美陰 呉葉の家庭事情 Ⅰ
こんにちは、龍覇と申します。温かい目で見て下さる方のみ、進んで下さい。
「オイコラ、呉葉!遅刻すんぞ!?」
朝っぱらから物静かなはずの神社に、紗霧の怒声が響いた。紗霧の手には、言動に全く似合っていないフライパンとおたまが握られていた。夜を思わせる黒色の髪の毛を持った紗霧の、炎のように赤い瞳が今だスヤスヤと眠っているふがいない主を見据える。紗霧が試しに呉葉の耳元で、フライパンをおたまでガンガンと叩いてみるも、漫画とかでよく見るような結果は望めなかった。しかも彼女はピクリとも動かず、起きる様子は1ミリも見られない。
「・・・起きねぇんだけど?あれか?コイツの耳はイカれているのか?」
「紗霧くーん、まだなのー?僕お腹減ったんだけどー?」
紗霧が半ば呆れて溜息をついた途端、後ろから未来が声をかけてきた。未来は淡いすみれ色の髪の毛と空色の双眸が特徴的な少年で、とても可愛らしい顔立ちをしている。
「未来、他のヤツはもう起きたのかよ?」
「うーん・・享くんと琉璃はもう起きてるよー」
「つまり、全員じゃねえか」
「そうなるねー」
「・・・つーか呉葉が起きねぇんだけど、未来起こせるか?」
んー?、と未来は考える素振りをした後にっこり笑って たぶんできるよー、と言う。
「友達に教えてもらったんだけどね、」
「随分と物騒な友達だな、オイ」
「あー!紗霧くんいけないんだー。人の友達のこと物騒ってゆうのは、よくないことだと思うよー!」
「友達がオニの時点で、100パーセント物騒じゃねえか!」
「えぇー、『地獄道』司ってるクセによくゆうよー!」
「うるせぇ。『餓鬼道』のオニよりはマシなオニ達なのー、俺のオニは!」
「ふーん。まぁ、どーでも良いけどー」
「良いなら言うんじゃねぇよ・・・余計な体力使わせやがって・・・ハァ・・・」
ゼェゼェと息切れするほど声を張っていた紗霧はつっこむ気も失せ、溜息をついた。
未来はそんな紗霧をみてまたにっこり笑うと、ていうかお腹減ったんだけどっていってるじゃんー、と呟いた。
すいません、書くことないです。
閲覧ありがとうございました。




