第百九十四話 守りながらの戦闘
ユ「わー、こわいなー」
棒読みである
なぜなら、こいつがBランクの魔物ってことは、俺がこの前倒したアダマンタイトウルフってやつより弱いってことだろ?
見掛け倒しってやつ?
ユ(木の棍棒を持っていて、角が生えてる…鬼かな?)
鬼と言えば、魔王軍幹部にも居たな
あいつは火のついた金棒を持ってたけど
ユ(あれよりも弱いのかな?)
などと疑問に持っていたら
男の子が石とかを投げて、戦っていた
「おらっ!喰らえ“投石”!」
結構な速さの威力だが、全然効いていそうではない
多分、この前俺に向かって大砲で撃ってきたやつと同じくらい速い
だが、投げるものが石とかだから全く痛そうにしていない
ユ「蚊に刺されるっていうレベルだと思うけど」
あいつが石を投げたから十メートルくらいあるオーガは完全に意識はその男の子に行っている
ユ「…あいつ、正義感が強いのかもな」
オーガは男の子に棍棒をぶつけようとするために振り上げた
ユ「“防御魔法”」
そして振り下げて、ぶつけたがその棒は折れた
だって、俺が魔法で男の子を守ったからな
「!?」
男の子が驚いている間
俺はオーガに話しかけた
ユ「殺しはしたくない。だからこのまま引いてくれないか?」
と声をかけたが
拳で俺のことをぶん殴ってきたので、答えはノーか
そもそも言葉が通じてない可能性があるけど
ユ「というか上から殴ると埋まるからやめてほしい」
さっき俺は上から下に殴られてので
体が地面に埋まって、頭だけ出ている状態だ
これは尻隠して頭隠さずだな
ユ「“衝撃波”」
衝撃波を作り
周りの土をどかした
そして、オーガに近づいて言った
ユ「最後だ。今ここで引けば、殺さない」
男の子を守るために男の子の横で言った
だが、オーガはそれも聞かなかった
「オーガは好戦的だから引くことはない!」
ユ「なるほど。じゃあ、言っても意味ないな」
せっかくなので、拳で来てるのなら。同じ拳で返そうと思う
ということで高くジャンプして、オーガの顔のところまで来て
ユ「せーの!」
ドーン!
思いっきりぶん殴って
顔だけを消し飛ばした
倒した後、男の子はずっとびっくりしていた
あとオーガは火葬した
ユ「疲れたんだろうな、こいつ」
男の子は、疲れかわからないが
ぶっ倒れた
ユ「さて、こいつを女子と同じテントに寝かせると、やばいからやめとくか」
同じテントだったら、守るのが楽だと思ったがそれはやめておこう
ユ「一日目がこれだとめんどくさいな」
次の日
なんか男の子のあたりが弱かった
女の子達はもとから嫌そうにはしていなかった
ユ「魚釣るか…」
さっきつくった釣り竿を使うことにした
違和感を感じないように、材料はここらへんで取れるもので作った
ユ「釣りで魚くおーぜ〜」
「…」
ユ「せめてなんか言って〜」
誰も反応してくれなかった
ちょっと悲しい
そして、一日が過ぎて行って
夜になった
ユ(さっき二秒寝たから大丈夫だな)
というかよくよく考えると
二秒を一万倍して俺は毎日二万秒寝てるんだが
二万秒って…一日は86400秒だから
一日の四分の一ということは六時間か
俺、六時間しか寝てないのか…
ユ「俺もしかして、ブラック体質だったり…ありそう…」
だが、六時間しか寝て無くてもピンピンしてるから別に悪いことではない気がする
「おはよう」
ユ「ん?」
さっきまで寝てた男の子が起きて
俺に話しかけてきた
ユ「まだ夜だけどな」
現在深夜二時くらい
ユ「昨日と違って、俺も起きるなんて言わないんだな」
「…うん」
ん?
