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第十七話 食器とは

ユ「ふぁ〜...」


情けないあくびを出しながら、自分の部屋のベッドで寝ようとしていた


シ「おい、ご飯だぞ」

ユ「?。もうできたのか?」


気絶していたのか、一瞬寝ていたことに気づかなかった


ユ「じゃあ、食べるか」


朦朧とする頭を持ち上げながらゆっくりと起き上がってだるそうにしながら歩き始めた


ユ(やっぱ寝てたのか...中途半端に寝たせいか少し頭痛がする...うーん...痛い)


ちょっとふらふらな状態で歩いていた


シ「早く来い、みんな待ってるぞ」

ユ「まじか、それはわるいな」


その言葉を聞いてから少し早めに移動した


カ「ユートおはよ〜」

ユ「時間帯的に考えたらもう夜だろ」


そして、俺が椅子に座ってみんなで手を合わせて言った


「いただきます!」

青スラ「できましたね〜」

リ「うん!」


なんか嬉しそうに二人が話している


リ「さっきいただきます教えてもらった!」

ユ「おー、いいじゃん」


おそらく話してる相手的に教えたのは青スラさんだろうな

俺たちも箸を持ってご飯を食べ始めた


リ「美味しい!」


椅子に座って美味しそうに食べてはいるけど

食べ始めてから、問題に気づいた


ユ「リーファ...お前、もしかして食器使ったことない?」

リ「食器?」


俺が発した単語に対して首を傾げて目がキョロキョロと動く

どうやら食器というものすら知らないようだ


カ「それはやばいね〜ユート教えちゃいなよ!」

ユ「俺指名かよ、まぁいいけど...素手でご飯を食べるのは色々と不衛生だしな」


それに教えないとこれから色々と苦労しそうだし

まずは手元にある子供にも簡単に扱えそうなナイフとフォークを持って使い方を見せた


ユ「まずはフォークだけで行こう」


まずは右手にフォークを持って見せた


ユ「こうだ。鉛筆を持つ感じだよ」

リ「鉛筆って何?」


ゴンッ!


周りには鈍い音が響いた

俺からしたら骨が響くような音がした


シ「どうした?頭をテーブルに擦り付けて。服従の姿勢か?」

ユ「誰がお前なんかにするかよ」


頭を持ち上げてから即座に否定した


ユ「いや、鉛筆を知らないとは思わなかったな〜」


軽く頭を掻いた


ユ「えーっと...フォークはこの太い親指っていうのと、その隣の人差し指と中指で持って食べるんだよ。こうだこう」


口で説明しながら実践している

相手にわかるように説明するために言葉を選ばなきゃいけないのがここまで大変だとは思わなかった


ユ「これで、えーっと...このトマトとかを刺して食べるんだよ」


実際に目の前にあった小さい水々しいトマトを刺そうとしたけど

刺さらなかった


ユ「...こうやって」


もう一回試した見たが、また刺さらなかった


ユ「...こう」


自分から俺のフォークを避けるかのようにして鮮やかに離れて行った


ユ「...」


ガキンッ!


