第百九十話 お掃除タイム
古「ちょっと頼みたいことがある」
ユ「ん?」
願い事か
なんだろう
古「ちょっと体洗ってくれないか?」
ユ「えっ…」
ちょっとあまりのことに俺はちょっとびっくりしてしまった
そして、足りない頭の中でどういうことなのかを推測した
ユ「…もしかして風呂一人で入れない!?」
古「そんなわけ無いだろ!」
流石に千歳ほどの爺でも風呂に一人で入れるようだ
今は、子供の姿だが
ユ「なんでだ?」
古「いつもこの姿で体を洗っているが、たまには大きい状態で洗いたい」
確かに、いつも小さい状態で入ってもらってるもんな
ユ「風呂が小さいということか」
古「そうだな」
まぁ、やろうと思えばめっちゃ大きくできるけども
それはそれで温泉って感じがしないので、小さいままで俺は満足だ
一応、魔王軍幹部男性陣と俺らと犬一匹が皆入ってもまだ全然余裕があるくらいの大きさあるけどな
炎龍には小さくなってもらってるけども
ユ「お前、相当デカかったんだな」
古「一番俺を見てるはずのお前がなぜわからん」
ユ「知らね」
古龍の背中掃除か、でかくて面倒そうだが
意外とできそう
ユ「でも、ちょっと掃除が得意そうな人たちを呼んできていい?」
古「いいよー。だけど、なるべく早めで」
ユ「はいはい」
注文の多い奴め
「注文の多い古龍」っていう本売れるかな?
テ『絶対に売れないのでやめてください』
ユ「あっ、はい」
でも意外とこっちの世界では存在しないものだから意外と売れるかもしれない
と考えちょっと楽しみになってきたが
本を書くのはめんどくさいのでやらない
ラノベとか読んでるのは好きなんだがな
ユ「さて、スペシャリスト呼んできますか」
俺は掃除のスペシャリストだと思う人達を呼びに行った
青スラ「これの掃除ですか」
「大変そうですね」
プ「意外と暇つぶしになるかもしれませんよ」
今回呼んだのは、プラタナさんと執事と青スラさんの三人だ
まずメイドと聞いて古龍のことを知ってるのがプラタナさんのところとレミィさんのところしかなかった
レミィさんのところはどうせ忙しいだろうから(あと報告書も書いてもらってるし)
この三人にした
そして、今草原にいる
ユ「じゃあ、着替えるか」
プ「着替えがあるのですか?」
不思議な感じで、聞いてきた
ユ「掃除専用の服があるんだ。これをやると体を守れる」
プ「戦わないのに、守る必要はあるのですか?」
戦いしか頭の中にないのかな?
この人
ユ「今日使うのが、ちょっと強いだから」
プ「敵が強い?」
ユ「使う酸がちょっと強いんだよ!」
プ「わかりました」
やっと理解してくれた
やっぱり、こっちの世界には無いものを使うのはきついな
ユ「じゃあ、着替えたな」
「出来ました」
プ「出来ましたよ」
青スラ「私は必要ないですね」
青スラさん以外着替えた
青スラさんは自分が酸そのものみたいな人だから大丈夫なんだろうな
まぁ、俺も酸にちょっと触ったくらいで溶かされても治るけどな
そういえば、この前酸をちょっと触ったら解けた瞬間治るっていう無限ループが発生してたな
ユ『一応着替えてくれ。スライムっていう種族を隠してるから』
青スラ『わかりました』
違和感がないように着替えてもらった
古龍の種族は学園祭の時に皆にバレてるから大丈夫なんだよな
ユ「じゃあ、掃除始めるか!」
俺は掃除用の武器を持って始めることにした
プ「なんですか?それ」
ユ「モップっていう水を使って掃除するもの」
この前カルピスをこぼしたときの格好になって
古龍の体を洗うことにした
ユ「まず背中だな」
草原ででかい岩があるようにしか見えんな
だとしたらめっちゃ苔付いてるけど
ユ「鱗一個一個あらわないとな」
皆モップを持って洗っていて
俺は雑巾を持って、鱗一枚一枚丁寧に洗っていった
青スラ「…反射してて眩しいですね」
ユ「ん?」
丁寧に洗った結果、めちゃくちゃ反射して見えにくい
ユ「やっぱ、やめようかな?」
古「でも、気持ちいいからやって〜」
本当に気持ちよさそうに言っている
ユ「はいはい、じゃあ磨いてるよ」
青スラさんは指からこっそりと汚れを食べていて
プラタナさんは魔法で掃除
執事は超高速で磨いている(モップで)
ユ「速いな〜」
執事の方を見ながら磨いていたら
パキッ!
