第百二十六話 次の依頼
ユ「そういや、シューゴが奴隷紋を破壊してくれたぞ」
イ「ありがとうございます!」
お腹に奴隷紋が無くて困惑しているので
昨日やったことをイリヤに説明したら
予想通り、土下座をした
ユ「これで、奴隷から開放された。自由だぞ」
イ「はい!」
イリヤはずっと止まっている
ユ「故郷とかに帰ったりしないのか?」
イ「自由に生きるということになったのならば、ここに居させてください!」
ユ「そうか。良いのか?」
イ「楽しいので!」
ユ「なるほど」
今までに無いくらいの明るい声で
返してくれた
ユ「いつもより元気だな」
イ「はい!奴隷になると、少し感情が抑えられちゃうんですよ。あと奴隷的思考が抜けなくなります」
シ「だけど、イリヤ感情結構出てた気がするけど?」
イ「おそらくあれは、感情が強すぎたんでしょうね」
ユ「すご」
奴隷紋が消えてよかったぁ
俺がこの前破壊しようとしても
なぜか破壊できなかったからな
魔術ってすごいんだな
俺も漢字覚えよう
ユ「さーて、ちょっと外走ってくる」
今日はもうやることがないので
趣味で走ってこようと思う
シ「行ってらっしゃい」
イ「私も行っていいでしょうか?」
ユ「おー」
俺は感心した
イリヤの意志が聞けたことにな
ユ「おっけ、でも俺は水色の上着を着てるから、疲れないと思うよ」
イ「その上着…私にもくれませんか?」
ユ「ああ、いいよ。イリヤが奴隷紋から開放されてから初めて希望を言った記念だ」
イ「あ、ありがとうございます!」
めっちゃ嬉しそう
ユ「色は、何がいい?」
イ「水色が良いです」
ユ「わかった」
希望通り、水色の上着を作った
イ「こ、これは!」
ユ「水玉模様にした。俺の水色のやつと同じ効果が乗ってるよ。(回復速度一万倍)」
イ「ありがとうございます!」
なんかめっちゃ感謝されるな
イ「大切にします!盗まれないようにもします!」
ユ「それが盗まれる?ははっ!無いな!」
あまりにも変なことを言ったので
笑ってしまった
イ「なんでですか?こんな貴重な物、狙われるに決まってるじゃないですか」
焦った状態で、言われた
自分で撃退できないと思っているのだろうか
ユ「いや、それになお前以外の人が持つと重さが百トン以上になるように設定した。まぁ、俺は百トン以上持てるんだがな」
他に持つことが可能なのは
アユムがそれを持つことのできるキャラに変身するか
シューゴが重さを極限まで軽くするかのどっちかしか無いと思うけど
イ「盗まれるならその重さを超えなければいけないということですか」
ユ「そうだ。あと、ほしい時に持ち主のところに戻ってくる仕様もかけたから。あっ、フードを被っても認識阻害は発動しないよ。代わりに…」
イ「!?猫耳がフードについています!」
ユ「そうだ」
フードにちょうどイリヤの猫耳が入るくらいの猫耳仕様をつけた
それを聞いたイリヤは嬉しそうに飛び跳ねる
ユ「じゃあ、走るか」
イ「はい!」
一緒に走ることになって
意外とイリヤが早かった
だが流石に速さを手加減しなかったら、普通においていってしまう
ユ「疲れないから良いだろ、これ」
イ「そうですね。しかもこれで体力がどんどん増えるというのはすごいですね」
ユ「辛くないのに、体力が増える楽すぎる」
イ「努力してる気になりませんね」
ユ「走ってはいるけど、すぐに治っちゃううから実際は結構努力してんだけどね」
会話しながら、新幹線並の速さで走り続けていた
ユ「ちょっと力も強くなってきたし」
イ「毎日あの重りをつけていたら、当たり前ですね」
毎日千トンを抱えてるからな
ユ「重りを外すと、すっごい速さで飛んでいきそう」
イ「まだ外してなかったんですね」
ユ「はずしたら制御不能とかになりそうだな」
イ「そうですね」
走っている時風が顔に当たり気持ちが良かった
ちなみに風圧は感じないように、上着に魔法をかけたあるから
風圧で死にかけることはない
ユ「はぁー、楽しかった!」
イ「ですね」
俺たちはダンジョンの中で、寝っ転がっている
別に疲れたわけではないのに、精神的になにか疲れを感じた
多分、脳が走ったから疲れてるはずって考えたのだろう
ユ「さて、どうすっか。依頼を受けそうかな?」
今日もシューゴと女性陣以外は依頼をこなしていっている
ユ「少し、依頼をやるかぁ」
シ「ユートが行くんだったら俺も行くよ」
リ「私も!」
フィ「フィルも」
イ「私も行きたいです!」
青スラ以外くるらしい
ユ「青スラさんは?」
青スラ「ご飯を作って待ってますね」
シ「わかった“転移”」
皆で転移して、冒険者ギルドに行った
ユ「依頼は…何にしよう」
・ゴブリン退治
・薬草採取
の二つしか無い
ほかは終わってしまったのだろう
ユ「というかどう言うことだよ。『薬草採取の依頼はユートさんのみ受けられません』って」
シ「この前のが原因だろうよ」
ユ「なんかボス的な立場だから、自分から魔物を攻めるのは気が引けるし」
シ「狩りをしてるから、何を今更?」
テ『あと別に魔物を倒してもいいですからね』
急にテキストさんが話してきた
テ『ユートさんたちは一応人なので、魔物を倒すのはごく普通なのですよ、ただ立場が裏ボスってだけなので』
ユ『じゃあ、倒してもいいってことか』
テ『はい、いいんですよ』
横から悪魔の囁きみたいな感じで
テキストさんに説明されるけど
ユ『まぁ、今は良いや。気分じゃないし』
テ『そうですか。とりあえず、魔物を倒すことができる。ということだけ伝えておきますね』
ユ『わかった』
それだけを伝えて会話は止まった
ユ「どうしよう」
依頼がないことに気がついて
どうしようかと思っていたら
テ(口に出てますよね?)
