第百八十話 ダンジョンの説明
テ『まず、あなた達のダンジョンは地下に作ってあります。これはデフォルトの状態です』
ユ『普通の状態ってことか』
初めてこっちの世界に来たときも
ダンジョンが近にあったもんな
テ『これを変えることができます』
ユ『どんな感じに?』
言われてもよくわからん
テ『簡単に言いますと。あなた達の世界のゲームにもあったダンジョンを思い浮かべてみてください』
ユ『ダンジョン…』
前の世界…
ゲーム…
ユ『すまん!ちょっとやってるゲームが特殊すぎてわからん』
テ『どんなゲームをしてたんですか?』
結構呆れ気味じゃねぇか
だけど、正直に答えた
ユ『リズムゲー、バトルロワイヤルゲーム、音ゲー、植物でゾンビを倒すゲーム…』
あまり戦略を使うようなゲームはやったことがない
だって頭使うから
テ『…変な人ですね』
ユ『正直な人だな』
テ『ありがとうございます』
褒めてるわけじゃないんだがな
ユ『でも、考えてみるとダンジョンって地下とか空中とか禍々しいところとかにあるな』
テ『そうです。それです』
これ出会ってるのか
というかちょっと俺が知ってなさそうで不安そうじゃねぇか
ユ『とりあえず、それが何なの?』
テ『毎回行こうとするときに、罠などがありますよね』
ユ『ああ…あるね』
とりあえず適当にうなずいた
テ『全くやってないのがバレバレですね』
ユ『良いだろ別に。それで?』
テ『さっき言ったように、罠があるので。それを自分達のダンジョンの周りに張ればいいじゃないですか』
罠自体はダンジョンの中にもうあるんだが
外にも?
ユ『でも、さっき提案したような罠だとだめだよな』
テ『それはそうですよ。ですが、それはユートさんが作った場合ですよね』
ユ『うん』
もちろん
作れるのは俺以外居ないと思ってる
キクチとシューゴもできそうだけど
テ『それをユートさんが作るのでは無く、ダンジョンとして作れば良いんですよ』
ユ『というと?』
テ『貴方がダンジョンの一部として、外にも罠をはればいいのです。それなら違和感がありませんよね』
ユ『ああ、確かに』
それなら違和感がないし
俺たちだけ引っかからないように作ることができる
ユ『それなら解決だけど…変えるのは困ったときでいいか』
テ『なんでです?』
ユ『もし、変な罠つけて家になんかの罠が侵入してきたら困る』
テ『そうですか。でも、いつでも変えることができますよ。ダンジョンの中を変えたのと同じように』
ユ『へぇー、わかった』
とりあえず、今は辞めることにした
めんどいし
ユ『というか寄ってこなくなることだけを考えてて、他の理由なかったな。罠置く理由』
テ『だから置かないのですか』
ユ『そうだな』
いつでも変えれるのなら
変えないという選択を取る
通常が一番だからだ
ユ『気分転換程度には良いかもな』
テ『気分転換の域が異常ですけどね』
だが、変える気はない
ユ『でも、落とし穴くらいは敷いておくか。引っかかったら王都に転移ってことで』
それくらいならそんなに変化ないから良いか
ユ『ついでにキクチだけ引っかかるようにしようかな?』
テ『なんの恨みがあるんですか』
ユ『いや特にない。嫌がらせ』
テ『そうですか』
やめた
やったらなんか言われそう
ユ「ちょっと今日のことは覚えておくか、ダンジョンは中だけでなく外もいつでも改造ができるって言うことを」
覚えておくことにした
わすれそうだけど
次の日
ユ「冒険者ギルドにもう一回来て、なんか渡されたんだが。これはなんだ?」
スズ「これは、貴方が昨日行ったところの村からのものです」
なんかアダマンタイトウルフの死体をもらった
ユ「俺が居なかったときには来なかったのに、なんで次の日に来たんだ?」
スズ「わかりません。でも、一応ユートさんが作った柵のおかげで魔物から守れたと言っているので、どうぞ」
魔物の死体を指差して言ってきたけど
正直いらない
ユ「お、おう。じゃあ、これを売るってことで」
スズ「わかりました。では、これがお金です」
お金をもらった後、今日も依頼をこなすことにした
テ『そう言えば…ランクの高い魔物は自分より強いと思う相手にはあまり挑まなかった気がしますね…』
ユ『ん?なんて?』
テ『いえ、何でもありません。難聴系主人公』
ユ『俺耳悪くないよ?』
何故か急に悪口を言われた
なんで?
ユ『依頼…明日から学校だから今日最後だな』
テ『実際はもう歳的には高校生ですけどね』
ユ『そう言えば誕生日しなかったな』
こっちに来たのが中学二年でもう一年経ったから
今は中学三年の冬休み
ユ『もう受験シーズンか』
テ『受験はもう去年しましたけどね』
ユ『こっちの学校に入るためにな』
もう一年前か
ちょっとお金置きすぎたことを今後悔してるけど
別に生活に困ってないから、良いか
ユ「薬草採取…今度は違う薬草だな」
ということでまた山程だして出禁を食らった
出禁というか受けてはいけないって言われた
ユ「帰るか」
王都でりんごを買って
あるきながら帰った
そしたら、なぜかいろんな人が王都の門に向かって走っていった
どんどん俺を追い越していっている
ユ「絶対、なんかの魔物出たな」
予測だけど絶対そうだと思う
と思ったら警報が聞こえてきた
ユ(そういや、あれも魔石を使った魔道具なのか)
前は何も思わなかったが、今は何でできているのかまでわかっているな
ユ「俺も変わったなぁ…」
「警報!警報!王都の南の門の前に巨大な魔物が来ました。一般市民は王都の下の洞窟で避難してください!」
おお、ちゃんとシューゴの作ったのが使われてるみたいだな
「そして!冒険者Bランク以上は門へ集合してください!」
ユ(ん?)
