第百九十七話 救世主?
黒髪長髪の猫耳
ちょっと俺より小さくて
毛がさらさらしている
あと少々胸が大きい
ユ「イリヤ!?」
イ「はい!」
元気な返事が帰ってきた
ということは本人で間違いないな
ユ「ん?なんか様子が…」
なんかいつもとイリヤの様子が違ったのだ
ユ「…?」
いつもより、凶暴になってないか?
青スラ『ユートさん!』
ユ『!?』
突然念話で話しかけられてびっくりした
結構焦ってるような声だ
ユ『なんかあった?』
青スラ『イリヤさんが…』
ユ『目の前にいるがなんかあったのか?』
青スラ『ユートさんの机にあった薬を飲んでしまいました!』
俺の机の上…あっ
ユ(もしかして、俺が王子とレミィさん用に作った。やばい薬?)
という少々危ない思考が脳裏をよぎった
ユ「…」(第三の目)
イリヤの状態を見てみると、“発情”“興奮”と書いてあった
ユ『あれは…自分の相手を決めるための薬なんだが…あれを飲んだのか。確か、片方は一番最初に見た人、もう片方は一番付き合い長い人が嫌いな人じゃない場合、すっごい好きになるんだよな。どっち飲んだ?』
青スラ『わかりません』
そうか、わかんないか
ユ『でも俺は会ってないのに、追ってきてるということは。多分一番付き合いの長いほうだな。とりあえず、なんで飲んだのかは後で聞くとして。俺はイリヤを鎮めるわ』
イリヤは興奮していて、明らかにいつもより攻撃力が高い
これだと、殺してしまう
いや、殺して良いのかもしれんが…
だが、止めないといつかは俺たちに被害がくる
こればっかりは、手を抜いてる場合じゃないな
「や、やめろぉ!殺すな」
奴隷商人は怯えながら命乞いをした
だけど、イリヤは聞きそうではない
ユ「“転移”“鎮静剤”」
転移してからすぐに頭を掴んで、鎮静剤の成分を流した
イ「は、はひ〜…」
これでイリヤは落ち着いたようだ
あと今殺されそうになっていた、奴隷商人はもうすっかり怯えて死ぬんじゃないかってレベルだ
戦意喪失しているから、いいか
ユ(周りを見てみても、血は流れていても誰も死んでないな)
イリヤに鎮静剤を打ってから
寝てしまっている
ユ「やばいな。だが、こいつらへの仕返しはこれで良いか。皆!」
皆「!」
ユ「こいつらを騎士団に出してくれ!俺はやることがある!」
タ「わかった!」
すぐに理解してくれて助かる
俺は速攻で転移して、家に帰った
ユ「地下十階の自分の部屋を見てみると…なんか試験管割れてるな」
絶対割って、片付けようとして間違って飲んだパターンだろ
または飲んだ後にこうなったかだな
ユ「とりあえず、寝かせるか」
安静にさせたほうがいいな
と思い、ゆっくりベッドの上に寝かせた
ユ「さて、片付けるか」
浮遊魔法、浄化、試験管創造を使い
すべて元通りにした
青スラ「早いですね」
ユ「見てたのか」
後ろから急に声がきこえてちょっとびっくりした
ユ「どういう経緯で飲むことになったんだ?」
青スラ「私達が、掃除をしているときに。ユートさんの薬品の入った試験管を大量に置いてある棚を雑巾がけをしようとしました」
棚というのは俺が結界を張って、時間が進まないようにしたものだ
時間が経ったらちょっと変化を起こす薬品とかが大量にあるから、変化しないように魔法で止めたんだよな
青スラ「そしたら落としてしまって、落としてしまった自分への罰と言ってなめて掃除してました」
ユ「そんな事しなくていいのに…というか、俺がそんな事言うわけ無いだろ」
青スラ「ですよね」
自分への罰を重くするみたいだな
しなくていいのに…
ユ「なるほど。じゃあ、勝手に床に落ちた薬品は飲まないでと言っておいてくれ」
青スラ「わかりました」
ユ「あっ、落ちてないやつもだめだからな!?」
青スラ「それくらいはわかってますよ。多分…」
ちょっとそこは自信ないんだな
まぁ、そりゃな
ユ「じゃあ、戻るわ」
青スラ「はい、では行ってらっしゃい」
ユ「“転移”!」
と言って飛んだ場所は地獄みたいなところだった
ユ「えっ?」
目の前には大量の死体があった
さっきイリヤがボコボコにしていたが、殺しては居ないはず
「はっはっは!どうだ!これが“死霊術”だ!」
さっきの死体が起き上がって、ゾンビのような動きをしている
いや、ゾンビだ
ユ「死霊術は受け入れられているみたいだが…こんな使い方をすると怒られるぞ?」
「そんなことは知らん!そもそも、死霊術を禁止してないこの国を恨むことだな!」
王都は死霊術を禁止していない
他の国では禁止しているところはあるらしいが、どうかは知らない
ユ「禁止されてない理由は、何か対抗手段があるからじゃないのか?」
「はっはっは!そんなことは関係ない!これは浄化できない奴らだ!」
どうやら、何か特殊な物をかけているようだ
ユ「“浄化”」
試しに浄化魔法をかけてみた
「あ゛あ゛ーーーーーーーー!」
普通に灰になって消えた
ユ「何が特殊だって?」
遠くから問い詰めても何も答えてくれない
「はっはっは!お前!俺のことを殺そうとしても良いのか?」
ユ「どういうことだ?」
というかこいつ、よく笑うな
「俺が今持っているこのボタンが見えるか!」
四角い箱にボタンを付けた単純な形をしている
ユ「それは?」
「これは奴隷用首輪を爆発させるものだ!」
爆発か…
恐ろしいな
ユ「ん?」
「なんだ?怖すぎて、言葉を失ったか?」
自身もって言っているけど
目が悪いのだろうか
ユ「いや、失ってはないんだが。俺の首を見てみろ」
「…首輪がない!?だと?」
さっき首輪の効果なくしたし
普通に外せた
「外そうとすると首が取れるのではないのか!」
ユ「さぁな。もしかしたら、俺は首が取れても死なないんじゃないか?」
俺が自分のたとえを言ったらもう諦めたようだ
「もうさっさと拘束しろ」
ユ「転移魔法ですぐに牢屋にぶち込んでやる」
言ったとおり俺は、すぐに牢屋に打ち込んだ
ユ(あっ、そういや。皆に騎士団呼んできてもらってるんだった)
だから、今このところには誰も居ない
ユ「最後に…もう誰もさらわれてないよな?」
最後の確認を行うために牢屋の方に行った
ユ「誰もいないな…うん」
誰も居なかったので帰ろうとしたら
ユ「?」
後ろからなんかの気配を感じた
ユ「何だあの白い光…」
ちょっと壁の一部が光っていたのだ
ユ「なんだこれ…」
ちょっと触ってみようと思ったら消えてしまった
もう何もなかったので俺は戻った
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 ユートから
ユ「薬っていいよな。ラブコメで進展させる事ができるからな」