第百三十三話 親ばかな最強の護衛
ユ「…」
シ「最強の護衛さん。何してるの?」
ユ「見守ってる」
シ「俺も巻き込まないでくれないかな?」
今は王都の中にいる
そして、初めてのお使いを見守っている!
リ「これ買ってきてー、ってカンタお兄ちゃんに言われた」
フィ「買おう」
一応フィルに変装してもらっているから
吸血鬼だとバレることはないだろう
シ「というか、お前が作り出せばよかったんじゃね?」
ユ「あとあと考えたら確かにそうだなって思った」
シ「馬鹿なだけだった」
ユ「まぁ、こっちのものを買うのも良いかもな」
今はどっかの恋を見守るような感じで
初めてのお使いを見守っている
ユ「道のりよし、悪者退治七名、傷はなし、仲間からの報告では『異常無し』」
シ「地図を渡している、被害者七名、最上級ポーションを四桁渡す、転んでも即回復、偵察仲間あと二人から『まだ悪そうなやつが居ない』」
なんか言ったことに対して色々と言い換えられてんだが
確かにそうだがな
シ「過保護だな」
ユ「そんなに?」
シ「普通はこんなにしないぞ」
ユ「でも心配なんだよ」
シューゴがため息をつきながら
なんか変なものを見る目で俺を見ていた
シ「でも結局何も無いじゃん?」
ユ「…」
シ「心配しなくていいと思うよ」
とやめることを勧めていたが
やめる気はない
シ「帰りたいんだが」
本音が聞こえた
ユ「帰れば良いんじゃない?」
シ「お前が何をやらかすかわからん」
ユ「…」
やらかすことを前提に話されてもなぁ
と考えていたら
何か手の甲に液体が降ってきた
ユ「雨か…」
シ「俺らは傘無くても大丈夫だが、あの二人はどうするんだ?」
とシューゴに魔法で雨から守ってもらい
二人を見ていたら
二人はどうやら雨宿りをしているらしい
ちょっと悲しそうな顔をしている
ユ「なんて会話してんだろう“サードイヤ”」
今度は目じゃなくて耳だ
これで聞こえるはず
もちろん透明化させてからだが
ユ「よし、聞こえる」
二人の会話をじっくり聞いた
リ「雨降ってきたね〜」
フィ「うん」
雨が降ってきたことに関して離していた
ずっと上を向いている
リ「カエルさん居るね」
フィ「うん。オジャマタクシの親」
リ「オジャマタクシ?」
フィ「うん。カエルの子供」
何か惜しいことで間違えている
ユ『おたまじゃくしだよー!!』
シ「…」
と小声で言ったところで声は届かない
ちょっとシューゴもそれを言いたそうにしていた
口がモゴモゴしてた
ユ「あとで生物の勉強かな?」
シ「理科はお前かヒラノかカンタが良いんじゃない?」
ユ「動物の模型を作るから俺がやるよ」
と俺はやる気満々で答えた
シ(もし勉強をするなら、なんで間違えたか聞かれるんじゃないか?)
シューゴは何か聞かれたくはないものを考えていた
シ(そもそも、このお守りのようなストーカーっぷりも異常だけどね)
何かディスられた気がする
それとこれはストーカーではない(はず)
リ『雨やまないね』
フィ『…早く帰りたい』
早く帰りたいらしく
ちょっと泣きそうになってる
ユ『…シューゴ、ちょっとここに居てくんない?』
シ『あ、ああいいけど。何すんだ?』
ユ『泣かせないようにする』
シ『?』
何をするかわかっていないようだ
でも待ってはくれるようなので
俺は移動した
シ「あいつ、何しに行ったんだろう」
何をしに行ったかちょっとだけ興味があり、少し考えたが
すぐにシューゴは二人を見た
シ「ちゃんと見てなかったらユートに何言われるかわからん」
ただ単に恐怖心で動いていた
シ(めんどいなぁ...王都治安良いのに)
恐怖心というより、めんどくさいという気持ちのほうが大きいみたいだ
シ「ん?」
シューゴはあることに気がついた
シ「あいつ…やりやがった」
シューゴはそのあることに対して目線が釘付けになっていた
そして、数秒後ユートが帰ってきた
ユ「ただいま」
シ「やったな?お前」
ユ「うん、やった」
シューゴは上に指を差して
呆れながら言った
シ「流石に天候を変えるのは頭おかしいぞ」
空が晴れてきたのだ
それは急にだ
もちろん原因はユートである
ユ「上で時限爆弾を置いてきた」
シ「よく浮く爆弾を作れたな」
もはや爆弾を作って、天候を変えたことより
浮くことのできる爆弾に対して興味があるようだ
だけどその前になんか対応慣れ過ぎじゃありませんかね?
