第百二十一話 ギルマスの呼び出し
俺たちはドアの前に立っていて
ドアを開けた
そして、少しの沈黙があってから言葉を発した
ユ「邪魔するでー」
ヒ「邪魔するなら帰ってー」
ユ「あいよー」
と言って俺はドアを閉じた
「どんだけ来たくないんだ!」
俺たちは今どっかで見たことのある漫才を
この冒険者ギルドの
ギルドマスターの部屋の前でやった
正直、なんかやばいやつがいた
主に顔が
今まで、いろんなやつをボコしてきたが
あの人はヤバい
むしろ悪役だろ
ユ「まさか、ヒラノが乗ってくれるとは」
ヒ「聞いたことあるから乗ってみたかった」
ユ「いいね」
俺は親指を立てた
あとさっき見たら
身長が二メートル位ありそうな
ガチムチのおっさんがいた
筋肉多かったなぁ
そういえば入れ墨があったなぁ
あいつがここのギルドマスターか…
悪役だって名乗ったほうが似合うのでは?
「入ってこいや」
ア「ちょっと怖いけど入ってみよう。ね?」
ちょっと怖いけど
入ってみた
ちょっと怖いけど(大事なことなので二回言った)
ユ「おじゃましまーす」
ドアを開けて入った
そして、やっぱりでかい人が居た
なんかすっごい態度でかそう
ユ「こえ~」
ア「人間かなこの人は?」
ユ「違うかもしれない」
「失礼だろ!」
怒鳴られた
流石に失礼だったな
ユ「なんで呼び出されたんだ?」
「お前たちの成績のことだ」
成績?
「試験の結果だ」
ユ「…悪すぎた?」
「逆だ。良すぎるんだよ」
よかったぁ
点数が悪すぎて、なんか説教でも食らうのかと思った
キ「なんで良すぎて、呼ばれたんだ?」
「それは…」
「私が説明します!」
大柄の男の後ろから、小さい女の子がでてきた
カ「小さいな」
ユ「うん」
小さくて、髪が赤色だ、赤色というか、動脈血の色だ。深紅と言えばいいか?
だけど先っぽらへんが白色になっている
ガキか?こいつ
でもガキにしては結構大人っぽい
凛々しいっていうのか?
「私はスズナ。ここのギルドマスターをしています」
ユ「へぇー、よろし…く…ん?ギルマス?」
シ「えっ、ってことはあなたがギルドマスターですか?」
ス「はい、そうです」
ユ「なんs、ごぶっ!」
近くにあった本を顔に投げつけられた
紙のせいで、切り傷などができたけど
すぐに治った
ア「ユ、ユート大丈夫?」
ユ「うん。まったく、なんで俺顔にいろいろな物を投げられるんだ?」
ス「それはお前が悪いからでしょ」
ちょっとさっきと雰囲気が変わったな
「おい、ギルマス。話がそれてるぞ」
よこからあの大男がツッコんだ
ス「ゔ、ゔん。そうだったな」
一度咳みたいのをして
また雰囲気を変えた
キ「それで試験の結果はどうだったんだ?」
ス「あまりにも荒唐無稽な内容だから、信用ができないんです」
カ「信用してくれよぉー」
おかしかったんだな
というかこんな事あるんだ
実力がありすぎて、止められるって
ユ「それで、どうすれば冒険者になるんだ?」
ス「いや、別に冒険者にしないわけではないです。ただ他の事が気になっただけです」
シ「他のこととは?」
気になったことがあるらしく
いろいろな質問を繰り返し聞かれた
ユ「質問は終わり?」
シ「いつもは何してるかとかしか聞かれなかったな」
ヒ「あとこの試験の結果は本当か?とかだったな」
いつもは遊んでるって言っておいた
正直けっこう怪しまれたけど
信じてもらった
本当は違うけど
ス「では、これに触れてくれませんか?」
と言ってある水晶を取り出してもってきた
ア「そ、それは…」
ス「魔力測定器です。ある学校でシューゴってやつが虹色に光らせたと聞きました」
シ「それが見たいってことか」
ス「そうです」
虹色を何故見たいのかはわからない
まぁ、壊れてもいいか
ということで俺は前回と違って圧力魔法をかけなかった
そしてシューゴが触れたら
ス「!?」
シ「っ!?」
急に水晶が破裂した
俺が抑えなかったらこうなってたのか
光らずに触れた瞬間破裂した
俺たちはヒラノのスキルで無傷だ
それを知っていたので、アユムはあたふたしていたけど
それ以外の皆はわかっていた結果に真顔だった
キ「前と結果が違うな」
ユ「ああ、言ってなかったな。前回は俺が圧力魔法で抑えてたからギリギリ作動したんだよ。だけど今回はやんなかったから普通に破裂した」
ヒ「あの時に既に壊れてたから、水晶が反応しなかったのか」
カ「てことは、俺たちもなんかの魔法使えたんじゃねー?」
ユ「それは無いと思う」
と会話していたら
目の前で呆気にとられてる
ギルマスとその男が急にシューゴにしがみついた
ス「Sランク冒険者になるつもりは無いですか!?」
シ「断る」
提案されたことに対して
すぐに断った
ス「何でですか?」
シ「Sランクになると色々とめんどくさそう。あと冒険者になったのは収入のためだから(あと自分探しのため)」
