第百話 二度目の...
勇「死ねぇ!」
と斬りかかってきた
この勇者結構速い
レ「なぜ、勇者であろう人がお金で動くんですか?平和のために戦うのではないのですか?」
勇「戦ったらな、お金がもらえるからだよ」
お金で動く勇者…
なんかやだな
ユ「レミィさん。勇者がクズじゃないわけじゃ無いんだよ」
レ「そうなのですか…」
ちょっとしょぼんってしてる
ユ「おい勇者!子供の夢を壊すなよ!」
勇「知るかそんな事!というかお前も子供だろ!」
そうだった今は八歳児の姿だったわ
まぁ、元の姿でも
まだ子供だけど
それより声うっせぇな
ユ「こっちは金で動いて、自分の仲間の女の人にカッコつけたいだけで、ここの勇者は勝手に斬りかかってきたり、魔王を殺さないで自分が死なないようにしているとか。ヤバすぎだろ勇者って」
勇「俺も元は勇者じゃなかったのだがな」
ユ「最初から勇者ってわかるものなのか?」
才能とかなのか
力を示したらなのか
勇者になるための仕組みがわから…
ユ「あっ!」
王子「ユート、どうしたんだ?」
そういえば、こいつ前言ってたな
『勇者は異世界から呼ぶ』って
ユ「お前、どっから来た?」
勇「どっかとは?」
ユ「どっから召喚された?」
まわりは何を言っているのかを全くわかっていない
それを聞いた勇者はなにか驚いている
勇「なぜ、お前が知っている…俺が召喚されたことを」
ユ「お前が言ってたからだよ!」
勇「あっ、そうか」
はっとしたような顔をしている
馬鹿だろこいつ
勇「でもそれを知ってるのはお前と同じ上着をしたもう少し大きいやつだった。なのになぜ俺が召喚されたことを知っている…」
ユ「あっ」(こいつ俺が変装してるからこの姿の俺を知らないのか)
えーっとどうしよう
言い訳を考えたがなかなか出てこなかった
そして一個頑張ってひねり出した
ユ「お父さんから聞いた」
勇「お父さんだと…」
なにか落ち込んでね?
勇者は膝をついて
なにか黒いなにかに包まれてるように見える
ユ「何があっ...」
勇「俺でさえまだ子供を持ってないのにもかかわらず、俺より小さいやつが子供を持っているだなんて、結婚してるだなんて…」
すごいなにか嘆いてる
どうやら勇者推定十八から二十さいくらいのやつが
自分より小さいやつに先越されたのがそうとう悔しいのだろう
ユ「効果は抜群だ」
精神的ダメージが意外と強かった
先越されたのがなんだって言うんだ
ユ「意外とダメージが通ったから良かった」
その代わり自分が子供を持っていること、ということになっちゃったけど
まぁ、今更か
勇「貴様、許さんぞぉ!」
八つ当たり?
嫉妬?
とりあえずめんどくさいからやめてほしい
勇「呪術師!あいつを呪え!」
呪「…わかった」
勇者はさっきの気味悪い子に俺を呪うことを命令した
どうやら呪術師らしい
だから気味悪いのか
呪「“ミラー”」
小さい声で言ったが
特に何も変化が無い
ユ「なにかしたのか?」
呪「した」
一言しか話さないなぁ
勇「これでお前は負けだ!」
べ「どういうことだ?」
ユ「何も感じないんだよなぁ」
と何があったのかを考えると
呪術師は短剣を懐からだした
ユ「もしかして呪術師じゃなくて、剣士だった?」
呪「違う」
否定してから
呪術師は短剣を人形の腕に寄せた
ユ「何をするんだ?」
勇「死ねぇ!」
ズバッ!