受付の人がある
ところの掲示板に
依頼を貼った
ユ「あれは?」
シ「あれは確か、どんなランクでも受けることのできる依頼だった気がする」
ユ「ってことは、俺も受けれるかな?」
シ「さぁ?」
とりあえず、その今貼られた依頼を見てみた
イ「店の護衛ですか」
シ「なんか説明が付いてるな」
ユ「『私の家は宿屋を経営しています。最近よく、悪い大人の人たちが私達の宿屋を荒らしに来ます。なので護衛を雇わせてください。宿屋の息子より』」
荒らすって…そんなガキ見たいことするやつおりゅ?
いや、居たわ
なんか自分の持ってる権力を使って、二人を借りようとしたやつが
俺は前回ぶっ飛ばしたやつを思い出しながらリーファ達の方を見た
リ「報酬が宿のご飯だって!」
フィ「食べたい」
ユ「シューゴ、これでいいか?」
シ「いいよ別に」
イ「じゃあ、決定ですね!」
依頼を受けて
その宿屋とやらに行った
そこの宿屋は普通の宿屋で人が結構出入りしている
俺たちはドアを通って、入って受付らしきところに来た
ユ「あのー、この依頼を受けに来たんですけど」
「はい!」
ある小さい茶髪の男の子がでてきた
小さいと言っても小四くらいだろうな
シ「ここの宿であってるか?」
「あってます!」
ユ「じゃあ、仕事の内容を説明してくれるかな?」
「はーい!」
元気のいい声で、返事をしてくれた
そして、説明をした
「おそらく、紙に書いてあることを読んだと思いますけど、最近よくご飯などにたいして、文句を言う冒険者が居るんです。出禁などにしたいのですけど、実力者なので、力では対抗できいなくて対処に困っています」
ユ「お前何歳だ?」
「九歳です」
明らかに九歳とは思えない話し方だった
俺なんて、敬語ほとんど使わんぞ
子供相手に優しく話すときはやると思うけど
ユ「なるほど。とりあえず、ボコせば良いんだな。そいつを」
「はい」
シ「わかった。だけど、その前に…」
シューゴは後ろにいるリーファとイリヤを指差した
シ「この二人に報酬の宿屋のご飯を食べさしてくれないか?」
二人はちょっとよだれがたれている
「良いですよ!僕の宿のご飯は一番ですから!」
ユ「それは楽しみだ」
ご飯を食べる食堂のスペースに案内されて
ご飯をだしてくれた
きのこのシチューとパンだ
それをリーファとイリヤはばくばくと食べている
ユ「うまいか?」
リ「うん!」
イ「はい!」
目を光らせながら言っている
ユ「なぁ、えっと…」
「僕のことはルークと呼んでください」
ユ「わかった。ルーク、おかわりってあるか?」
と聞くと
ちょっと申し訳無さそうにした
ル「…すみません、ありません。これから来る冒険者さんたちに使う材料が足りなくなると思います」
ユ「そうか。材料があれば良いんだな?」
ル「はい」
と返事をくれたので
とりあえず、やることが決まった
ユ「足りない材料って何?」
ル「きのこだけです」
きのこか作ればいいか
バックの中に入ってたようにして
ユ「なんのだ?」
ル「ゲンキダケです」
食べると気分が良くなったりするみたいだ
ユ(名前そのまんまだな)
その後本で見してもらってから
作った
ル「くれるんですか!?」
ユ「そうだよ。代わりに美味しく作ってくれ」
ル「はい!わかりました!作るのは僕ではありませんけど!」
あっ、そう
ちょっとガクってなってしまった
そして、調理現場に向かって行ってのを見て
俺は席に戻った
リ「お兄ちゃん!ご飯もらっていい?」
ユ「ああ、いいよ。あとでおかわりが来るから、俺はそれをもらうよ」
シ「良いお兄ちゃんしてるのあわないな」
ユ「黙ってろ。俺はご飯が来るまで、りんごとかを作って我慢するから」
シ「頑張れ」
シューゴの口の周りには
ちょっとシチューのひげができていた
ユ「おっ!来た」
ルークがシチューとパンを運んで
やってきた
ユ「いただきまー」
「おいこらぁ!」
何か大きな声が聞こえてきた
ユ「全く。ご飯を食べるときは邪魔しないでほしいな」
ご飯を食べるのをじゃまされたので、苛立ちながら叫んだ人の元に行った
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 イリヤから
イ「普通は奴隷紋なんて破壊できないのに...やっぱりおかしいんですね」