第二百五話 鼻血一大事
王子に大声で言われた
そこって言って指差したところは、俺のところである
ユ『なんでわかった?』
黙ってれば、大丈夫だろうと思い
俺はそのまま黙って、やり過ごそうとした
王子「黙っても、居るのはわかってるぞ」
ユ『!?』
なんでだ?
認識阻害してるし、透明化も常時…あっ!
鼻血が出てるから、透明化解除されてる!
ユ『認識阻害バレてるのはなんでだ?』
念話でテキストさんに聞いてみた
テ『わかりません』
だが、答えはわからないみたいだ
どうしよう…
王子がじりじりと寄ってきてるし…
ユ『や、やばい…』
俺は王子に触られると思ったので、避けようとしただがバレてるので
その避けた方向に手が向かってきた
ユ『…鼻血が出てるから転移も使えない…』
万事休すか…
ガチャ
と思ったら
ドアの音が聞こえた
「殿下、どうかしましたか?」
冷静に聞いている
王子「いえ、何か気配を感じたので」
「はい…そうですか。すこし、声を荒げていたので不安になりました。では、失礼します」
メイドはドアを閉じて、部屋を出た
王子は、もう気配を感じなくなったのでレミィさんと遊びに行った
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ユ『助かった』
『失敗するとは思わなかったけどね』
こいつ、俺の姿見えんのか?
『さっきまで気配を全く感じなかったのに、急に気配を感じて驚いたよ』
ユ『そういうことか』
それで気づいて即来てくれたのか
『良かったね。私が、気配の察知が得意で』
ユ『本当だよ』
鼻血が止まったのでティッシュをアイテムバックの中に入れた
ユ『もう一回。行ってくるよ』
そういえば、疑問なんだが
なんで、透明化してるときはわからなかったのに、それが解けたらバレたんだ?
なんか結界とかあったりして、透明化のおかげでバレなかったとか?
それか、たまたまだったのか
というか何で認識阻害は解けなかったんだ?
ユ『まぁ、いい。転移魔法で飛ぶだけだ』
転移魔法で飛ぶ前に
透明化、認識阻害、音声妨害など、自分をバレにくくするためのものを大量にかけた
ユ『よし、これでばれないはず』
不安だが、入ってみた
ユ『入ってみたが、うーん…』
普通に過ごしていたが
何だこの光景は
ユ『ちょっとうらやましいかもな』
現在この部屋で行われているのは、よくASMRとかでやってる
「耳かき」だ
ユ『あれ気持ちいいからな』
感想を述べている間
レミィさんは王子に耳かきをしている
いつあの綿棒を持ってきたのかは謎である
部屋の中にでもあったのだろうか
ユ『これも良いなぁ…』
眺めていたら、メイドがベランダの方で屋根から頭だけを出した
王子とレミィさんは耳かきに集中しているので、大丈夫そうだ
ユ『何してんだ?』
転移魔法で飛んで、聞きに行った
『国王様が、王子を連れてこようとしたけど、邪魔をして欲しくないから貴方が行って』
ユ『わかったよ。でも、それじゃあ、解決しないんじゃない?』
『王子から貴方への伝言らしいから』
ユ『わかった』
さっさと王城に飛んで話を聞いてもどった
ユ『普通に三十分くらいかかった…』
戻ってきたら、二人共疲れたのか寝ていた
ユ『寝てるのか…』
貴族とかの間では男女が一緒に寝ることに関しては厳しいのでは?