ア「わ、わっ!?」


フォークを勢いよく刺してトマトを捕まえようとしたけどそれでも滑ってしまい

あまりの勢いで皿が割れてしまった


ユ「えーっと、こんな感じだ」

シ「教育者失格だろこれ」

キ「子供ビビってるぞ〜」

ユ「うっせぇな!黙ってろよ。...わかりやすく教えるからさ!見てろよ!」


口をとんがらせながら今度はちゃんと優しく教えている


ユ「これで刺して食べるんだ。それで、肉とか大きいものはナイフできるんだ。こうやって」

カ「ごちそうさま〜」


すでにカンタが食べ終わって手を合わせていた

もうそんなに時間が経っていたのか


ユ「ナイフを使う時だけ、ナイフを右手で持って、フォークを左手で持って自分の口の中に入るサイズに合わせるんだよ」

リ「うーん...肉が切れない...」


黒板を引っ掻いたような音を鳴らしながら

肉の白い部分を切っていた


ユ「そこは筋だな...」


だから硬いんだろうな


ユ「確かに硬いけど、そんなにカチャカチャ鳴らすとダメって言われるからな」

リ「そうなの?硬いと困る...」

ユ「ああ...めんどくさいよな」


そのカチャカチャ音も聞いてて不快だから

あまり硬い肉には出会いたくない


ユ「まぁ、最終手段として魔法で切ればいいから」

シ「ダメだろ」


魔法で皿洗いをしていたシューゴが自分の発言に文句つけてきた


ユ「...なぁ、シューゴ」

シ「なんだ?」


だが、そんなこと言ってくるシューゴに対して今回は反論の余地があると思って

抗議用の看板を作って見せた


ユ「作法ってさ、気品とか相手に迷惑をかけないようにするためのものだったりするじゃん?」

シ「ああ...」

ユ「ずるいことはバレなければ気品が落ちたり迷惑かけたりしないから!」


その発言を、持ってる木の看板に書いて見せた


シ「証言取るぞ」

ユ「すんませんやめてくれ」


流石にそれは困るわ

絶対ネタにされそうだからやめておこう


ユ「まぁ、貴族とかそういう身分が高い感じの人たちはこういうのを簡単にこなしてるのすげぇよな」


まだ貴族というもには会っていないけども

漫画とかでの知識だったりヒラノから教わった西洋の歴史を振り返ってみると

ただの金で私腹を肥やすのようなやつだけではないんだなって実感した


リ「切れた!」

ユ「ええやん。あとは切ったのを口に運んでそれを繰り返すだけだ」


プルプルと震える肉を恐る恐る口へと運んでいった


リ「あっ!」


運んでいる途中にフォークの差し込みが浅かったのか

肉が落ちてしまった


ユ「危ねっ...」


急遽魔法でその落とした肉を地面につく前に拾うことができた


リ「ごめんなさい」

ユ「?」


突然自分に向かってきて謝ってきた

なんで?


リ「私が間違えたから...」

ユ「間違えた?どこがよ?」

リ「肉を落としちゃった」

ユ「ん?いいよ別にそんなこと」

リ「わ、わかった...」


なんかミスをしたと感じて俺に謝ってきたようだが

その思考に至った理由がなぜだか想像できなかった


ユ「なんで謝ったほうがいいって思ったんだ?」

リ「失敗したら怒られてたから...」

ユ「うーん...まぁ、だろうな。内容によるけど」


俺だってよく先生とかから怒られてたし


ユ「前になんかあったんか?」

リ「...親に怒られただけ」

ユ「まだ生きていた時か。まぁ、自分のことを虐げた親なんて構う必要ないと思うけどな」


少なくとも自分だったら無視する


ユ「失敗なんて気にすんなよ、ここにすぐ切れる奴なんていないしさ」

リ「えっ...」


リーファが俺に向かって信じられないような目をしているな


シ「短期代表が何を...」

ユ「んだと!」

シ「ほら」

ユ「...」


その通り過ぎてぐうの音も出なかった

出るとすれば、自分の腹の音くらいだった


シ「腹の虫がぐぅーって鳴いてるぞ」

ユ「...俺も食うわ」


まだご飯を食べていなかった


ユ「いただきます」


さっきやったけども、もう一度だ

今度は食べるからな


------------------------

数日後


リ「ご馳走様!」


美味しそうに食べてから元気よく手を合わせながら言った


シ「もうちゃんと食べれそうだな」


もうすでにフォークをナイフの扱いになれたようだ

始めはかなり苦戦していたようだが、もう余裕そうだ


リ「できるの楽しい!」


シューゴやキクチがしてくる性格の悪そうなニヤついたような笑顔と違って

輝くような満面の笑みだった


ユ「じゃあ、次は箸かな」

リ「えっ...」


なんか絶望の表情でこっちを見てきた

読んでくださりありがとうございます

もし誤字、質問、変なとこなどがありましたら教えてください


この話へ一言 リーファから

リ「当分フォークとナイフでいいかも...」

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