呪術師は人形の左腕を斬った
そしたら勇者のあげている左腕が取れた
勇「痛ぇぇぇぇぇ!!!」
すごい大きな声を出して
自分の取れた左腕を見ている
勇「何してんだ!」
呪「っ!」
魔「えっ、どうして?」
そう言って
勇者は呪術師を思いっきり右腕で殴った
呪術師はかなり遠くまで飛ばされ、壁にぶつかりクレーターみたいのができている
勇者は力は結構あるみたいだ
性格が腐ってるけど
王子「仲間割れか?」
ユ「わからん」
勇「俺の、俺の左腕が…」
修「な、治します!」
血が吹き出す左腕を見つめて
嘆いている
左腕を修道女が頑張って治している
嘆いている所を見ていたらシューゴとキクチが王都の屋根の上から来た
キ「よぉ」
ユ「どうやって来た?」
シ「あんな大声を聞いたら、誰でもわかるよ」
なるほど
後ろを振り返って見ると
なにか安心したような顔をしている
ってことは俺だけだと不安だったってこと?
ト「シューゴさん」
べ「キクチ…」
うん、多分そうだ!
泣いていい?
シ「今これどういう状況?」
ユ「勇者が自滅した」
シ「わかった」
キ「わかったの!?」
シューゴは理解したようだがキクチは何もわかってないみたいだ
というか自滅した以外何も無いんだが
シ「勇者が自滅ってことは、あの飛ばされた味方にダメージを食らったってこと。ユートにあんなきれいな傷は作れない」
ユ「悪かったな」
シ「自滅して、仲間割れ。そしてその時俺たちが来たということでしょ」
ユ「そうだよ」
キ「ああ、なるほど」
キクチも理解したようだ
シューゴの観察眼と洞察力はすごいな
シ「見てみると、あいつとユートに呪いがかかってるな」
ユ「俺にも?」
シ「ああ。多分ミラーって言うやつだな」
ユ「そうだけど。何でわかった?」
聞いてみると
すぐに答えが返ってきた
シ「俺はすべての魔法を知っていて、使うことができる。それで、効果とか現状を見てみると当てはまるのがそれだったから」
ユ「なるほど」
すごい分析能力だな
キ「効果は?」
シ「何かがダメージを食らうと、その呪いを食らったものも同じダメージを食らうってものだ。多分今回はあの人形にやった」
シューゴは呪術師の持つ気味悪い人形を指差して言った
ユ「なるほど。でも俺にも呪いがかかってるから、俺もダメージを食らうんじゃない?」
シ「多分回復すんのがはやかったんでしょ。知らんけど」
キ「ユートそんなに回復が速いのか…」
俺の回復能力の速さにキクチは驚いているようだ
ユ「あれ?言わなかったっけ?」
キ「覚えてない」
ユ「あそう」
まぁ、俺も言ったかはちゃんと覚えてないし
別に気にしなくていいか
ユ「えっと、話戻すか。俺にかかった呪いって解除できんの?」
シ「できる。“解呪・極”」
シューゴは俺に方に手を向けて
魔法を放った
なんか自分の体が光った
ユ「治ったのかな?」
シ「治ったはずだ」
呪「あっ…治された…」
呪術師は自分の呪いが解呪されたことを確認して
そのまま気絶してしまった
シ「それにしても、なんでユートにかけた呪いが勇者にもかかってて、しかもそれがユートにもかかってんだ?」
ト「それは私と、王子様で“反射・呪い”をしました。私一人だと魔力が足らなくて、発動ができませんでしたけど」
もう倒れそうだな
シ「だから中途半端な効果になったのか…」
ユ「ありがとな」
ト「どういたしまして…」
あっ、倒れた
魔力切れってやつか
エリ先生いわく、魔力をすべて使い切ると、気絶してしまうらしい
シューゴは魔力が百万くらいあるからな
ユ「そういや、さっきの質問をもう一回聞く。お前は何処から来た?」
勇「日本だ…」
シ「こいつもか」
勇「何!?お前たちも転生してから召喚されたのか!?」
すごい驚いた顔をして
違うことを聞いてきた
ユ「いや、違う。普通に召喚された」
王子「何を言っているんだ…?」
俺たちの会話を聞いている王子は全く内容がわからず
困惑している
勇「だからお前たちもこんなに強いのか」
キ「よくわからないけど、うん、そう」
キクチはあまりラノベとか読まないので
異世界転生とか召喚とか
よくわからないようだ
勇「お前たちは!」
三人「うん?」
勇「その力を自分のために使わないのか!?金、女、酒、地位!力があるから欲しい物がすべて手に入る!お前たちはなぜ、その力を使わない!」
すごい大声で怒鳴ってきた
声が大きいせいで後ろを振り返ってみると
レミィさんが怯えてしまっている
そこを王子がなるべく怖くさせないようにしている
さすがぁ
ちなみに勇者の仲間は勇者の言うことに対して引いている
あと勇者の言っていることが変だ
ユ「俺たちも、力使ってやりたいことやってるよな」
キ「ああ、たしかに」
シ「なるべく、人に迷惑をかけない方法でね」
勇「なんだと…金とか、地位とか、いらないのか?」
すっげぇなんか困った感じになってる
そんなに俺たちが欲しがってると思うか?