ユ「でも、これでまた進めるようになったろ?」
シ「そうだけど。あまり気候を変えると世界がバグるぞ?」
世界を変えるかもしれないことをしてしまったのに
そんなに怒っている気配がない
ユ「まぁ、気をつけるよ」
適当に返事してから
またかんs…ゔ、ゔん
見守りたいと思う
テ『本格的に危ない感じになっていますね』
ユ『だけど、危ないことはしていない』
ただ、見守ってるだけだ
シ「真面目に言ってるのがこわいな」
なんかまた変なものを見る目で見てきている
何回目なのかわからない変なものを見る目を無視して
焦点をあの二人に向けた
そしたら、何か黒い服を着ていた人たちに絡まれていた
ユ「あいつらは!?」
シ「黒いスーツ、サングラス、額に傷、入れ墨、タバコ…ヤクザ?しかも四人組」
ユ「ヤクザって存在するのか?」
単純な疑問が出てきた
というか今までのラノベでは
ヤクザとかはあんま出てきてない気がする
シ「いや、しないと思う。だから、あれはこっちの世界に転移した勇者じゃないか?」
ユ「だからあの仲間みたいな人たちもスーツなのか」
というか似合い過ぎだと思う
男と女二人ずつのチームだけど
なんかすっごい似合ってる
多分転移してきたのは、あの真ん中の男
タバコを吸ってる男だ
あれは…なんか、慣れてるって感じがする
ちょっとでかい態度的な感じではあるが
女の方は、ちょっと恥ずかしそうにしてる感じもある
ユ「一応、あの二人に色々な魔法をかけてあるから、大丈夫だとは思うが」
シ「勇者だとどうだろうな?」
わざわざ、不安を煽るようなことをしてくる
悪魔かこいつ
ユ「とりあえず、見てみよう」
俺たちはまだ遠くから見るだけで
何もしないことにした
もし何かあった場合飛ばせばいいか
リ「おじさんたち誰?」
「おじ…」
何かピクッってなってた
もしかして怒らせた?
俺は転移魔法を放つ準備をした
ユ「場所は、天空でいいか」
シ「飛ばす気満々じゃん」
そのまま会話が続いた
フィ「リーファ、おじさんって言ったことちゃんと謝らないと怒られるよ」
リ「あっ、ごめんなさい!」
深々とお辞儀をして謝った
「ほぉ、ごめんなさい、か」
超ひっくい声で
そういって
リーファはちょっと気押されている
「…飴いるか?」
リ「えっ?」
突然丸い飴を出してきた
袋に包まれており、りんご味って書かれてる
ユ「この世界に飴が存在するのか?」
シ「お前が広めたいんじゃないの?」
ユ「流石に飴の作り方は….知ってるわ。だけど、広めてないよ」
確かに広めていない
だけど、飴の作り方の情報源はおそらく他の勇者達からだろう
ユ「飴って歯にくっつくからやなんだよね」
シ「言ってる場合か」
突っ込まれるくらいの余裕はあるけどな
リ「あ、ありがとう!」
「ほらよ」
ぽいっと飴を投げて渡した
渡した時、ヤクザの人は顔がニッコリと笑っていた
似合わねぇな
だけどいい笑顔だった
悪いやつではなさそう
ユ「人は見た目で判断しちゃだめってことだな」
シ「お前の格好も大概だけどな」
まぁ、この格好だったらな
でも目立つのは俺ら六人皆そうだと思う
あっちの世界の当たり前はこっちでは異常なのだからな
ユ「あの勇者悪いやつじゃなかったな」
シ「ああ」
そのまま買い物を終えて
何があったかを話してくれた
知ってるけど
カ「なんでヤクザが居んのー?」
ユ「いや、さっき勇者だからっていう理由が出てんじゃん」
カ「あそっかー」
こいつ聞いてなかったな
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 リーファから
リ「なんで、おたまじゃくし間違えたこと知ってるの?」
ユ「...天才だからかな?」
シ「それはない」
カ「ねーな」
キ「絶対違う」