ユ『まぁ、いいか』
一緒にベッドの上で話してたのか、王子が壁に寄りかかっており
レミィさんは、王子に寄りかかっている
二人に毛布がかかっている、あのメイドがやったのだろうか
ユ『これは、起きたときの反応が楽しみだが。俺はもう、退散するか』
今日はもう満足できたから、俺的にはもう帰ろうと思う
報告書ももらったし
ユ『よし…これからも面白そうな遊びを教えておくか…』
超悪い顔をしながら、帰っていった
ユ「さーて、あとはどうすっか」
楽しみは終わったし、どうしようか…
戻るか
ユ「“転移”」
家に戻り、報告書を読んだ
そして、満足して
この後、今日国王と話したことを言おうと思う
ユ「今日さ、こんな事があったんだよ」
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国王に呼び出されて
ユ「何のようだよ国王!せっかく人が楽しんでるところになぁ!」
ドアをぶっ壊しながら、大声で言って、部屋に入った
王「一応息子を呼んだのだが…何故か居ないのだ。というかドアを壊さないでくれ」
あっ、それは悪い
だが、俺は国王のほうが気になった
ユ「…聞いてないのか?」
王「何がだ?」
知らないみたいなので
今、王子が何をしているかを教えた
王「何だと?今、儂の息子はおなごと一緒に過ごしているだと?」
ユ「そうだが?」
王「女の子との付き合い方を教えなければいけないときが来たか…」
ユ「いや、教えなくていいです」
普通に、今の状態が最高なのでやんないでほしい
あと、もうひとりにぶち切られる
ユ「それで、何について話すんだ?なんか聞くって聞いたけど」
王「あともうひとりが来る。だからそれまで待ってくれ」
ユ「わかった」
二十分後
いらいらいらいらいらいらいら…
もう一人来ると言っていたのに中々来ないから結構いらいらしてきた
ユ「本当に来るの?」
全く来ないのでちょっと不安になり国王に聞いてしまった
王「いや、もうすぐ来るはずなんだ」
「我、見参!」
ユ「…こいつも変わったな」
姿がいつもと違う魔王が来た
髪は緑の長髪。目は水色の小さい子の姿だ
それより、話し方が気になるんだが
ユ「その話し方は何だ?」
魔「このm…先日、サタンに支配者らしい威厳を保つための話し方を教えてもらったのだ」
あいつ…
何してんだよまじで
この前を先日って言ってるし
というか威厳を保つための話し方ってなんだよ
ユ「俺達の前では、威厳もクソもないからしなくていいと思う」
魔「じゃあ、やめる!」
ユ「そっすか」
意志がクソ雑魚だった
あとなんか後ろを振り向いたら、首をぶんぶん横に振っている国王がいた
王(儂、普通に怖いのだが…)
魔王の威厳を感じているらしい
ユートは何も思ってないので、普通に過ごしている
王『ユート、ユート…』
ユ「ん?」
なんか招き猫みたいに、手でこっちに来いと言ってきた
ユ「なんだ?」
王『儂は、まだ魔王が怖いからなるべく刺激はしてほしくない』
ユ『あー、じゃあ、ちょっと待て』
テーブルを取り出して、お皿、フォーク、ケーキも出した
アイテムバックから出したようにみせた
ユ「魔王、これ食っていいよ」
魔「いいのか?」
ユ「もちろん」
と言ったらすぐに席に座って、食べ始めた
魔王だとは思わせないような、幸せそうな少女のような顔で食べている
ユ(魔王って結構子供だしな)
俺はそう思ってから、国王に聞いた
ユ『まだ怖いか?』
王『そんなことは無くなったわ』
ユ『Changing people’s mind is a piece of cake』
(訳:他人の考えを変えるのは朝飯前だ)
今はっと思いついたので言ってみた
王『何を言っているのだ?』
ユ『いや、なんでも無い』
…英語で話すと伝わらないのか、日本語だと伝わるのに
意外なことを知れたな
テ『絶対さっきのは言いたかっただけですよね』
ユ『テキストさんはわかるのか』
テ『はい』
さて、ケーキを食べ終わったし
会議を始めよう
ユ「それで、何について話したかったんだ?」
王「少し、規則を変えたいと思ったのだ」
規則って、なんか決めたことあったっけ?