ユ「いやだって、地位あってもめんどいし。領土とか押し付けられたらやだ」
キ「お金は自分で稼ぐしか無いし。流石に泥棒はだめだろ」
シ「女って言ってるけど、興味無いし」
勇「なん…だと…」
ちょっとどっかで聞いたことがあるような驚き方をしている
ユ「とりあえずさ、帰ってくれ」
勇「は?」
ユ「ちょっと後ろで自分の見たいものがあるからな」
勇「何いってんだお前?」
なんのことかわかっていないようだ
後ろのお宝があると言うのに
テ『その感覚はユートさんだけですよ』
ユ『あっ、そっすか』
ちょっと気の抜けた返事をした
ユ「で、早く帰ってくれないか?」
勇「帰るかぁ!」
断られてしまった
魔「“ビックライト”!」
ユ・キ・シ・王子「うわっ!」
レ「きゃぁ!」
俺たちは何処かで聞いたことのあるような、ひみつ道具の名前の魔法で
目くらましをされ、レミィさんの悲鳴が聞こえた
そして、光が消えて見えるようになったとき
レミィ、ベガ、トレニアの三人が人質として取られてた
今、勇者はレミィの首に剣を近づけている
王子「レミィさん!トレニア!ベガ!」
ユ「勇者って皆人質を取るんだな」
キ「今度こいつらと戦うときは、タイマンのほうが良いかもな」
シ「皆が人質の被害を喰らわないようにね」
王子は三人が人質に取られて
叫んで、完全に動揺している
それと反対に俺たちは完全に落ち着いている
というよりこいつは本当に勇者なのか考えてしまう
ユ「…こいつ本当に勇者なのか?まじで」
シ「いや、勇者というなの愚者でしょ」
キ「愚者…馬鹿者ってことか」
ユ「これから勇者をぐしゃぐしゃにする?」
あっ、また冷たい目が…
冷たい目と、沈黙という精神的ダメージを喰らい
ちょっと倒れるかと思った
ユ「…たおそう、勇者」
キ「泣くな泣くな」
シ「悪かったって」
ユ「思ってないだろ」
シ「うん」
ユ「正直者め」
攻めてちょっとは気を使ってほしかった
まぁ、本当のことを言われただけだからなんとも言えん
ユ「勇者、卑怯なことをして楽しいのか?」
勇「ああ、楽しいよ。力でなんでも自分の思い通りにできるからなぁ!」
声を荒くして
言ってきた
調子に乗ってる勇者を無視して
俺は王子に話しかけた
ユ『王子、俺達があいつを足止めするから。王子は人質になっちゃってる三人を助けてくれ』
王子『わかった』
王子は納得してくれたようだ
説明した後俺はシューゴとキクチに睨まれてしまった
シ『自分のやりたいことをしてるな』
キ『やってる』
ユ『良いだろ!』
小さい声で離していたら
勇者が怒ったような声で
何かを言ってきた
勇「何話してる!お前たちは今、コイツラが死ぬところを見て絶望するんだよ!」
ユ・キ・シ「うわぁ」
俺、シューゴ、キクチは完全に引いた
力を利用してえっぐいことするんだなぁ、と
勇「そこで見てろ!」
ユ「シューゴ」
シ「ん」
シューゴは俺とキクチの肩に手をおいて
俺たちを飛ばしてくれた
勇者の後ろに
勇「なっ!?ガハッ!」
勇者は俺たちが転移したことは反応できたが
俺たちが一緒に攻撃したことは反応できなかったようだ
俺は蹴っ飛ばし、キクチは勇者を剣六本で斬った
勇者の体にはたくさんの傷ができ、飛んでいった
蹴る威力をそんなに弱めなかったので、かなりの速さで飛んでいった
まさか王都の塀まで飛んでいくとは思わなかった
ユ「強く蹴りすぎた」
キ「別にいいだろ、悪いやつだし」
