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奇妙

作者: 明
掲載日:2026/02/04

世にも奇妙な物語

これは、私が子どもの頃本当にあったエピソードである


小学生の時に、幼なじみ数人と少し遠くの児童公園へと遊びに行った

バスに乗って30分程、徒歩なら子どもの足では二時間近くかかる


日曜日の朝、往路はバスで行き、さんざん遊び疲れて帰りのバスの時刻を大幅に過ぎてしまう

田舎のバス停で、一日に数本の運行しかしていなかったので、歩いて帰ることに


足はクタクタ、喉はカラカラ

日が暮れて、人気(ひとけ)の無い道

延々と続く一本道にポツンと置かれた古びた自動販売機


砂漠のオアシスのような発見に歓喜して

なけなしのお小遣いを投入する

ガラン、と音を立てて取り出し口に缶が落ちる


薄明かりの中、手に取ったのは

“おしるこドリンク”

小さな熱々の缶飲料

まだ暑い初秋の夕暮れ時に、誰がそんなものを飲みたいだろうか


おしるこを選んだつもりはなかった

よく覚えていないが、手が当たったのか何かの間違いなのか

とにかく、出てきたのは悪夢の“おしるこドリンク”だった


確かに私は甘いものが好きで、おしるこも好きだった

しかし、死ぬほど喉が渇いている暑い一日の終わりに飲みたいとは全く思えない

一瞬にして夢のオアシスは、絶望の蜃気楼に変わった


終わった…

所持金も、もう無い

何とか保っていた気力もなくなり、熱々の缶を手に途方に暮れた

すると暗闇の中、どこからか一台の車のヘッドライトが近づいてきたと思ったら

呆然と立ちつくす私の真横に止まり、車の窓が開いた


百円玉を差し出す中年男性

「これで何でもいいから飲物買って」

と言う

突然の出来事に、え?と耳を疑うも

おずおずと、

「あの…、これでもいいですか…?」

と手にしていたおしるこ缶を見せる


「いいよ、ちょうだい」

気軽に受け取る男性

「それ、熱いおしるこですよ…?」

半信半疑で渡しながら言う


いいよ、ありがとう、と百円玉と交換して窓が閉まり車は行ってしまった

しばしの沈黙の後、皆の歓声が上がる

「やったー!」「嘘でしょう?」

「マジで?こんなことある?」

ゲラゲラ笑いながら、飛び回って大騒ぎ


神様!ありがとうございます!と大歓喜して、冷たいジュースを買い直した

皆で分けて飲みながら、帰りの足取りは、さっきまでとは打ってかわって軽くなった


休日の夜、車通りも殆ど無い田舎道に、神が降臨した話

私の人生に、こういう事が時々ある

今でも自販機の“あったか~い”飲物を目にすると思い出す


あなたはこれを偶然で片付けますか?

この世界に、偶然なんてひとつも無いのが真実

全ては大いなる流れの中、完璧なシンクロニシティが起きているのである


もっと宇宙を、自分を、信じてごらん











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