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私と異世界と羽根と。  作者: REIN
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待ってここどこ。


…………………気が付いたら、地面に座っていた。


「……………えっ?」

何の前触れもなく、目の前の景色が一変したのだ。

人間というのは中々に不思議なもので、自分の頭では到底追いつけないパニックに直面すると、むしろ冷静になる事が出来るのだと聞いたことがある。ただそれは冷静というのではなく、単に自分の置かれている状況を理解できないから冷静になっていると錯覚しているのだと思う。今の私のように。

…………一先ず状況を整理してみよう。理解できないなりに。

私は笠井夏希。花の女子高生(笑)1年目の15歳だ。部活も入っておらず、他の人よりも早い時間に帰路に就いていた。最後の見慣れた景色は家の玄関。今見えるものは木、地面。

「いやちょっと待て」

なんだ木と地面て。おかしいだろ。

「ここどこだよ。我がマイホームはどこいった。いやむしろ私がどこいった」

駄目だ。混乱でうまく頭が回らない。ちょっと待って?あと5分。


「…………えっと、ここは森。多分」

喋りながら話を纏める。声に出すことで記憶が脳に残りやすくなるだとかどうとかあったはずだ。

「周りには人どころか虫もいるか怪しいくらい音が無い。恐らく」

少なくとも私は声に出してみると物覚えが良くなる気がする。

「そしてこのままだと死ぬ。きっと」

でも何かに書きながらやった方がいいとかもテレビとかでやってたはず。

「どうにかしてこの森を抜けられないか考えるor歩きまくる、がベターか。もしかしたら」

というかさっきから不安要素たっぷりだなぁ。

「考えても分かんないだろうからもういっその事歩き回ってみようか?」

多分この時の私はまだ混乱で頭が働いてなかったんだ。こんなのフラグでしかないようなものなのに。


結論から言おう。迷った。

それはもう完璧、絶対、超絶怒涛に。

そもそも周りが木ばっかでどこを通ったのか見分けのつかない様な森を感の向くままに歩くとか馬鹿のする事だろ。馬鹿かよ30分位前の自分。

「ホントここどこ……?」

もう日も落ちてきたせいか薄らと空が紺色に染まってきた所を見て、野宿?無理。サバイバル?無理。とか思ってた時のこと。

ガサッ、

「え、」

ガサガサガサッ、

待って冗談きつい。

何だろうか。やっぱり森だし動物系?希望を持って人?いやでも声とか聞こえないからやっぱり動物?小型?大型?小型ならまだしも大型ならやばい。でも夜って大型の動物のイメージ強いんだけど。熊とか猪とか………ってそれまじで危険。


笠井夏希、15歳。もしかしたら、生命の危機かもしれません。



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