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第八話 日向ぼっこ中にて

ユ「はぁー、気持ちいいー↑」


俺は今散歩に来ている

ちょっと大富豪を100試合くらいして飽き始めたから

一人でそこら辺の草原を歩いている


ユ「意外と外涼しいなぁ...」


ちょっと道中で敵に出会うけど、別に俺の敵ではなかった

今はちょっと疲れたから、地面から出てる石の上に座っている

少し冷たい風が吹いていて涼しい


ユ「何か...なんというか...風情があるな...」


風が自分を通り過ぎる感覚を楽しみながら黄昏ている

試しに上着のポケットの中に入れてる手を外して靡かせている


ユ「いい匂いだ」


周りの自然を五感を使って静かに祖父のようにして楽しんでいた


ユ「ここで一句...春先の、花開く時期、それは草」


その場で思いついた即興の俳句だ

なぜやろうと思ったのかは自分でもわからない


ユ「やっぱ、娯楽少ねぇな...」


ちなみに皆は、気絶したアユムが目覚めるのを待ってるついでにトランプをしている

大富豪はもう飽きているだろうからババ抜き、ポーカーなど他のものをやっているだろう


ユ(そういや、アユムには強くやりすぎたかなぁ...)


アユムはもう3日も起きない

ちょっと強くやりすぎたことに対する後悔が少し生まれてきた


ユ「動くか」


少し先にお花畑が見えるからそれに向かって移動を始めた

小鳥の演奏を聞きながら大人しく草の上で座っていた


「誰だ!?」


小鳥の声が全く聞こえなくなるくらいの大声がどこからか聞こえてくる

それのせいで平和が消えた気がする


ユ「あんたこそ誰だ?」

「お前に倒された勇者だ!」

ユ(ああ、あいつらか)


顔を全く覚えてないから本当にこいつらだったのかは覚えてない

もしそうだったら四人だからこれが本来のパーティーなんだろう

男二人、勇者とタンク

女二人、僧侶か神官か聖女と魔法使い


ユ(こいつらはなんでここにいるんだ?)


こんな広い草原でたまたま出会ったとは考えにくい


ユ「何のようだ?」

勇「俺たちはお前がダンジョンを抜けていることを見て、相手は一人だから倒そうってことになって、追いかけてきた!」


めんどくさいことをしてきやがって...


ユ(...まぁ、戦い方としては間違ってないんだろうけど)


でもどうせダンジョンに入ってもあの五人には勝てないから、賢明な判断なのかもしれん


ユ「なぁ、平和に過ごそうぜ。俺は花が好きだから、あんまここで戦いたくないんだよ」


戦いたくないというのが本音だ

だって、めんどいもん


勇「断る!お前は敵だ。俺たちを一度倒してるし、お前はダンジョンの主だろ!」


これは正義感が強い的なやつかな?

でも見た感じ弱いなこいつ

才能に恵まれたから強くて、魔王を一度倒してるから、英雄扱いされて調子に乗っているのだろう


ユ(そういえば...)


...確か魔王は一度勇者に負けてんだよな?なんで生きてんだ?

油断してまだ生きてることを見逃したのかな?

まぁ、興味は無い


ユ「じゃあ、ここでお前の死ぬ未来を確定させるか、帰るかどうする?」


一応提案してみたけど


勇「どっちでも無い。俺はお前を倒す!」


俺の話なんて聞いてはくれなかった


ユ「そうか。じゃあ、あっちで戦おうぜ」

勇「わかった」


勇者は俺の行く方向についてきてくれた

だけど歩いてたら、突然後ろから斬られそうだった


勇「くっそ、外した」

「うまくいったと思ったのに」


パーティの仲間が勇者と一緒に悔しそうにしている

当たんないはずだ、俺にはこの前作った移動速度があがる服を着ているからな


ユ(ゲームとかでもある、服のバフ的なのをつけておいて良かったぁ〜)


自分の上着に自分の身体能力を上昇させる効果を載せておいて良かった

これなら当たりそうになった瞬間でも動いて避けることができそうだ


ユ(てか、後ろからずっと殺意を感じたし)


後ろに敵がいると考えるといつ殺されるんだろうかとか考えてしまって

気が気ではない


ユ「じゃあ、ここで良いか」


すぐに振り返って俺は戦闘を開始した


勇「へ?」

ユ「始めようぜ」


開始してから俺はすぐにロケランを作り、肩に置いて構えて

それを勇者たちに撃った


ドーン!


ぶつかったと思ったら爆発音と共に周りのものが黒く灰になった


ユ(こういう世界のファンタジーっぽさには全く合わない武器だけど...俺も死にたくないし...)


