第二百一話 議論中...
ユ「さて、朝まであと三時間ほど…」
街を回ろうととも思ったが
流石に深夜三時くらいになると、誰も起きて無く真っ暗だった
ユ「森の中で焚き火でもやってみようかな…」
小枝を少しだけ集め、石で囲い火をつけた
ユ「焚き火….一人では初めてだな」
大体一人で外に出るなんて機会そうそう無いからな
主にダンジョンに入ってくる奴らを倒してるから
夜に入ってくるやつが居ないのは嬉しいが
ユ「焚き火してると、ラノベでは大体誰か来るイメージあるな」
結構びっくりしてる人多いイメージあるけど
来ることがわかってたらびっくりしないんじゃ…
どうなんだろう
ユ「だけど、俺の運の悪さで魔物しか来なさそう。そもそも、誰も来ないとかありそうだな」
焚き火でちょっと料理もしようと思い
芋を出した
ユ「石や〜きぃ〜も〜。ホカホカ〜」
よく聞くようなフレーズを使って焼けるのを待っていた
テ『石で焼いてないですよ』
ユ『雰囲気だよ雰囲気！』
ちょっと落ち着いてから、パチパチと火がはねてるのを背景に焼き芋を見た
ユ「温かいな」
テ『今は冬ですからね』
ユ『三月は春じゃないのか？』
テ『冬ですよ』
…こいつ
ユ『議論するか？』
テ『望むところです』
いい暇つぶしになりそうだ
と、ちょっと怖い雰囲気を発しながら戦いのゴングは鳴った
ユ『三月は春だ。なぜなら、暦月で分けるときは正月から三月までの期間が春だからだ！』
テ『三月は冬です！季節が移り変わるのは春分を過ぎてからです！』
ユ『三月はもう暖かい！だから春だ！』
テ『三月は後半から暖かくなります！だから前半である今はまだ冬です！』
ユ『俺は寒いなんて感じなかったぞ』
テ『それは貴方の意見です！』
ユ『それに、三月は卒業式シーズン！アニメとかではよく桜が散ってるから春だ！しかも卒業式は大体三月上旬！』
テ『いえ、桜が咲くのは三月下旬！だから、桜を春とするならばまだ冬です！』
ユ『だが、俺の小六の卒業式桜あったぞ！』
テ『それは…なんででしょう』
ユ『わかんないんかい』
テ『桜は咲く時期は異なることがあります！ですが！主に咲くとされてるのは三月下旬！だから、まだ冬です！』
ユ『異議あり！』
ちょっと沈黙が続いた
その後テキストさんが疑問を持って質問して来た
テ『…何も言わないんですか？』
ユ『異議ありって言いたかっただけ』
テ『そ、そうですか。では私のほうが正しいということですか？何も言えないということは』
ユ『異議あり！』
テ『では言ってみてください！』
ユ『ちょっと待ってろ！』（“転移”）
転移魔法で飛んでカンタのもとに行った
ユ「まだ起きてるのかよ」
カ「もうそろ寝るよ〜」
にしては結構明るかった
ユ「カンタ、ちょっと調べてほしいんだけど。三月って冬？春？」
カ「ん〜…冬だって」
スマホで調べて出た結果らしい
ユ『くそ〜！』
テ『よっしゃ〜！』
俺は悔しがって地面を叩かいた（ちょっと凹んだ）
テキストさんは実体が無いが、俺の目の前に文字を映らせて、文字を跳ねさせている
カ「あっ、でも春でもあるみたいだよ」
ユ『えっ…よっしゃ〜！』
テ『そうですか…』
形勢逆転！…は、してないけど
負けではない！
ユ「ありがとう。じゃあ、戻るわ」
普通に念話で聞けばよかった気がするけども
まぁ、寝てたらだめだもんな
カ「そうか、じゃ〜ね〜」
ユ「“転移”」
戻って、落ち着いた
ユ『お前….結構やるじゃん』
テ『青春しませんからね』
ユ『ちょっとくらい乗れや！』
すごいなんか不良とかで殴り合った後に仲良くなったみたいな奴じゃん
あれ結構痛そう
ユ「ん？なんか臭い…あっ、焼き芋！」
焚き火のほうを見てみると、焦げた焼き芋があった
ユ「あ….美味しいそうだなぁ」
テ『ごまかしましたね』
その後、美味しい美味しいと言って泣きながら食べた
テ『自己暗示しようとしてますね』
ブツブツ呪文みたいにいい続けていた
ユ『じゃないと味覚が破裂する』
テ『何というパワーワード』
破裂はおかしいか
じゃあ、爆発…いや…死ぬ、バグる…なんだろう
結局出てこない
ユ「さて…もうそろ朝だな」
テ『ですね』
朝になる前に宿に戻らないとな
ユ「“転移”」
あっ、そう言えば誰も来なかったな
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 テキストから
テ『議論って結構楽しいですね』
ユ「だよな。特に白熱した時とか」