素直じゃん
ユ「なんかあった?」
昨日と随分態度が違うことに関してちょっと気になり
聞いてしまった
「昨日…悪かったな」
昨日...
脳内には“該当なし”の四文字が浮かんできた
ユ「何のこと?」
「昨日、悪く言っちゃって…ごめん」
ユ「あー、あれくらい別に…そんな気にしてないよ」
ちょっとだけ腹たったくらいだ
別に怒ってない、腹たっただけだから(大事なので二回言った)
「意外と、悪いやつじゃないんだな」
ユ「ははっ、やっとわかったか。いやー、俺、実は悪いやつじゃないんだよな〜」
「ちょっと今の話し方のせいで、少し悪いやつかもしれないと思った」
ユ「あっ、悪い」
まぁ、あの話し方はわざとだ
キクチじゃないんだから、俺はそんな調子に乗らない
ユ「じゃあ、お前は俺が悪いやつだとは考えないんだな」
「うん。悪いやつなら、あの時俺を見殺しにしてただろ」
ユ「そうか」
俺はあるものを用意した
ユ「悪者だと思わなくなった記念として、あるものをあげるよ」
「これは…」
あるもの…それは、カレーだ
なんかキャンプとかでカレー食べるのうまいよな
ユ「腹減ってる?」
「うん」
うなずいた
というかちょっとお腹なったのが聞こえた
ユ「じゃあ、十分くらい待ってろ」
「わかった」
これは子供がでも食べれるアン○ンマンカレーだ
テ『ちゃんと規制しておきましたから』
ユ『おっ、ありがと』
そして、十分待った
ユ「よそうから、皿くれ」
皿をもらってご飯を乗っけて、カレーも乗っけた
「これは…」
ユ「これは、カレーだ」
「...」
疑っているな
まぁ、色はあんまり美味しそうに見えないからな
だって茶色だもん
ユ「カレーはうまいぞ」
前の世界の学校では一番人気の学食だったもんな
ほぼクラスの皆が頼むっていう
まぁ、毎日学食がかわってたからカレーを頼めるのは月に一回だったけどな
ユ(毎回誰が片付けるかじゃんけんしてたなぁ…俺弁当勢だったから見てただけだが)
というかじゃんけん参加した時点で俺が負けることは確定してるし
ユ「この前キクチに大量の香辛料入れたら、避けられたな…」
「いつも過ごしてる皆とは仲が良いんだな」
おかわりと言っているようにお皿を差し出してきたと同時に話しかけてきた
ユ「キクチだけ違うかもなぁ…煽ってくるし。ムカつくし」
カレーをよそいながら返答した
「そんな嫌なのか?」
ユ「いや別に。腹立つ奴ではあるが別に嫌いではない」
ただしゲームのガチャ運を見せびらかしてくる時は別とする
ユ「はよ食べろ」
食べることを伝えてから
この男の子はすぐに食べ終わった
ユ「そういや、聞いてなかったが。名前は?」
タ「俺の名前はタルクって言うんだ」
普通に教えてくれた
ユ「お前、絶対、悪とかが嫌いなタイプだろ」
タ「ああ、大嫌いだ」
正義の塊だな
ユ「だから、お前は悪役ポジに居る俺のことが嫌いだったんだな」
タ「そうだな」
そういうことだったんだな
まぁ、予想はついてたが
ユ「お前はもう俺にいじめをしないということか?」
タ「いじめではない!悪いやつを退治してたのだ!」
なんとも子供っぽい理由だな
俺も子供っぽいけど、なんとなくその言葉に対して腹が立ってきた
ユ「…それが誰にでも通じると思うなよ」
タ「…は、はい…」
少々圧をかけるように話したら
完全に怯えちゃった
ユ「そういやさ、ちょっと気になったんだが」
タ「なんだ?」
ユ「皆の中では俺はどういう奴になってんの?」
気になったので聞いてみた
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 タルクから
タ「魚は10匹釣れた」
ユ「凄いな」(←0匹)