第十三話 館内探索
俺たちは館の門の前にいる
何も特殊な力はかかっておらず
普通に手で開けられそうだ
キィィィィィィ
門を開けた
門がきしみながら黒板を引っ掻いたような音を発しているのが気味が悪い
中にいるスライムにびびって俺はすぐに塩を投げた
ユ「うわっ!目に入った!あぁぁぁぁ!しょっぺ!」
シ「騒がしい奴だな...”浄化”」
俺が騒いでいる間、シューゴは浄化魔法を作って速攻で浄化した
浄化をすると、紫からいろいろな色へと変化していった
これがもとの姿か
見たところゾンビ化されてるだけで、浄化すればもとに戻るんだな
死んではいないらしい
ユ「な、なぁ?」
シ「なんだ?」
鷲掴みしている腕を引っ張りながら聞いた
ユ「館全体を浄化できる?」
シ「できそうだ」
青スラ「えっ?」
シューゴは特大の浄化魔法を用意して、館全体にかけるための魔法陣を空にやった
それはどちらも館と同じくらいの大きさだった
いや、少し大きかった
青スラ「……」
ユ「なんかだめか?」
青スラ「いえ、こんな大きさの浄化魔法を一人でやるなんて今まで見たことありませんから」
スライムさんは、開いた口がふさがっていない
というかおかしいってどういうことだ
ユ「通常は何人でやるんだ?」
青スラ「私達スライムだけだと約百匹いればできますけど、使った後はおそらく...皆動けませんから」
ユ「そんなにすごいのか」
シューゴが全く疲れていないように見えるから
俺たちの能力がどれだけチートかがわかる
ユ(これが異世界系のよくあるチート能力のやつか...)
俺とシューゴはよく異世界系の漫画も見ていたため
少し知識があった
ユ「人間だとどれくらい人が必要だ?」
青スラ「わかりませんけど、この館だと十人くらいまぁまぁすごい人がいればできると思います。使ったら動けないでしょうけど」
ユ「強い魔法を使うと動けなくなるのか」
まぁ、そんなことはいいか
紫スラたちが浄化されて皆館から出てきた
ドアとか窓とか煙突とかから
青スラさんは出てきたスライムたちに話している
俺たちには聞き取れない
シ「なんて言ってるんですか?」
青スラ「まだ、中に数匹いるって言ってます」
まだ中にいるのかぁ...
ちょっとどころじゃなくて、すごい行きたくない
青スラ「浄化したけどまたゾンビ化された者たちらしいです」
キ「てことはそのゾンビスライムたちは結構敵に近いんじゃね?」
ユ「そうなるな。これ以上浄化の意味が無いから行くか」
シ「わかった」
キ「おー」
青スラ「わかりました」
俺たちは館の中に入った
中は意外ときれいだった
まるで誰かが住んでいるかのように
ちょっと暗いな
ポンッ
俺は簡単な懐中電灯を人数分作った
あとろうそくを一本
シ「なんでろうそく?」
ユ「こっちのほうが雰囲気出ると思って」
肝試し的な
シ「ちゃっかり楽しんでない?」
ユ「怖いのは変わりないけど、もうやけくそになった」
シ「あそ」
館内はかなり広く、ここで大人数でパーティをしても全く問題なさそうなくらい広い
ユ「手分けしたほうが良さそうだ」
キ「二人組みだろうか」
シ「浄化魔法を使える俺とユートは別行動な」
ユ「えっ?俺使ったことないけど」
シ「今見たからどうせ作れるだろ」
ユ「あそう...」
また使ったことないのに無茶振りをされてしまったな
青スラ「じゃあ、私ユートさんと行かせてください」
シューゴは何かを考えているようだ
少し考えたあとシューゴは言った
シ「….いいですよ」
青スラ「ありがとうございます」
ユ「じゃあ、俺と青スラさん。シューゴとキクチで分かれるか」
シ「三十分後にここの玄関に集合な」
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ユ「二階建てか、意外と小さいな」
青スラ「そんな事無いですよ。多分あなた達の家が大きすぎるんです」
ユ「確かに。地下十階まであるもんな」
俺たちは二階を探索している
シューゴたちは一階を見ている
何かあるだろうか
ユ「おっ、書斎だ」
青スラ「どんな本があるでしょうか」
中に入るとそこには大量の本があった
五メートルにものぼる大きさの本棚が大量にある。しかも二階まで
この館こんなにデカかったかな?
ユ「アイテムバック作るか」
青スラ「作る?」
ユ「ああ、俺いろいろなものがつくれるんだ」
青スラ「へぇー。そうなのですか。確かに、先程この蝋燭も作っておりましたね」
ユ「容量無限、質量の大きさ限界無し」
ぽんっ!
俺はポシェットを作った
肩からさげている
まさかこんなに小さいものに大量に入っているとは思わないだろう
ユ「じゃあ、ここの本全部いただきますか」
青スラ「えっ!?」
持って帰ったらシューゴ喜びそう
青スラ「全部、入ってしまいました…」
ユ「大丈夫か?」
またさっきシューゴが浄化魔法を放ったときと同じような状態になっていた
青スラ「それ性能おかしくありませんか?」
ユ「そうなのか?」
基準を知らないから
聞き返すしかやることがなかった
青スラ「普通はそんなに入りません。だいたい容量として本が千冊入れば金貨一枚くらいの価値があるのに」
ユ「売ってみようかな」
青スラ「おそらく...経済が崩壊するのでやめてください」
即答だ。本当にだめなのか
ちょっと青スラさんが呆れている
ユ「この中にある本たちは実験ついでに全部浄化しておくか。なんか呪いとかかかってたら困るし」
青スラ「すべての本のおばけの浄化まで….」
ユ「次行こうぜ」
青スラ「…私、もうあなたがやることには驚きませんから」
そして、全ての本は綺麗になった
読んでくださりありがとうございます
もし誤字、質問、変なとこがあったら教えて下さい
この話への一言 キクチから
キ「ユート...ここをお化け屋敷かと勘違いしてない?」
ユ「してないよ!」