ユ「そうだな」
キクチもだいぶ容赦なくなってきた
勇「絶対お前たちは倒す!」
もう帰ってきた
転移魔法でも使えるのだろうか
どうやら人質の近くには転移しなかったようだ
まぁ、今は王子がいるからな
転移した瞬間攻撃されるだろう
王子も結構強いしな
王子「なんだ、その六本の剣は…」
キ「あー、これね。これは俺が使役したやつ…ということでいいよね?」
ユ「あってる」
よくわからないから質問してきた
王子はまだキクチの使う六本剣はまだ
知らないもんな
ユ「もう早く倒そう」
キ「そうだな」
現在シューゴ、俺とキクチ、勇者の位置は三角形の状態になっている
上から見ると正三角形かな
ユ「俺の剣も使うか」
俺は自分のアイテムバックに入ってる
剣を取り出して戦うことにした
ユ「行こう」
キ「おう」
シ「俺は、他の二人を倒しておくよ」
ユ・キ「オッケー!」
息ピッタリの状態で
勇者に対して斬りかかっていった
ユートからは赤色に光った剣
キクチからは水色の透き通った剣
の二本の剣が勇者を斬ろうとした
ユ「おらぁ!」
キ「死ねぇ!」
見えないくらい早く振られた剣は
勇者の胸部と腹部を完全に斬った
ユ「うわっ、血がめっちゃ飛んでくる」
ちょっと血のせいで見えにくくなってしまった
次の瞬間目を開いたら
勇者の仲間はシューゴにすべて倒されていたが
勇者は俺達の後ろに行って
王子の方へと向かっていっていた
キ「速い!」
ユ「…」
俺たち二人は振り返ってすぐに追ったが
届く距離ではない
だけど人質にされた皆を守るため王子は立ち上がった
そして、いつもの軽い優しそうな声ではなく
かなり怖い声で言った
王子「俺は、勇者というのはいい人で、皆を守るような聖人だと思っていた」
勇「そうかぁ。死ねぇ!」
勇者は剣を上に上げそれを王子にふろうとした
王子「だけど、現実はそうでもなくて、勇者は人質をとったり、金で動いたりするクズだった。俺は…」
王子が何かを言おうとしている中
後ろで気絶していた
レミィさんとトレニアが目を覚ました
レ「ん?ここは?」
ト「…」
二人はまだどんな状況なのかわからないみたいだ
わかることは目の前で王子が何かを言おうとしていることだけだ
声をかけようとしたら王子が
王子「俺の友達を人質として取ったお前を許さない!」
と言った
そして、王子は腰にある剣を抜き
それを勇者に振った
本来なら、大人の勇者に対して
まだ子供の王子が挑んだとしても
勝てないはずなんだが…
勇「がはっ!」
勇者は斬られた
王子に
ユ「おお」
俺はすごいと思ってしまった
だって子供が大人に勝ったのだから
しかも大人は勇者だし
クズだが
勇「な、なぜだ」
王子「俺のスキルのおかげだろうな」
勇「スキル?」
勇者は自分の怪我より
王子のスキルが気になるようだ
王子「スキルだ。俺のスキルは“籠城主”」
ユ「ろうじょうぬし?」
シ「籠城ってのは、敵に囲まれて城や要塞などに立てこもること」
キ「てことは王子は引きこもり…」
王子「違う!」
キクチがボケたら
大声で返された
だいぶ大きな声だった
ユ「そのスキルがなんで勇者を倒すことができたんだ?」
勇者はもはや吐血して
もう話せるような状態ではない
だから俺が変わりに聞いた
どうせ聞きたいだろうと思って
王子「戦争とかで負けそうな時、城は最後の砦となる」
ユ「砦?城じゃないの?」
キ「黙ってろ」
ユ「いてっ」
殴られた
