第百八十六話 イベント発生の予感
ユ「はい、これで。俺の鑑定必要なくなったろ」
ト「!?ありがとうございます!」
俺はトレニアに鑑定を簡単にできる虫眼鏡をあげた
この前作ったという名目でな
もちろんこれは俺がスキルで作ったので、魔石なんて全く使ってない
ユ「これで俺はいらないな」
ト「…今までありがとうございました!」
ユ「死なないよ?」
今の話し方はなんか俺がこれから死ぬみたいな言い方なんだが?
ユ「じゃあ、俺は戻るわ」
そう言って俺は部屋から出て、学校からも出た
ユ「よっしゃぁーーー!自由の身だぁぁぁぁーー!」
テ『そんな嫌だったんですか?』
ユ『きつかった。流石にあの雰囲気にずっと耐えるのもきついし、しかも永遠と鑑定させられて、質問させられて…普通に俺人形だった』
トレニアさんの恐ろしい一面を知ったわ
ずっとあれやってると精神死ぬ
ユ「だけど、終わったから気が楽だ」
そう言えば、俺
あれ一ヶ月くらいあれやってたんだな
ユ「あと二ヶ月で二年生だわ」
精神的に死ぬような学校の放課後を過ごして
もう一ヶ月か
ユ(時、経つの早すぎない?)
二年生か
どんな一年が来るんだろう
と想像を膨らませていた
ユ(今年もダンジョンのボスだということは隠さないとな)
秘密を隠しているのはちょっと気が引けるが
皆と過ごせなくなるのはやだからな
ユ「その前に春休みだな」
また休みが近いことに俺はちょっとうれしくなった
一ヶ月もあれだったから、ちょっとした休暇と考えるか
--------------------------
王子「レミィさん家に遊びに行くんだが何か提案はないか?」
ユ「よし!任せろ!」
錬金術をやってるよりもこっちのほうが楽しいからな
テ『好きじゃないことは、とことんやりたくないんですね』
ユ『うん。好きなことをやってたいしな』
錬金術自体は楽しそうだけど
あの鑑定だけがいやだった
でも気分転換するか
ユ「王子、レミィさんの家と聞いたが本当か?」
王子「本当だが、なぜ聞いた?」
ユ「いや、お前のお父さんが許したのかと思って」
というかよくよく思ったがこいつが子供の現国王って結構爺だよな?
高齢出産だったのだろうか
王子「ああ、許してくれたよ」
ちょっと疲れたような顔をしているから絶対めっちゃ苦労したんだろうなぁ
王子「息子の成長は儂もみる!みたいなことを言い出して…」
ユ「…頑張ったな」
肩を叩いて同情した
めっちゃ苦労したんだろうなぁ、まじで
わからないけど、なんか苦労したっていうなんかオーラが出てる
ユ「俺も頑張ってアイデアをひねり出すよ」
また、あの部屋に行こうとしたけど
今はトレニアが居るから行けないので
王子の部屋に行った
ユ「ここが、王子の部屋か」
王子「確か、初めてだったね」
いや普通に一回振られたときに来たことあります
後花置いていったし
そう言えば、俺の渡した花ちゃんと植えてあった
ユ「それにしても、お家イベントかぁ…」
王子「いべ?」
ユ「あっ、気にしないで」
ちょっとラブコメ脳が働いた
ユ「家の定番だったら…」
1.遊ぶ・話す・勉強
2.二人きりになる
3.なんかハプニング(主にラッキースケベ)が起こる
4.結果的に仲良くなる
5.大体ここらで漫画が終わる
ユ(とかだが…)
俺は王子の方を見ながら考えた
ユ(絶対こいつらハプニングになる前に解決するよな。あのメイドは説得するとして)
そもそも、この子供たちが将来有望すぎて、ハプニングが起きる気配がない
どうしよう…
ユ「よし、決めた。王子!」
俺は王子の手をがっしり掴んで言った
ユ「今回も本気で手伝ってやる!」
王子「ありがとう!」
もちろん王子は俺が色々とやっていることは知らないので
王子の認識での本気というのは、めっちゃアドバイスをくれる程度でしかない
ユ「ちょっと黒板に書くわ」
王子「わかった」
この部屋にあった黒板を取り出して
俺は黒板に基本的な流れを書いた
上に書いてあるのは漫画ではなので、こっちでは全く違うのが起こると思われるのでそのまま書いてない
ユ「その一、まずお前らなら遊ぶだろ」
王子「うん!遊ぶ!」
遊ぶらしいな
ユ「その後は?」
王子「お茶でもしようかと」
お茶かぁ…
貴族の嗜みはわからん
ユ「他に?」
王子「…特にない」
ユ「えっ?無いの?」
聞き返したら縦にうなずかれたので
もう無いんだと思う
ユ「勉強教えてもらうとか?」
王子「俺とレミィさんとユート達は皆、百点だよ?」
そ、そう言えばそうだった
この学校でもテストというものが存在しているのだが
座学は小1、2年位のレベルだから俺らからしたら超余裕であった
そして、実技もあるんだがこれは言わなくてもわかると思う
学校の実技のスペースを破壊したの本当にすみません
と拝みながら考えてた
ユ「じゃあ、どうするか」
婚約したいと言った時と同じようになんか渡すか
何か二人が楽しめそうなことをやるか
…何か面白いことが起きそうなことをやるかだな
最後のはニヤニヤしながら考えていた
それを見て王子はちょっと引き気味だった
ユ「ちょっと遊び道具とかだすからちょっとまって」
王子「わかった」
アイテムバックにある俺の遊び道具を出した
・将棋
・トランプ
・マイク
・カラオケボックス
・輪投げ
などなど
めっちゃ出てくる
俺、意外と遊んでたんだな
ユ「この中から選んで見る?」
王子「では、これはなんだ?」
マイクを手にとった
こっちの世界には無いものだから興味を持ったのか
ユ「これは歌うための道具」
王子「これを使って歌うのか?」
ユ「そうだよ」
カラオケ無理やり連れて行かれて、点数が六十点台だったなぁ…
ちなみにこれは歌詞をちゃんと全部歌えて、この点数である
ユ「俺は歌うのが好きだけど、歌えないから」
王子「これをレミィさんに歌ってもらうのも良いな…」
それは良いかもしれん
ユ「王子もなんか歌ったらどうだ?」
王子「…俺は歌うのが下手だからやめとくよ」
ユ「そう?じゃあ、一回歌ってみたら?聞いてみたい」
ちょっとした好奇心で聞いてみたいと思った
ので頼んだ
王子「え、ちょっとやりたくない…」
ユ「…そうか、じゃあ歌ってくれたら最強の助っ人を呼んでくる。それならいい?」
王子「わかった!」
それなら良いのかよ
思ったけど、こいつ結構ぞっこんだよな
ユ「じゃあ、歌ってくれ。俺の作った、この画面に歌詞が出てくるから。後点数も」
王子「わかった」
数分後
ユ「百点じゃねーか!」
なんとカラオケの点数が百点だったのだ
ユ「羨ましい。この完璧め」
王子「俺、将来の夢、国王やめて歌姫。いや、歌王子にしそうかな」
ユ「何だよそれ!」
ハリセンでぶっ叩いた
叩いたところを痛そうにするけど、大丈夫そうだな
ユ「今まで自分がツッコまれる側だったから違和感があるな」
テ『慣れないことはしないほうが良いですね』
ユ『だな』
そして、作戦会議をもう一回始める
王子「それで、最強の助っ人とは誰なんだ?」
ユ「ああ、ちょっと呼んでくる」
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 トレニアから
ト「この虫眼鏡便利ですね」