古「ん?」
ユ「へ?」
なんか取れた
ユ「えっ!?何これ!?」
古「あー、また取れたか」
急に何かが壊れたような音が下からびっくりしたが
古龍は結構普通そうにしているからいつものことなのだろうか
ユ「もしかして、これってお前が学園祭で言ってたやつか?」
古「そうだよ。それが、冒険者がよく求めてる龍の鱗だ」
体を全く動かさずに返事をする
ユ「肌荒れ?」
古「違う!」
鱗って肌みたいなものじゃないの?
あっ、てことは...
ユ「あっ、そっか。肌じゃなくて鱗だから鱗荒れ?」
古「だから違うって言ってるでしょ!」
えっ、そういうことじゃなくて?
プ「龍はある時期になると、鱗が生え変わるんですよ」
ユ「へぇー、人の肌と同じ感じか。古いやつが剥がれていくって言う、あれと同じか」
人も、古くなった肌はどんどん剥がれていって、新しいのに変わるからな
ユ「これを使ってなんかできるかな?」
プ「冒険者だったら防具、武器などに使いますね」
確かにラノベとかでも良く龍の素材は高く売れると聞くもんな
普通飼ってないからだろうな。龍を
ユ「冒険者だったらってことは、プラタナさんは何なの?」
プ「私は本を書いてそれを売っています」
ユ「そう言えば、そんな話した気がするな」
なんか前話した気がするがよく覚えてない
ユ「これ、何に使おう…」
青スラ「売ったら確実にめんどくさくなるのでそれだけはやめたほうが良いと思います」
ユ「だな」
ということで貯金することにした
ユ「貯鱗だな」
青スラ「はいはい。掃除しますよ」
優しく言っていた
怒るときもこれくらいが良いのに…
ユ「もうすぐ、全部の鱗が掃除し終わるな」
古「ありがと〜。気持ちよかったよ」
青スラ「私達はもう終わりましたので。あとはユートさんだけです!」
俺は古龍の背中の上に居たので
青スラさんは声を大きくして、言ってきた
ユ「はい、これで終わりだ」
古「ありがと〜」
そのままきれいになってちょっと遊びに行くと言って、飛んでいってしまった
戻ってきたら、ちょっと血だらけになっていたので
青スラさんから説教を食らっていた
女の子を泣かせたときに比べ結構易しめであった。どっちかというと心配しているようだ
ちなみに、飛んでいたら他のドラゴンに攻撃されたからやり返したとのこと
シ「そういや、ユート」
ユ「ん?」
青スラさんが古龍にガミガミ叱ってるところを眺めている間にシューゴが話しかけてきた
シ「今日、二月十三日だけど?」
ユ「それが?」
俺は何を言っているのかわからないような返事をした
シ「明日のことだよ」
ユ「明日、月曜日だよ」
曜日のことについて言ってみた
シ「…」
シューゴは後ろに氷柱を沢山用意している
明らかにあれは俺に刺すようである
ユ「わ、わかったわかった!」
ふざけるのはここまでにしよう
ユ「もちろんわかってるよ。もう対策したから」
シ「対策って…」
何か諦めたような顔をしている
シ「あとそれを言うなら準備だろ」
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 執事から
執事「龍の背中の掃除ってはじめてでした」
ユ「そりゃあ、経験あったらびっくりするよ」