ス「…よく収入で入るやつは居るんだが、皆高ランクの冒険者になれると思うと、すぐになるんだが…あなた達は違うんですね」
何か感心している
シ「貴族からの指名依頼とかやりたくない」
ユ「あー、わかる。依頼くらい自分で選びたい」
ス「そうですか。ちなみに他の皆様はシューゴさんと同じくらいの強さと聞いているので、いつでも高ランクになりたかったら言ってくださいね。あと冒険者カードは後日に渡しますね」
と優しく言われた
部屋を出ていった
ユ「さて、依頼を受けるか」
俺たちは冒険者ギルドの掲示板に貼ってある依頼の紙を眺めた
リ「何を受けるの?」
掲示板の依頼がランク分けされているからかなり見やすい
SSランク、Sランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、Eランク
自分のランクと同じ、もしくはそれより下の依頼しか受けることができないらしい
ちなみに自分たちのランクはS、A、B、C、Dの5つだ
SSランクはSランクの人たちで作られたパーティで行くしか無いらしい
それほど難しいのだろう
ユ「ふーむ」
シ「どれも簡単そうだな」
・薬草採取
・ゴブリン退治
ユ「初歩しかないな」
ヒ「皆自分のやりたいのをやろう」
キ「だな」
そう決めて
俺はフィル、リーファのお守り、ついでに依頼をこなすことになった
ユ「薬草採取すっか」
リ「リーファ頑張るね!」
フィ「フィルも」
頑張ろうとしているのは良いんだが
ユ「多分今回は何もできないと思うよ」
リ「なんで?」
ユ「だってもう持ってるから」
フィ「そう…」
残念そうだ
ユ「また今度、この依頼があった時に一緒にやろうな」
フィ「うん」
顔には出ていないが、嬉しそうだ
俺は紙を壁から剥がして
受付のところに行った
ユ「あっ、試験をやらせてくれた人だ」
受「こんにちは、受かったんですね」
笑顔だ
これはビジネスだからこそ笑顔なのかな?
ユ「この依頼をやりたいんだが。いい?」
受「薬草採取ですか。自分と同じランクの依頼なので、良いですよ。ちなみに集める薬草はこちらです」
よし、受けれた
薬草の種類まで教えてくれるとは親切だな
ユ「あの、もう持ってるけど出していい?」
受「あっ、はい良いですよ」
ユ「ちょっとまってくれ、アイテムバックからだすから」
受「へぇー、とてもめずらしい物を持っているんですね」
興味深く見られた
その間俺はアイテムバックから薬草を取り出そうとした
ユ「よし、ちょっとだけ出すか」
受「い、いえ全部でいいです….よ…」
約百分の一の量をだした瞬間声が出なくなっていた
まぁ、目の前に山みたいな量の薬草があるからな
ユ「まだあるけど出していい?」
受「えーっと、ちょっとまってください」
と待ってから俺はあるところに案内された
案内されたというのはあ冒険者ギルドの裏庭みたいなところだ
ユ「ここに全部出せってこと?」
受「はい」
ス「早速、何かやりましたね」
ユ「やったよ」
俺が裏庭に案内されたら
そこには既にギルマスとでかい男が居た
ユ「全部出せばいい?」
受「はい」
ユ「ホントだな?」
と聞いたら確認を取るために一度ギルマスのところに行って
聞いていた
受「すべて出していいという許可をもらいました」
ユ「よしわかった」
こっちも許可をもらったので
俺は残りのすべてを出そうとしたが
まずもう一つのアイテムバック作り、それを使い
アイテムバックの中を薬草だけにした
そのあとアイテムバックを逆さまにして
大量に落とした
水かよ
ユ「まだか…」
ス「…」
受「…」
フィ「多い…」
困惑しているな
多すぎたか
自分の家で薬草を育ててたのがこんなに溜まってるとはな
ありすぎて困っていたんだよな
ユ「まだあるな」
ス「まだあるんですか!?」
現在の量を言葉で表すならば、山程だ
これは比喩じゃない
だって山だ
三十メートルくらいあんじゃね?
巨大な薬草の山が出来上がっている
ユ「もう少し…よし、終わった」
ス「あ…えっ?」
「ははっ、おかしいなこいつ」
受「追加料金が増えますね、あはは」
スズナさんはびっくりしていて
残りの二人は現実逃避をしている
いや、一人は現実を見てるの…か?
ユ「これってどれくらいになる?」
ス「あとでまた来てください、その時に渡します」
ユ「わかった。じゃあ、そこら辺のんびりしてるね」
とどっかに行こうとしたが
その時にちょっと止められた
「おい」
ユ「ん?」
「どっかで待つんだったら、ギルドの食堂または宿屋に行ったらどうだ?」
ユ「うーん…」
過去で、「お金を外で使って、経済を回そう」みたいなことを言ったからなぁ
ユ「じゃあ、ギルドの食堂を見せてくれ」
「おうよ」
ニカッっと笑い
すごく優しそうな印象を与えてきた
ユ「飯食うか」
リ「うん!」
もし誤字、変なとこ、質問などがあったら言ってください
この話へ一言 スズナから
ス「この山どうしよう...」