第九話 湿った出合い
ユ「おっ?アユム起きた?」
家に帰るとアユムが机に座って、皆と話していた
ア「う、うん、起きたよ」
ユ「わりーな。まさか漫画でよく見るやつができるとは思わなかったわ。ありがとな、モルモット」
ア「誰がモルモットだよ!?僕違うよ!?」
一応起きたばっかなはずだが、それでもかなり元気そうである
ユ「一応、数分くらい気絶するくらいに調節しようとしたけど、結果的に三日も寝込ませることになって...」
もうすでに土下座の体勢に入っている
シ「調節できるものなのか?」
ユ「まぁ、弱い部分にちょっと強い衝撃を与えて脳を一旦止めさせるのが気絶だから。威力調節すればできるんじゃない?初めてやったけど」
ただの漫画の知識を話してるだけだ
ユ「だいじょぶそう?」
ア「だ、大丈夫。ちょっと起きた時にお腹が減ったり、トイレに篭ったりしただけだから」
ユ「いやほんっとごめん」
ユートがアユムに土下座しながら謝っていると
今日のことをあった事を思い出した
ユ「あっ、そうだ。さっきの散歩であったことを話さなきゃ」
俺はさっきの散歩であったことを話した
勇者のこと、魔王がなぜ生きているかを話した
キ「ボコしてきたのかよ」
ユ「弱かったぞ」
意外とどうにかなってしまった
シ「魔法は効きそうかな?」
ユ「知らん。俺は自分独自のなんか自分がやったことあるゲームでも強かったもの創造して倒したから、シューゴが使う魔法が効くかはわからん。あとまだ俺のスキルは自分もよくわかってないし」
ヒ「無知の知」
もうそろそろ夜だからご飯食べることになった
ユ「うめー」
シ「最近ちょうどいい焼き加減がわかってきたわ」
俺たちの美味しそうに食べる様子を見て、ご満悦なシューゴだった
冷静さを保っているようにも見えるけど、ちょっとニヤついている
カ「前やってみたらなんか焦げたもんね〜」
ユ「あれはぱさぱさしてて...あんま美味しくなかったよ...」
シ「そりゃそうだ。あれを美味しいというなら味覚バグってるだろ」
ほぼ灰みたいなものだったからな
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少し前...
シ「肉はどれくらい焼くんだろう...」
キクチたちが狩ってきた動物のお肉を焼くことになったシューゴだが
ちょうどカンタが調味料や食用の植物を取ってくるためにどっかに行っている
シ「...料理ゲーを想像してやってみるか」
ユ「ちょー!燃えてる燃えてる!」
ダンジョンに戻ってきたら
火力が高すぎて周りにも燃え移っていた
ユ「あつっ!」
とりあえず火には消化器をぶつけるかということで
消化器を出して、大量に出してすぐに消火しようとした
ユ「ぐあっ!」
噴射しようとしたらなぜか消化器が爆発した
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ユ「あれなんで爆発したんだろう...」
シ「一見便利そうなユートのスキルにも欠点もあるんだな」
ユ「俺も思ってなかったわ」
初めての失敗だった
まさかちゃんと出てこないで爆発するとは思わなかった
シ「あれの失敗ってなんだろうな...」
ユ「まぁ、今後調べてくか。とりあえずあれの名前は失敗作一号だな」
数日前の出来事を思い出しながら
ほんわかとご飯を食べている
シ「かなり不名誉な名前だな」
ユ「すべてはここから俺の創作伝説が始まった...」
アニメのストーリーが始める時のようなナレーション風だった
キ「ちゃんと現実見ろ〜?」
ユ「見てるわ!」
物語の始まりみたいに話したらバカにされてしまった
まぁ、当たり前だな
ヒ「世間的に評価されるようなものを作り出せたら周りからは伝説扱いされると思うよ」
ユ「いやそんな現実じみたことなんて求めてないから...なんか...こう...ゲームの勇者みたいなかっこいい感じのがよくない?」
ア「や、やってみたいよね!」
ユ「でもだるいからいいや」
そもそも真面目にやるつもりはなかったようだ
ユ「そういやさ。今度、風呂を作んない?」
ここ最近、シャワーは浴びられているが
風呂は入っていない
ヒ「いいね」
キ「作るか」
カ「前の世界にはたくさんあったけどこっちでは無いからね〜」
ア「も、もう滝行やだからね!」
シャワー(シューゴの魔法による滝行)は冷水だからな
ユ「じゃあ、明日作るか」
シ「水は魔法で出そうかな?」
キ「お湯は出せないの?」
ヒ「温めればできると思う」
突然の提案だったが、皆受け入れてくれた
ユ「そうだな。とりあえず寝ようぜ」
皆「おやすみー」
次の日
ユ「うーん、眠い」
目は閉じたままだけど、脳は起きている状態だ
「起きてください」
自分がふわふわとした感覚がしていて
どこからともなく聞いたことがないような声がした
ユ「ちょっとまってー」
力の入ってない返事をした
なんか枕がひんやりしていて気持ちいい
「起きないならこうです!」
ユ「ん?ごボボボボボボボボ」
俺は今溺れてる。え、なんで?