あー、なるほど
行くのか
ユ「でも、今日はなんかめんどいから戦いには参加しなくていいか。居るだけで」
Bランクなので俺も行くことになり
めんどくさがりながらも、俺は王都の南の門へと向かった
ユ「うーん。なんだろう、あれ」
魔物を眺めながらなんだろうかと推測した
ユ「金属でできた亀?」
受「あれはボムタートルです!直接触ると爆発します!」
いつもの受付の人が大声で呼びかけている
鉄と思ったのは爆弾だったみたいだな
なんか黒い丸がたくさんくっついてるようにしか見えんしな
ユ「…触ったら自爆するんじゃないか?」
テ『いえ、あれは体の一部のみ爆発させます』
なんと器用な
ユ「というか爆発したのが引火しないのか」
テ『だからどんだけ殴っても爆発に耐えれれば平気ということです』
ユ『なるほど』
テ『えっ?もしかして本気にしました?流石に爆発を耐えながら攻撃するような人は居ないですよ』
テキストさんがなんか言っている気がしたが
ちょっとボーっとしていたのでよく聞こえなかった
ユ(倒すのめんどいなぁ…)
受「Sランクの魔物です!一般市民に被害が出る前に倒しましょう!」
そろそろ声枯れるだろ
ユ(そっか、倒さなかったら被害出るのか)
りんごを食べ終わった
ユ(あっ、無くなっちゃった)
人が集まってきて
どんどん戦いに行っている
ユ「皆離れたところから弓とか魔法を撃って戦ってるな」
受「爆発を喰らいたくないですからね」
俺以外みんな戦いに行って王都の門の前には俺と受付の人しか居ない
ユ「戦いに行ったほうがいい?」
受「できれば行ってほしいです」
ユ「周りに被害が出ても良い?」
受「やっぱりやめてください」
多分威力調整とかできると思うが
今はめんどくさい
そもそも弱めても、皆が爆発に巻き込まれる気がする
ユ(あっ、防御魔法かければいいか)
そう思ってから
すぐに戦いに行くことにした
受付の人がちょっと不安そうである
ユ(まだ、被害が出ると考えてるのか?)
まぁ、出ないから安心してほしいけど
俺は上着のポケットに手を突っ込みながら魔法を複数放った
ユ「“防御魔法”“圧力魔法”“防御結界”“距離圧縮結界”」
受「ま、魔法をいい気に四つ!?」
驚いている
意外とこの反応は久しぶりな気がする
ユ(というか四つ一気にやるのは普通じゃないのか。あと俺のは魔法じゃないからかな?)
魔法というより魔法によってできるものそのものを作ってるから
厳密には魔法じゃないって言ってたな
ユ(だからこの前の魔法を封じる結界が効かなかったんだろうな)
とか考えていると
距離圧縮結界と圧力魔法でほぼ動かなくなったせいで冒険者達が攻めに行ってしまった
ユ(あっ、自分から死にに行ってる)
流石にそれはやばいので魔法で止めることにした
というか爆発することはわかってんのに、なんで攻めに行った?
ユ「“麻痺”“転移”」
冒険者たちが死ぬのを止めるため
麻痺を放った
そして、転移魔法で亀の上に飛んだ
ユ「魔法とかめんどくさいから、すぐに倒す。“圧力魔法”」
圧力魔法で空中に足場を作り
その圧力を蹴りその反動で俺は亀に向かって突撃しに行った
ものすごい勢いで辺りに居た冒険者は風圧に寄って吹き飛ばされた
なぜ俺はこういうことをしているのかというと
ユ(一発でぶん殴れば爆発の威力と回数は少なくなるんじゃね?攻撃するところが少なくなるから爆発するはずのところが少なくなるはずだし)
こう思ったので俺は行動に移したのだが
突撃するコンマ数秒前にテキストさんがあることを言ってきた
テ『攻撃したら一部が爆発するだけなので、一気にやったら余計に危なくないですか?』
ユ『…えっ?』
やらかした気がする
そんな感じがしたので俺は深呼吸をしようとした
だけど、そんな時間は残ってないので俺は拳を前に出してそのまま亀に直撃した
ドォーーーーン!
大爆発が発生した
そして、ついでに大きな地震とともに地割れが発生した
地割れによって地面に少しだけ亀裂が出来たが誰も落ちなかったようだ
危ない人は居たけど
ユ「いってぇ」
死んだ亀の方を見ると痛そうにして頭を掻いているユートが中から出てきているという光景が皆の目に映った
「すげぇ!何だあいつ!」
「Bランクなのか!?」
起き上がったのを見ると歓声がたくさん聞こえてきた
ユ『良かったぁ…化け物だと思われなくて』
テ『多分思われてますよ』
でも強さを認めてくれるのは嬉しい
ユ「受付の人ー!これどうすればいい?」
爆発に耐えてちょっとだけ残ったっ部分を指差した
受「私達が解体しておきまーす!」
ユ「よろしくー!」
大声でやり取りをして
明日俺はあれを解体して得られたものを貰いに行くことになった
ユ「じゃあー!俺は、眠いから帰るー!」
受「わかりましたー!」
良いんだ
普通に断られると思ってたけど
ユ「“転移”」
寝るわ
そのまま、ベッドに頭を突っ込み寝た
次の日それのせいでちょっとベッドが粉々になっていたのであった
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 ユートから
ユ「この世界爆発多くない?」
作者『気にするな』