第百四十九話 自分の幸せ
ユ「ふぁ〜」
「何めんどくさそうとしてんだ!」
あくびしたら怒られてしまったな
ちょっと起きたばっかだし
いいじゃんよ〜
というかめんどくさそうにしてるんだ、って理由は一つしか無いよな
めんどくさいからだよ
ユ「それで、文句は?」
「文句を言う前提かよ!」
怒鳴られたな
てことは違う?
「まぁ、そうなんだけどさ」
そうなんかよ
ユ「はい。文句どうぞ」
その子供は、自分の親のことをちょっと肘で突っついた
それがサインだったのか、急に話しだした
「くだらない!なぜこんな面白くもないものを作ろうと思った!」
ユ「だから面白いじゃなくて、怖がらせてんだよ」
とさっきも言ったことをもう一回言った
めんどくさいと感じながら
あることが気になった
ユ『もしかして、こっちでお化け屋敷っていう文化なかった?』
突っ立ったまま聞いてみた
テ『無いですね』
じゃあ、最初っから却下しろよって思ったが
あの最初っから却下されたものと違ってちゃんと伝わるものだから大丈夫だ
ユ「一応人気ですよ。外のあれは見えないのですか?」
俺は外にあるめっちゃ長い行列を指差した
あれが目に入ってないんだったら相当節穴だぞ
それを言ったら振り返ってくれたが、言うことは変わらなかった
ユ「本当に何しに来た」
「正直に言うとお前を邪魔しに来た」
正直過ぎるな
流石にはっきり言われると傷つ…かねぇな
回ってないんだからな
ユ「それで邪魔して、何?」
「なぜお前が王子様とかレミィ様とかと仲良くしてんだよ!」
様?
レミィさん人気あるとは聞いてたがまさか様がついてるとは思わなかったな
今度、様をつけて話してみよう
まぁ、今はそんな話はしていない
ユ「別にいいじゃん。むしろだめな理由を言ってみろ」
「お前みたいな王子様を何回も殺し続けるクズ野郎は存在していけない!」
おー、どんどん出てくるな
ユ「あー、でも一応それについては王様に聞いたら許してくれたよ。怒られはしたけどもう何も言わないってことになった」
怒られるというより、殺されかけたがな
本当にあの親バカめ
子が好きなのは良いが、流石に殺すまではひどくないか?
...相手が王子だからこそ、殺すことが許されんのかな?
まぁ、いいや許されたし
「だが俺はお前を許さない!」
ユ「あそう」
別に許そうが許さなかろうが
本人が良いって言ってたし、しかも本人に一応やるか聞いたからな?
と腹を立てていた
流石にめんどくさくなってきたんでな
ユ「許さないなら許さなくていい」
めんどいからとっとと帰ろうとした
ユ「じゃあ、戻るね。仕事あるから」
と転移で帰ろうとして
後ろ振り向いた
その時
「逃げんのか!卑怯者!」
と子供が言ってきた
ユ(…キクチが言ってきたらムカつくけど、子供に言われても別になんとも思わないな。というか俺悪い事してないし)
無視して、飛ぼうとしたら
「おい、こんなやつの友達なんてたかが知れている。関わらないほうが良いぞ」
そうこいつの親が言っていた
ユ「…」
流石にこれは無視できない
ということで振り返った
ユ「俺のことはどうでも良いが。俺の友達を悪く言うのはやめてくれんか?」
と落ち着いた様子で、優しく言っても
「へん!お前の周りにいるクソみたいな奴らもお前と同じクズなんだよ!」
話し方を変えたせいか、調子に乗ってどんどん言ってきた
俺はそれに対して、言いたいことが出てきた
ユ「確かにキクチとかは煽ってくるムカつくやつだから、それはちょっと賛成かもしれんが…」
「が?」
俺が言葉を止めたら
それが気になったのか、ちょっと寄ってきた
ユ「俺の友達を悪く言って、俺が怒らないと思うなよ」
「!?」
二人は驚いていた
何に対してだろうかなー?
俺が感情そのままを表したからだろうか
「殺意」という感情をな
ユ「さっきから、俺がずっと我慢していたらどんどんと言ってくれたな」
「…」
俺が異常な殺気を発しながら話しているから
完全に黙ってしまった
というかちょっと震えている
ユ「正直、俺は何言われても慣れてるから大丈夫なんだがよ。俺の友達を悪く言うのは本当にムカつくんだよ」
まだ黙ったままだ
怖がって、子供の方は腰が抜けている
ユ「はぁー、キレそう」
「もうキレてるじゃないか!」
頭を掻きながらそう言ったら
適切なツッコミが来た
そうだよ、もうキレてんだよ
ユ「なんで俺がここまで怒ってるか、わかるか?」
恐ろしいものを見るような顔で
首を横にぶんぶん振っている
ユ「それはなぁ!友達ってのは俺の幸せそのもののような存在だからだよ!」
地面を強く踏み込んだらちょっと壊れた
ユ「今から、地獄を見せてやる“転移”」
転移で場所を移動した
周りを見たとしても真っ暗だ
「な、何をする!」
ユ「地獄を見せてやるんだよ“防音結界”“認識阻害”」
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「クソっ!」
男は地団駄を踏んで怒っていた
「なんでこんな事になったんだ!」
俺はやつが嫌いだった
王子を殺しかけ、皆に嫌われようが幸せにしているからだ
「ど、どこにいる!」
やつの姿が見えない
この暗いところに来てからだ
「見えない…」
お父さんと一緒にいるが、やつは強い
だから勝てる気がしない
だが、俺のやることはやつが目の前に来たときにぶった斬るだけだ!
と剣を構えていたがなかなか来なかった
ユ「“真空け…”」
なにか声が聞こえた気がした
途中で途切れている
その瞬間
「がっ…」
声が…でない
しかも息ができない
まさか、空気を消したというのか!?
俺はこのどこまでも暗い場所から逃げようとしたが
明るくなることはなかった
だんだん目の前が真っ暗になっていき
そして、最後に目に写ったものは青色の何かだった
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ユ「真空結界を作って息をさせなくしたけど、流石に殺したくないからここで終わらすか」
俺は結界で、真空を作り
息ができないという生物からしたら地獄のような空間を作った
まぁ、これは魔法使いには使えないんだがな
あいつら酸素作れるし
こいつは剣を取り出していたから、おそらく魔法はあんま使えないという判断だったが
ここの世界は確か努力さえすれば、何でもできるはずだから
場合によっては使えたからこの判断は危なかったな
まぁ、負けなかったと思うが
ユ「倒したから、保健室に運びたいと思うが…」
俺は親を保健室に飛ばした
その後、こいつの服の胸を掴んだ
ユ「もう俺の友達をバカにすんじゃないぞ。したら次は本物の地獄に行ってもらう」
聞こえていないだろうけど、忠告だけをしてから
一発ぶん殴って
保健室に飛ばした
殴った時、顔に青い痣が出来てたけどいいか
治るだろうし
仕返しはそれにしておこう
ユ「戻るか“転移”」
子供の姿だとしても、力の強さは変わらないから
結構手加減する必要があったせいで
ちょっとまだムカつくな
ユ「あとで岩でも破壊してくるか」
その日はもう特に何もなく平和に終わった
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 テキストから
テ『何回も殺し続けるっていうことはユートさんとシューゴさんにしか出来ないですね』
ユ『まぁ、死ぬ前に回復させるか回復アイテムを飲ませればできると思うがな』