ここら辺に水なんかないのに!
とりあえず起きなきゃ死ぬ!
ユ「ぷはぁ。なんで俺溺れてるんだ?」
「それは私の中に入れたからです」
水の中から起きて、振り返ってみると
気がついたら目の前には青い女の形をした白い貫頭衣みたいなのを着ているスライムが一人...一匹いた
ついでに裸足だ
これがスライム娘ってやつ?
ユ「入れた...ああ、そういうことか...」
なるほど、入れた、って体の中で溺れさせたのか
ユ「えっと...」
...こいつ、俺より身長が高い
第一の感想はそれだった
ユ「そういや、俺の枕は?」
青スラ「先程枕が落ちていて、また拾うのは汚いと思うので、きれいな水でできている私が膝枕をさしていただきました」
ユ「おう…そうか」
冷たくて結構気持ちよかった
あと普通に枕を置いてくれればいいのに
寝相悪いから、よく蹴っ飛ばしてるし
ユ「どうやってここに来た?」
青スラ「一緒に来たスライムたちと協力して攻略しました」
よく見ると周りには青いスライム、緑色のスライム、茶色いスライム、赤いスライム、黄色いスライム、白いスライムといろんな色のスライム達がいた
ユ「結構ダンジョンの難易度を高くしたはずなんだけどな」
正直結構平和に過ごしたいから難しくしてこれにようにしたんだが
青スラ「確かに難しかったですよ」
と言ってもあまり疲弊している様子はないから本当は余裕だったのかもしれないな
ユ「お前達今ここにいるってことは、もうほかの皆のところは攻略したってこと?」
青スラ「はい!」
一応俺たちが寝てるときに侵入者が来たとき、俺達の代わりに結構強い魔物がいたはずなんだけど
倒したのかな?もしくはスライムだから味方だと思われたのだろうか
もし倒したのなら結構強いよな
ユ「とりあえず起きてご飯作るわ」
青スラ「作っておきました」
ユ「は?ホントだ…」
テーブルの上には六人分の朝ごはんが置いてある
パンに目玉焼き、ベーコンとサラダ
ユ「...」
サラダかぁ、生野菜嫌いなんだよな俺
頑張って食うか、よし調味料どこだっけ?
ユ「青スラさん。みんなを起こすのを頼める?」
青スラ「いえ。もう起きているようですよ」
キ「おはよー」
カ「おはよ」
シ・ヒ・ア「おはよう」
皆はいろいろな色のスライムと一緒に来た
色はさっき俺を囲んでいたスライムたちと同じ色だ
皆びしょ濡れだ
てことは、俺と同じようになったんだな
あとで皆で風呂入るか
そういや風呂作るって言ったな
ユ「ご飯食ったら風呂はいってから、細かい話を聞くから待ってて」
スラ達「はい!」
返事は良いな
ユ「外に風呂作って、入るか」
皆「そうだな」
もし誤字があったら教えて下さい
この話へ一言 ユートから
ユ「スライムの起こしたさ、起きるのにはいいよね、あれ」
シ「最悪永遠に寝るが?」




