第百十二話 夜の影
その日の夜
ある影が複数歩いていた
『静かに行くぞ』
と小さい声で言っていて
歩くときも音を立てていない
そのものというのは魔王軍だ
何故か皆静かに移動している
サタ『今から出るんですか?』
魔『流石に、ここの人たちに迷惑を掛けられない』
サキュ『そうですね』
そう話していたら
ダンジョンから出た
魔『帰るか』
皆『はっ!』
返事したと思ったら
何処からともなく違う声が聞こえてきた
『予想通りだったな』
『やっぱりか』
『何があったんだろう』
声は三人だ
見てみるとそこには
キクチ、シューゴ、ヒラノの三人がダンジョンの入り口である石の上に乗っていた
シ『何があったの?』
魔「…なぜここにいる?」
ヒ「魔王があの勇者に倒されるとは思えない」
キ「他の勇者が強かった可能性があるけど」
シ「あと、勇者と戦って逃げるほどのことがあった、それでここに来たと考える、そして今日安全だと知った、ならば今日すぐに魔王城に帰って問題を解決しようとするでしょ」
魔「…」
すべてお見通しだった
シ「それで何があった?」
魔「わかった。説明する。ただし、魔王城に行きながらだ」
キ「オッケ」
皆はシューゴの飛行魔法を掛けて
魔王は魔王城へと案内をした
シ「なるほど、今魔界とやらの扉が開いていて、それの処理をしていたら勇者が攻めてきたということだな」
魔「そう。それと、今何時?」
飛んでいる最中に突然時間について聞いてきた
ヒ「ユートが時計を作ればわかるけど、なんで?」
(この前王都で作ったのは一日限定だったからもう持ってない)
魔「もうすぐ、姿が変わると思うからだ」
シ「そっか、呪いとやらで姿が変わるんだっけ?」
と聞き返したら
急に魔王が光りだした
まったく見えなくて、皆は目を隠すか、閉じるしかなかった
そして、光が収まった時
魔王の姿が変わっていた
シ「今度は短い銀髪」
キ「そこにいる吸血鬼と同じだな」
魔「力は変わらんがな」
と自慢気にいった
なぜ姿が変わって強さが変わると思ったのか
わからない
キ『多分そう思ったのは、胸じゃない?』
シ『なんで?』
キ『大きかったら、動きにくて機能力落ちるだろ』
シ『あー、なるほど』
ヒ『この会話本人の前ではできないな』
と念話で
ヒラノの言ったとおり
本人の前ではできないような会話が繰り広げられていた
そして話していたら
魔王城に着いた
シ「禍々しいな」
ヒ「ゲームみたいな見た目なんだな」
魔王城は紫色で
空もは赤と紫色
いかにもどっかのゲームに出てきそうな雰囲気をかもし出している
キ「普段ゲームをしないヒラノが何でゲームの城とかわかるの!?」
普段言わないようなことをヒラノが口にしたので
思わずキクチは聞き返した
ヒ「ファ○コンにあるゲームは全部やったことあるからね」
キ「確かに」
シ「納得なんだ」
昔のことを思い出している
魔「何を話している?行くぞ!」
シ「お、おお」
キ「おう、今行く」
と魔王に声を掛けられて三人は
魔王城に向かった
だが魔王城に入る前にまた声を掛けられた
魔「城の中に入る前に、やってほしいことがある」
キ「なんだ?」
魔「我に服従してくれ!」
キ「は!?何いってんだ?するわけ無いだろ!」
ヒ「キクチ、なんかわけがあるんじゃない?」
ちょっと怒り気味で否定したキクチを
ヒラノが止めた
魔「そうだ。多分、お主らなら大丈夫だろうけど今から入るのは、魔王城だ。そして、城の中にはたくさんの魔物がいる」
シ「あっ、なるほど」
シューゴがひらめいたようで
手をポンッと叩いていた
キ「何かわかったの?」
シ「普段人を襲う魔物の中に俺たちが居たらどうなる?」
キ「あー、そういうこと」
キクチもわかったようだ
ヒ「普段人間を襲う魔物の中に俺たち人間が居たら襲われてしまうってことか」
魔「…そうだが」
何か、言いたそうにしている
だけどそれを言う前にシューゴが魔王の言いたいことを代弁した
シ「だが、俺達は強いからそんな心配はないだろうってことだろ?」
魔「そうだ」
実際魔王まで倒せる実力をもっているから心配は無い
キ「でも魔界の扉を閉じるために皆協力したほうが良いんじゃない?」
魔「それでも襲ってくる馬鹿者がおるのだ」
ヒ「魔王さんも苦労してるんですね」
魔「そうだ」
同情してもらったのが嬉しかったのか
魔王はちょっと泣きそうになっている
キ「それで、どうやったら攻撃されなくなるの?」
魔「これだ」
何か鈴の音がした
魔王はその鈴の音がなる、何か丸いものを懐から取り出した
シ「えっと、それは…」
魔「首輪だ。これをつければ捕虜または我のペットとして認識される」
キ「何で首輪をつけるんだよ!」
ヒ「理由はさっき言ってたよね?」
キ「そうだけど!」
首輪をつけたくないから
キクチがちょっとキレてる
キ「絶対に断る!」
シ「ああ、俺もだ」
ヒ「少し、俺もいやだな」
皆魔王の提案を断った
魔「わかった。めんどくさいだろうけど、首輪なしで行くよ」
ということになり
そのまま魔王城に入った
入って歩いてる途中
魔王軍の人はある違和感を覚えたようだ
鬼「誰も、襲わない?」
サタ「どういうことだ?」
魔「お主らなにかしたな?」
とシューゴたちに問い詰めてきた
そして答えは
シ「ああ、したよ」
皆はシューゴの言っていることがわからず
首をかしげるしかできなかった
キ「全く同じタイミングって、仲いいんだ。魔王軍って」
魔「そこはべつにいいだろ!それで何をしたのだ!」
キクチがまた余計なことを言って
魔王をからかった
そしてそれ以上なんか怒らせるようなことがないように
早めにシューゴが説明した
シ「魔王城のまわり、またその中全てに、感づかれないほどの幻覚をかけた」
魔「幻覚?」
サタ「そんな広範囲な物を普通は出せないぞ!」
とサタンが否定してきたが
魔「こいつらは普通じゃない、だからありえるんだ」
シ「普通じゃないって…ユートじゃないんだし」
ちょっと信じたくなさそうにしている
そして、ユートと比べている
キ「それを言うならユートだけにしてよ」
ヒ「本人の前では言っちゃだめだよ」
キ「わかってるって」
理解をしていると思っているようだ
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ダンジョン入り口
ユ「もう手遅れだよ、ぼけ」
鼻にティッシュを詰めたユートがダンジョンの上に座って、キクチとシューゴに文句を言っていた
ユ「起きた時に魔王軍と数人居なかったから、何処に行ったかと思って、地図で見て、鼻血が止まってから第三の目を飛ばしたんだよな。それで追いついた瞬間俺が普通じゃないってどういうことだ。絶対仕返ししてやるからな。ふっふっふっふっふ」
ダンジョンの入り口らへんで
不気味な笑い声が聞こえていた
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キクチ視点
キ「なんか、寒気が」
シ「大丈夫?魔法で温める?」
キ「大丈夫だと思う」
そのまま魔王城を進んでいった
もし誤字、変なとこ、質問があったら言ってください
この話へ一言 ヒラノから
ヒ「鼻血大丈夫?」
ユ「うん」