夢と現実
「目覚めよ」
突然そんな声が聞こえてきた。
「うるさい !今何時だと思ってるんだ!もう少し寝かせろ」いきなり起こされた俺は機嫌が悪く、誰かも知れない相手に怒鳴りつけた。時間は午前8時、普通の人なら起きる時間帯だ。
「目覚めよ」
2度目だ、何の嫌がらせだ、いい加減にしてほし
い。徹夜でゲームしてたおかげでまだ眠いのだ、早く寝たかった俺は、耳を塞ぎ、布団に潜った。
「目覚めよ」
3度目、耳を塞いでいるのに聞こえてくる、
聞こえるというより脳に直接伝えられてる感じだ。 それでも無視を続けた。
「いい加減目覚めろ !」
相手がキレたようだ。仕方なく起き上がる事にし
た。別に怖かったとかそんな理由では決して無い。
「誰なんだよ、人の睡眠を邪魔しやがって」
「我が名はゼウス、世界を創造し者」
あぁなるほど、これは夢だ。俺はすぐに分かっ
た。たまにある事だ。自分は今、夢を見ていると分かることがある。
夢と分かればもう怖くない。何をやっても目を覚ませば全てなかった事になる。どうせならこの夢を楽しもう。「おい !おっさん、俺に何の用だ?話くらいなら聞いてやってもいいが」
目の前が急に白くなり、大きな人影が現れた。
ゼウスと言っても想像してたのと全然違う。髪や髭は白く、ガタイも良い。だが、威厳やオーラなどが全く感じられない。こんなのが神なのか?「俺でも勝てそうだ」神を見て第一声がこれだった。
ゼウスと言うよりサンタクロースと名乗られた方がまだ納得出来るくらいに本当に弱そうだった。サンタクロースが強いか弱いかと聞かれればよく分からんが、多分強くは無いだろう。
「私の名を聞いてそこまで偉そうにする奴は初めて
だ、今回だけは大目に見てやろう。お前には一つ頼みたい事があってきたのだ」
「何だ、その頼みって、どうして俺なんだ ?」これは俺の夢な訳で、俺が主人公として呼ばれるのは当たり前な訳だが、一応聞いておいた。
「うむ、お前には異世界にいって世界を救って欲しいのだ。
……お前を選んだ理由、本当に知りたいか ?」
「世界を救う? いや、そんな事よりナゼ理由を話すのを渋るんだ。詳しく聞かせて貰おうか!」
「聞きたいと言うのなら仕方ない。……日本の高校生を対象に知力や体力といった能力が平均的で、今後この世界に何の影響も与えない存在を検索した結果、唯一ヒットしたのがお前だった」
「いや、理由酷すぎるだろ!検索ワードにも悪意を感じられるんだが、俺にだって世界に何らかの影響を与える事は出来ると思うんだが⁉︎」
「それは不可能だ!お前、後30秒後に死ぬし(笑)」
「え、ウソ、俺死ぬの?」てか軽くね?俺死ぬんだよね?もっと労わってくれても良く無いですか?
「後の説明はお前が死んでからにしよう」