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第百二十五話 ダンジョン内での出来事

ユ「うーん、眠い」

リ「眠い」

フィ「眠い」

魔「眠い」


現在四人が全く同じことを言っている

これ自体は普通なはずだ

だけど今は、自分の部屋(生活部屋で)うつ伏せの俺が一番下になって

皆俺の上でうつ伏せになって乗っかっている


ユ「何で乗ってるの?特に魔王」

魔「姿が変わって、この子らよりも小さくなったから乗れるようになったのだ」


魔王は久しぶりに遊びに来たら

まさか俺の上に乗るなんて、どう想像できただろう

ちなみに魔王の姿は現在、フィルよりも小さくなっていて、髪がキクチやリーファと同じ紫色になっている


ユ「それにしてもそんなに重いとは感じないな。重りをつけて移動してるからだろうか?」

魔「いつも重りをつけていたのか、どれくらいだ?」

ユ「最近増やして今は大体全部で千トンくらい。最近ちょっと重いと感じる」

魔「頭おかしいな…」


呆れながらも

現在だいぶぐーたらしているので

反応が少し薄い


ユ「うーん、なんだろう。皆乗ってるはずなのに、乗ってる感触だけして、めっちゃ軽いんだが?」

リ「それは...重り…つけてるから…じゃないの?」

ユ「寝るなら寝たら?」

リ「そうする〜」


すっごいいつもと

比べてゆるい声が聞こえる

結構眠そう

第三サードアイで横から見てみたけど、すっごい顔がとろけてた


ユ「スライムかよ」

青スラ「呼びました?」

ユ「…居たのか」


四人の一番上に青スラさんが居たようだ

今は人の形だけではなく、丸くなっている


ユ「そういえば初めて、その形態見た気がする」

青スラ「そうですか?いつも家の掃除とかをする時にこれになってますけど。ああ、そのときは学校に行ってますね」


学校に行っている時に変わっていても第三サードアイをここにおいていかない限り見ることはない

だけど…掃除?

そういえば、このダンジョンの生活場所

汚れが無い気がする


ユ「もしかして、ここに汚れが無いのは青スラさんのおかげ?」

青スラ「今更気づいたんですか?」

ユ「ありがとうございます」


俺たちは誰ひとりとして、掃除をしていないと思う

まぁ、汚れないしな


ユ「どうやって掃除してんだ?」

青スラ「それは、私が体で吸収して居ます」

ユ「ん?」


何を言っているのかが

わかっているがわからなかったので

聞き返した


テ『矛盾じゃないですか』

ユ『でもそんな感じだったんだよ』

テ『さすが語彙力なし』

ユ『お前実体があったら必ず一発殴らせろ』


拳を握って、怒りをあらわにした


テ『普通それで素直に許可しますか?』

ユ『しないな』


俺はため息をして

最近のテキストさんの話し方にちょっと疲れが出てきた

というかあたりが強い


ユ「そういえば、なんかやることが残ってた気がするなぁ〜」

シ「それは、お前の上に居る黒猫のイリヤにじゃないか?というかお前らなしてんの?」


横からシューゴの声が聞こえた

疑問を投げられたので、もちろん答えた


ユ「寝てたら、乗っかかれた」

シ「だから寝てんのか」


第三サードアイで見るともう気持ちよさそうに皆寝ていた

お互いがお互いを温めて、ちょうどいい温度になっているのだろう

そして、イリヤも乗っていた。黒い猫の姿になって


ユ「それで、イリヤになんの用が?」

シ「国王から聞いただろ。イリヤの奴隷紋についてだ」

ユ「そういやそんなのあったな」


忘れてたわ

ちょっとあのときは良いものを見れたからな


シ「王都もあの城の中では獣人を受け入れてるらしいけど、街の中では違うらしい。捕まえては奴隷にする人しか居ないらしい。王は、奴隷制度を消そうとしてるけど、他の人が賛成しないらしい。主に貴族な。でも、人の奴隷制度はないらしいよ」