王子「そして城は皆の家であり、皆を外敵から守るもの。だから俺は皆のことを守る最後の砦となる。皆のことを守る最後の砦となった時俺のステータスはすべて十倍に跳ね上がる。だから俺はお前に勝てた」
ユ「俺と戦ったときは、タイマンだったから守る人が居なくて負けた。ドラゴンのときは、一番最初に倒されたから、発動しなかったということか」
王子「うっ、そうだ。ちょっと昔のことを振り返らないでくれないか?」
ユ「カッコつかないなぁ」
ニヤニヤしながら
俺は王子に言っていた
俺が振り返ったときは
優しそうな顔をしていたが
今はもう地面にうつ伏せている勇者の方を向いて
怒ったような顔をしている
王子「俺はお前に怒ってはいるが、殺しはしない。牢屋に入れられ反省するんだな」
勇「くっ、…わかった」
おっ、諦めてくれたようだ
ようやく終わったよ
めんどい戦争が
ユ「帰ろうぜ、多分アユム、カンタ、ヒラノが頑張って守ってるだろうから」
俺は勇者をちょーーーーー硬い縄で縛って
剣を取り上げて
引っ張った
勇「いてっ、いてっ!もう少し優しく引っ張らないのか?」
俺は勇者を地面につけたまま引きずってるから
かなり痛いだろう
まぁ、鎧があるから痛くなさそうだけど
ユ「王子は許したかもしれんけど、俺はまだ怒ってるぞ」
勇「悪魔ぁー!」
そのまま勇者は気絶した
キ「お前、前の世界でドMの才能があるとか言われてただろ」
ユ「うん」
シ「だけど、今やってるのは思いっきりSだな」
ユ「まぁ、仕返しなだけで。喜んでやってるわけじゃないから」
と言ったら
黙っちゃった
シ「笑顔でやってるやつが言うか?それ」
ユ「ああ、これは仕返しだから」
そのまま牢屋まで引っ張っていった
最後、牢屋を離れたときに俺たちが日本から召喚されたことの記憶を消しておいた
これについて言い広められるとなんかめんどくさそうだからな
特にこいつの場合
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その日の夜
王「戦争で勝ったことを祝おう!かんぱ~い!」
皆「かんぱーい!」
今現在
王都の民全員が王城の中に入ってまつりを開催している
ユ「戦争で勝ったからって、俺はでかいお祝いだな」
あちこちから曲が聞こえてきて
王城の中だけではなく
庭などでも楽しそうな声が聞こえてくる
王城の中では主に貴族などが踊って
庭などでは平民が楽しそうに歌ったり、踊ったり、騒いだりしている
シ「よく、全員入ったなぁ」
ヒ「細かいことは気にしないほうが良いと思う」
カ「まぁー、でかいから入ったんじゃね?」
ちょっとした謎が出来上がった瞬間だった
キ「それにしてもお前たちの守った所すごいことになってたな」
シ「あー、たしかに。死屍累々状態だった」
カ「死屍累々…屍がたくさんある状態」
カンタは言葉の意味を調べていた
それにアユムが反応した
ア「えっ!?一応殺してはないよ!」
確かに大量の人が積み上がった山はあったけど皆死んではいなかった
シ「ところでユートは?」
ヒ「あそこにいるよ」
ヒラノはユートのいる場所を指差した
そしてその指差したところから声が聞こえてくる
リ「ユートお兄ちゃん次あれ食べてみたい!」
ユ「はいはい」
フィ「次はこっち来て」
ユ「ひ〜」
ドレスの姿をしたリーファとフィルが
ユートを引っ張っている
キ「人気者だね」
ユ「お前達が押し付けたんだろ!」