魔「どういうことだ?」
王「この前、儂らお互いに手を出さないと言う条約を出した」
ユ・魔「うん」
そう言えば、そんな条約をしたな
魔「答えが出たのか?」
ユ「答え?」
王「ユートは、知らなかったな。儂ら、時々会議をしているのだ。儂が魔王城に行くのは危険だから、毎回ここでしているが」
魔「それで、この前…」
あっ、先日じゃない
魔「魔王軍には手を出さないほうが良いということを言ったほうが良いのではということを話した。そもそも我も人と戦いたくない」
王「それを話した結果。儂らは、言うことにした」
そうすれば戦わなくて済むだろうな
ユ「それで、俺が呼ばれたのは?」
王「もし疑問があったら何かを言ってくれ」
ユ「わかった」
数秒この意見について考えて、質問をだした
ユ「みんな話を聞くのか?」
王「聞かないと思われる。だが、そのときの対処は魔王に任せる」
ユ「じゃあ、それで手を引いた人の職業はどうするんだ?」
王「王都には色々な職業があるから大丈夫だと思う」
賭博場とかあるもんな
冒険者で活躍していた人はそこで稼げるし
死ぬ可能性もなくなるわけだからな
ユ「騎士団は?」
王「まだ、残すつもりだ。他の国との戦争があるかもだからな」
あと厄災とかが来たら戦う必要があるかもな
ユ「今まで動ぶt..魔物を狩って集めていた素材は?」
ユートからしたらあまり普通の動物とは変わらないから
動物と言ってしまうことが多々ある
王「それは…」
魔「普通に狩っていいぞ」
良いの?
魔王の味方じゃないの?
魔「魔王軍は弱肉強食だ。人に負けるのなら、この世界では生き残れないだろう」
なるほど
自然の摂理だな
ユ(ちょっと今まで、犠牲を出したくないとかも頭の中に入れてたから、それを入れないとすると結構考えが変わるな)
じゃあ、弱肉強食ってことにするか?
ユ『テキストさん。一ついい?』
テ『なんですか?』
ユ『自然が壊れるのはどうなんだ?』
テ『できればやめてほしいですが、多少なら良いですよ』
いいんだ
ユ「それは魔王軍幹部やこの世界の国王でもいえんのか?」
魔「…」
王「…」
それを言うと二人は黙ってしまった
王「儂はぬるま湯に浸かっていたのかもしれない」
魔「もう少し、気を引き締めるべきかもしれない」
なんか顔つきが変わった
ユ「どうすんだ?」
王「この前作った条約は破棄しようと思う」
魔「我も賛成だ」
条約を消そうとするために、条約を消すための書類を騎士団の一人が持ってきた
ユ「だが、気に入らないな。皆が死んでいくのは見たくない。知っている人が弱肉強食だから簡単に見捨てろなんて、俺には出来ないな」
だって知っている人が死ぬなんて悲しすぎる
王「それは誰だって出来ない」
この国王ならそうだろうな
国民思いのやつだから、犠牲にするとかいう考えをしたくないんだろう
魔「あっ、契約を消さなくてもいい方法があった」
突然魔王がそんなことを言ってきた
王「どういうことだ?」
魔「我は、死にたくないし。お主らも死にたくない。そこで思いついたことがある」
ユ「いいアイデアが?」
魔「そうだ」
いいアイデアか
なんだろうか
ユ「それはなんだ?」
魔「我のところはだめ。お主もだめ。だが、攻めなければ素材が狩れないなどの問題がある。ならば、ダンジョンに潜ればいい」
王「おお」
ユ「…」
ダンジョンか
ダンジョンが攻められるのは俺が困るが、言いにくいな…
魔「ダンジョンだったら、スタンビート以外ほとんど攻めることはない。しかも、どっちも殺される心配がないし、ダンジョン内の魔物を倒せば素材も狩れる」
王「なるほど」
それで納得して
明日あたりに「魔王軍はせめては行けない。行くのはダンジョンだけ」ということが発表されることになった
あと違反したときは、魔王に任せることにしたらしい
もちろん魔物がこっちを攻めてきたら、攻撃し返すことになっている
魔「これなら、いいだろ」
王「賛成だ」
冒険者も困らないし、誰も外の世界の人はしなない
だが俺にすべて飛んでくる!
どうしよう、だが、倒せばいいか
ユ「じゃあ、これで決定で良いな?」
王・魔「そうだな」
ユ「じゃあ、俺は帰る!」
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ユ「ということがあった」
ゴンッ!
ユ「ゴメンな。迷惑かけて」
俺は机に頭を擦り付けながら謝った
カ「そーかー。じゃあ、がんばろーぜー」
キ「だな」
ヒ「倒すしか無いね」
シ「魔王にしては良い判断だな」
ア「倒せばいいから、謝らなくていいよ?」
結果としては五人はめっちゃ優しかったので、大丈夫だった
ユ「ありがとうな」
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 王子から
王子「あの耳かきはよかった」
レ「またしてあげますね」