ユ「最高権力者じゃないのかよ」

シ「日本みたいに、多数決で選んでんだよ」


王都に獣人は居ない

居るのは奴隷紋がついた飼い主の居るやつだけだ


ユ「それで、それを壊すことを探すのか?」

シ「そうだけど。ちょっと今、それを破壊できそうなものを見つけた」

ユ「おっ?」


ちょっと期待を寄せた


ユ「その方法とは?」

シ「この前授業で、魔術を学んだよな」

ユ「おん」

シ「それで漢字さえ書ければ、どんな魔法を発動できるなら、奴隷紋を破壊できる魔法があるのではと思って。作ってみた」


シューゴはある紙を取り出した

そこには『奴隷紋破壊』の五文字が書かれていた


ユ「おー、それをイリヤのお腹あたりにつけるのか?」

シ「そうだ」


シューゴはゆっくりイリヤに近づいていった

そして、手と届く距離についた時

うつ伏せの魔王の上で寝っ転がっているイリヤのお腹にある奴隷紋にに紙を貼った

そして、魔力を流したら

何か光りだした

横からしか見ることができなかったけど、眩しい…


ユ「うっ…」

シ「うわっ」


思わず目をつぶってしまい

直視ができない…

光が収まってから、イリヤのお腹あたりを見てみると


ユ「奴隷紋が消えてる…」

シ「消せないんじゃなかったっけ?」

ユ「まだこの世界にはその漢字が存在しなかったんじゃない?」

シ「なるほど。学校で漢字も読めるやつが少なかったもんな」


納得してくれた


ユ「というかよくあんな難しい漢字が書けたよな」

シ「ああ、あれはカンタのスマホを借りた」

ユ「今後スマホで漢字を検索することになりそうだな」


カンタに迷惑になりそうだけどな


ユ「ん?」

シ「侵入者か」

ユ「侵入者って言うより、冒険者のほうが正しいと思うけど」

シ「行こう」

ユ「おう。あっ、これつけて」

シ「なんだこれ?」


俺は仮面をシューゴに渡した


ユ「これなら、顔をさらさなくてもいいでしょ?」


正直名案だと思う


シ「記憶を消してるから良いんじゃない?」

ユ「…確かに」


論破された瞬間だった

なので、そっと仮面を返してもらい

そのまま向かった

そして、倒した


ユ「リーファ達、そのままベッドで寝かせたけど大丈夫かなぁ?」

シ「何が?ベッドの性能はめっちゃ良いだろ?」

ユ「いや、臭いとか言われたらちょっと傷つくなって思って」

シ「お前は親か?」

ユ「あながち間違いではない」

シ「まぁ、たしかに」


拾っている立場だから間違いではない

実際皆の認識では親認定されてるけどな

リーファいわく俺たちは友達みたいだが


ユ「皆なんの依頼しに行ってんだろう」


ちょっと気になったので聞いた


シ「確か…キクチは依頼をどんどんこなしていって、今は冒険者のランクがBになってるらしい。一気に出世したから、女の人達に言い寄られるだとか」

ユ「ははっ、お前と仲間じゃん!」

シ「だな。同じ被害者が増えて嬉しいよ」


共感者がいるだけで嬉しいのはわかる

その証拠にシューゴの顔が結構ニヤニヤしている

ちょっと見てみたいな

キクチが女の人に言い寄られてるの


シ「それで確か、カンタはスマホを使った荷物運び」

ユ「運び屋か」

シ「ちょっとは言い方考えろ」


カンタ以外もその依頼ができると思うが

アイテムバック渡したから

まぁ、皆は多分得意分野をやってるのだろう


シ「アユムは自分のスキルを使って、薬草を取りに行っているらしい」

ユ「あの依頼復活したんだ」

シ「したよ。誰かが山みたいに持っていったから、一度なくなったけど」

ユ「良いだろ。多いんだから。しかも金貨ももらったし」


ちょっと言い返してみた


シ「他の人が薬草を取りに行っても意味がなくなってしまうだろ」

ユ「あっ、そうか。じゃあ、もうあんなことやんねぇわ」


納得させられてしまったな


シ「元からやるな」

ユ「はいはい」


適当に返事を返して、続きを聞いた


シ「ヒラノはCランクになって、たまにパーティからお誘いが来るらしい。大人っぽくて、本読んでるから知識がある、しかもスキルが皆を守るものだからパーティの人たちからはすごい人気らしい」

ユ「へぇー、学校の俺とは違うな」


石を投げられたりしてないからな

ヒラノに石があたったとしても痛くは無いだろうけど


ユ「俺も冒険者のランクがんばってあげようかなぁ?」

シ「俺らだけEランクだもんな。貴族とかからの指名依頼がめんどいっていう理由で、あと強くなると緊急依頼だとか、めんどいのが増えるからな」

ユ「だからずっと薬草採取とかしてるんだが。元は収入のためだし」

シ「あと散財で経済を回すため」


お金は冒険者が落としてくれるけど

いつか仕組みに気づくだろうからな


ユ「当分は、糖分を利用した料理のレシピを売ったから収入がなくても大丈夫だと思うな」

シ「だな」


ちょっと冷たい目を感じるなぁ

なんでだろうなぁ〜


リ「う、うーん、おはよう」

ユ「っ!?おはよう」


ちょっと後ろから急に声をかけられえ

体を震わせてしまった

それを見たシューゴはプルプル震えていた


ユ「おい笑うな」

シ「はは、いやだって、面白かったんだから」


おい、笑いが漏れてるぞ


ユ「そういや、もうすぐ三時だな」

シ「そうなのか?」


俺は時計を指差しながら

シューゴに見せたら納得してくれた


ユ「リーファ、おやつ食うか?」

リ「食べる!」

シ「三時におやつって、ユートはデブの思考をしてるな」

ユ「俺は太ってないからな」


デブデブ言われるけど

実際俺は太ってない…はず


ユ「じゃあ、“クッキー”“カルピス”」


甘い飲み物とクッキー

サンタとかには良く牛乳をセットにして渡してたな

懐かしい

俺は指の先からカルピスをだして、ティーポットから注いでる風にしてみた


ユ「ほらよ」

リ「わーい」


まだ他の皆は起きていない

と思ったら、カルピスを出してる指からなんか温かい感触が


ユ「ちょ!何してんの!?」


見てみたらフィルが指を食べていた


フィ「おひひい」

ユ「食べん食べんな!」


振り払おうと、腕をぶん回すが

吸血鬼だからか、噛む力が強くて

なかなか取れない


バキッ!