あいつらは俺の作った武器に対して驚くことはできたが

ノータイムで出して速射したことで避けることはできず、守ることすらできなかった

あいつらはもうすでに瀕死だ

じゃあ、今度は魔法を作って


ユ「”スター・ストライク”」


小さな星を作ってあいつらに向かって撃った

「小さな」と言っているが元の星が超大きいので小さくても半径200か300メートルくらいありそうである

そして、パーティーの半分はもう失神してる


ユ(...やりすぎたか?)


ちょっと不安になった


「くっ...」


起きている奴らは、星を直撃する痛みを感じるだろう

ちなみに俺の周りには硬い防御壁を作っているので

俺はノーダメだ


ユ(魔法も使えるみたいだな)


初めて魔法を使ってみたが、シューゴと同じようなものが使えるみたいだな


ユ「これは便利だ」


俺が自分の作った盾をみていると、星があいつらの上に激突した

どうなったんだろうか


ユ「えーっと...どう破壊しよう...」


破壊する手段を考えていなかった


ユ「とりあえず殴ってみるか!」


ふと考えた適当な方法でやってみることにして

実際にやってみたら俺は落とした星を素手でぶん殴って破壊することができた


ユ「えっ、まじで?...俺できるとは思ってなかったんだけど...」


そして、中を見みてみたら

勇者は生きていた


ユ「しぶといな」

勇「フハハハ。俺たちは負けることはない」


たちって言っているけど

仲間死んでね?


ユ「なんでだ?」

勇「俺はスキルのおかげで魔王が死ぬまで、ずっと死なないでHPが瀕死の状態で生き残るんだ!」

ユ「なるほど、だから魔王は生きてるのに英雄扱いされているんだ」


こいつは自分が死なないようにするために

魔王を生かしているんだ

てことはこいつ魔王より強いってことか?


勇「つまりお前は俺を倒すことはできない!」

ユ「やろうと思えばできるが、それはつまらん、お前らが攻めてこなくなるまで攻撃すればいいだけだ。飽きたら王都に返す」

勇「!?」


勇者は絶対に生き残ることを確信しているから表情は余裕そうだ

どこまで持つかな


ユ「じゃあ、“地獄の業火”」


この周りを焼けの原にするくらいの威力が出た

ちなみに魔法に関しての知識は何もないので、名前はそれっぽく言ってそれに関連しそうなものを出しているだけである


ユ(魔法を作ってるっていうことかもしれないけど...どうなんだろ...)


そこら辺はよくわかっていない


勇「熱い、熱い!!」


まぁ、燃えているからな


ユ「冷やすよ。”氷”」

勇「つべたい…」


凍ってしまった

出すか


ユ「”火の球”」


勇者の周りにある氷は解けて動けるようになっている


ユ「そうだ、お前が降参したら、逃がすよ。仲間を回復させてな」


流石に弱い者いじめをするつもりはない

ドSじゃないんでな

あと普通に可愛そう


勇「じゃあ、降参するぅぅぅぅ」


うわっ、早いな

俺が提案してから5秒も立たないうちに、情けない声でお願いしてきた


ユ「…じゃあ、フェニックスの羽をあげるよ」

勇「ありがとう」


勇者は仲間を俺の作ったフェニックスの羽で生き返らせた

自分が今までやってきたゲームの中であった蘇生アイテムだ

それを参考にして作ったものだ


勇「生き返ってくれ...」


まさか速攻で諦めて、降参してくるとは思わなかった

ちょっと呆れた


ユ(...仲間思いなのか?)


心から仲間が生き返ることを願っている感じがする...


ユ「じゃあ、ついでに”完全回復”」


細胞を作って、死んでしまったやつらの体の中身と表面を完全に治した

これで勇者の仲間は全員元気なはずだ


「うーん...」


仲間の人たちが起きそうだ


ユ「速く仲間を連れて帰れ」

勇「...くっ...今度こそお前を殺してやる!」

ユ「...」


多分こいつ、性格上俺をずっと倒しに来るだろうなぁ...


ユ(ちょっとめんどいな...ゲーム感覚の戦闘だったら楽しいんだろうけど...殺し合いはちょっとな...)


まぁ、返り討ちにすればいいだろ


ユ「運動したから帰るか….運動できたのかな?」


めんどくさくなって浮遊魔法をスキルで作って、ダンジョンへと飛んで帰って行った


ユ(あいつを殺さずにもう俺のことを追ってこないようにするためには...)


今のところ思いつく手段は一個しかない


ユ(元の世界に戻るしかないよなぁ...)


これくらいしか出てこない


ユ「でも...魔王が言ってた転移魔法を使っても前の世界に帰れなかったよな...」


この前シューゴに前の世界に帰るために魔法を使ったが、帰ることが出来なかった

俺たちはずっとこの世界で過ごすことになるんだろうか


ユ「あいつと何回も戦うとなったらめんどくさそうだな...」


ため息をつきながらふよふよとゆっくり飛んで帰った

誤字があったら教えて下さい


この話へ一言 ユートから

ユ「格ゲーだったらいつでも受けて立つんだけどな...」

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