まぁ、押し付けたと言っても
嫌なことではないから
引き受けただけなんだが
青スラ「楽しそうですね」
人間に擬態した
青スラさんがお母さんのごとく
見守っていた
シ「青スラさんも楽しんできて良いんだよ」
青スラ「いえ、私はここに居ます」
シ「そう」
キ「イリヤは?」
会話が落ち着いたかと思ったら
また会話が始まった
ヒ「イリヤは、王城のメイドさんたちと一緒に料理をしてるらしいよ。変装して」
ア「メイドじゃないのに何してんの?」
カ「青スラさんがメイドに仕立て上げたんだろ」
ヒ「この前俺が言ったことを鵜呑みにしちゃったしね」
キ「まぁ、いいじゃん。皆ご飯食べよう」
皆「おー」
皆がご飯コーナーに向かってる途中
青スラさんはちょっとつぶやいた
青スラ「ご飯を食べるために来たんじゃないんですけどね」
ふふっと小さく笑った
リ「青スラさんただいまー」
青スラ「おかえりなさい。あれ?ユートさんは?」
フィ「わからない」
さっきまでこの二人を見ていたユートが消えた
青スラ「何処に行ったのでしょう?」
リ「『ついてこないでね』って言ってた」
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ユート視点
ユ「…」
俺は今現在、あるボタンを握りしめて
あるものを見ている
レ「あの、王子様なぜ私はここに来たのですか?」
王子「話したいことがあって」
正装している二人は人気の少ない所にいる
場所はベランダだ
レ「話したいこと…それはなんですか?」
王子「…」
王子は何かを言うのをためらっている
ユ『王子、言えよ、言いたいこと!』
もちろん小さい声で言っているので
聞こえていない
王子「…」
レ「あの」
王子が黙ったままだから
レミィさんはなにか聞こうとするけど
聞かなかった
ユ『あー、もう。“そうぞう”fill with determitation and brave』
テ『英語で言ってカッコつけてます?』
ユ『つけてないわ。さっき英語の曲を聞いてたからちょっと英語を使いたい気分だったんだよ!』
英語で言っているが、効果は変わらない
決意の力と勇気を王子の中に作った
レミィさんは帰ろうとしたけど
王子「待ってくれ…」
王子はレミィさんを止めて
言うことを決意したようだ
王子「俺はまたこの前の事を聞きたい」
レ「…」
黙ったままだ
おそらくこの前のことがなんのことかわかっているようだ
王子「それをもう一回言わせてくれ」
王子は深呼吸して
言った
王子「俺と婚約を結んでくれませんか?」
王子ははっきりとレミィさんに言い、深々とお辞儀をして
手を出している
王子の言ったことに対して驚いていたようにみえる
レ「貴方は一度振られた相手にまた告白をするのですか?」
王子「俺はまだ貴方が諦められなかったのです!」
レ「…私は貴方を一度振っているのに…」
ちょっと悲しそうな顔をしてるけど
王子はまた言い返した
王子「だからもう一度強くなってから、告白しに来ました」
なるほど、この前のダンジョン潜りはそういうことだったのか
レ「私のために…」
王子「もう一度言います、俺と婚約を結んでください!」
もし誤字、変なとこ、質問があったら言ってください
この話へ一言 王子から
王子「今までスキル発動させたことが殆どないから、スキルを発動しなくても勝てるくらい努力をしたんだよな」
ユ「お前やっぱすげぇよ」