ユ「ん?」


何かが壊れたような

関節を外したときの音がした

何があったのかちょっと想像がつき

俺は恐る恐る、フィルの方に顔を向けた


ユ「あー!指がぁー!」


指がフィルに食べられていたのだ


ユ「早く吐いて!その指汚いから!」

シ「自分の傷の方は何も言わないんだな」

リ「痛くないのかな?」


後ろから変な目で見られるのと心配する目で見られる

二種類の目を感じた

ちなみに指はもう生えてきている


ユ「それを食べるとクールー病になるから!!」

シ「そうなの?今まで動物の血とかを飲んでた吸血鬼が?」


というシューゴの冷静な一言を聞いて

ちょっと考えることにした

そして


ユ「…大丈夫かもしれん。いいよ、食べても」


許可した


シ「良くないだろ」


いや普通はそうだけど

フィルは吸血鬼だからなぁ…

なんとも言えん


ユ「だけど、もう食べないでくれよ」

フィ「…はい」


ちょっと悲しそうにしている

流石にこれを食わせていて

他の人を襲ったりしたらヤバい

しかも太陽平気だしフィルは


ユ「よし、食うか」

フィ「ケホッ!!」


ご飯を食べようとしたら

急に咳をした


ユ「大丈夫か!?」


吹き出したカルピスと血がフィルの顔にくっついている

髪とか、おでことか、ほっぺとか

幸い目には入っていない


ユ「わっ!やべぇ。ちゃんと拭かないと」

フィ「…ごめん」


謝っているけど

俺は無言でフィルを拭き続けた

最後は


ユ「ベタベタするから風呂入ってこい」

フィ「わかった」


風呂に入れることを勧めたがシューゴがなんか言ってきた


シ「吸血鬼って流水だめなんじゃなかったのか?」

フィ「だめだよ。だけど、お風呂は大丈夫」


それを聞いてシューゴは悩んだ様子だ


シ「何が基準なんだろう」


シューゴは一人で考えていた


リ「もしフィルがお風呂入るんだったら、私も入る!」

ユ「おっ、入りたい?」

リ「うん!」


入りたいらしいので

風呂に送っていった


ユ「よし、後片付けをすっか」

シ「魔法ですぐ終わるだろ“洗浄”」

ユ「あっ!」


風呂に送ってからすぐに消されてしまった


ユ「掃除する気満々だったのに」

シ「それは、お前の格好を見ればわかる」


ゴム手袋にマスク、モップ、バケツ、洗剤、ゴムエプロン

明らかに掃除だけが目的じゃなさそうなやつが居た


シ「まぁ、お疲れさん」

ユ「...お前みたいなやつはキクチだけで十分だ」


ため息をつきながら

俺は服を着替えた

ちなみにエプロンの下に上着を着ていたから

ゴムエプロンなどを脱ぐだけで終わった


ユ「はぁ」


------------------------------


青スラ「あの人達、男じゃないですね」

イ「ですね」


お風呂に向かわせて

着替えた後に

ベッドでイリヤと青スラが起きていた

そして、第一声が二人へのディスりである


青スラ「さすが性欲数値ゼロとマイナス五十」

イ「異常ですね」


またディスりが始まった

と思ったら


ユ「おいこら誰が異常だこら」


振り返ると、そこにはユートとシューゴがいた

いや、立っていた


ユ「誰が異常だ」

イ(怒らせてしまいました)


怒らせたことで

バツを食らうから、それの準備と謝罪をしようとしたら


青スラ「二人共です」

イ(!?)


青スラが正直に言った

それの二人の反応は


シ「流石に正直過ぎないか?」

ユ「まぁまぁ、俺たちは元から異常だし」

シ「確かにこっちの世界から来た時にもう異常だったか」

イ(怒ってないみたいです。良かったぁ)


安心して、イリヤは息を吐いていた

そして、二人は離れていった


----------------------------


ユ「元の世界でも俺たち異常だからな」

シ「でも俺はこっちの世界に来てからだから、元から異常のユートとは同じにしないでほしい」

ユ「あ?ちょっと体育館裏来い」

シ「だから古いって」


ユートがシューゴと肩を組んでいる

それを見ていたイリヤは


イ「楽しそう」


と小さくつぶやくのであった

もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください


この話へ一言 青スラから


青スラ「あれは、ある意味紳士とも言いますけどね」

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