「じゃあ、ここで作ればいいんだろ」
「作れるわけない。材料がないんだから」
ユ「大丈夫だ。材料くらいある」
「えっ...」
というか家に無限にあるわ
自動回収機能を付与したアイテムバックを薬草育ててるところにやったからずっと供給されているからほぼ尽きることはない
ユ「作るためのものを色々出していいか?」
「ああ、いいけど…」
結局エリクサーを作る羽目になった
俺の場合普通に出せば良いのかもしれないが、それをやるとまた別の質問がくるし、アイテムバックの仕組みを説明しても買ったやつだって疑われそうだ
ユ「フラスコ、水、ガスバーナー…」
など作るためのものをどんどん出して、テーブルに並べていって、作り始めた
そして数秒後
ユ「出来た」
「早っ!」
皆の声が重なった
ユ「ほらエリクサーだよ」
エリクサーの瓶を投げて、渡した
「ほ、本物だ!」
「すげぇやつが来たぞ!」
「わーい!わーい!」
そんなに俺が入るのがうれしいのか?
「一つ質問があるんだが、さっきアイテムどっからだした?」
ユ「ああ、それは…」
アイテムバックの仕組みを教えた
それはダンジョンで拾ったことにする
ユ「それで、確かめることはこれで終わりか?」
「あともう一個だけある」
もう一個あるのかよ
ユ「何を作るんだ?」
「生活を便利にするためのものを作るんだ」
ユ「それくらい余裕だ」
実物は無いが、設計図を渡した
「こ、これは!」
ユ「それは遠くでも相手と会話をすることができる“電話”だ」
電気を使わないけどな
「革命だ!」
その後、俺は錬金術師団に入ることになり
胴上げをされた
ユ(重り外しててよかったぁ…)
最近ちょっと重りを外してても、筋力が減らなくなったから
邪魔になる重りは外した
ト「良かったです…」
ユ「俺が入れることがか?」
そんなに入ってほしかったのか…
ト「いえ、わざと試験を失敗して入れなかったぁ…みたいな事をされなかったので」
ユ「その手があったか」(そんな事しないよー)
テ『逆になってますよ!』
こうして、俺は錬金術師団に入ることになった
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 殴られた男の人より
「ほしかったなぁ...」




