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空島の雨と地上の作物  作者: nekorovin2501


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第6話 融合の力と王都の陰謀

雲が渦を巻き、雷鳴が村を震わせる。

調査官のリーダーが杖を掲げ、冷たい笑みを浮かべた。

「生意気なガキめ……

空島の力を見せてやる!

雷よ、落ちろ!」

空から、数本の稲妻が俺たちに向かって落ちてくる。

村人たちが悲鳴を上げ、散り散りに逃げようとする。

「みんな、畑の後ろに隠れろ!」

俺は叫び、魔力を全力で集中させた。

地面が震え、畑の作物が一斉に成長を始める。

巨大な葉と蔓が壁のように立ち上がり、雷を防いだ。

ゴロゴロという音とともに、葉が焦げる匂いが広がる。

だが、俺の【作物成長促進】は雷のエネルギーを吸収し、逆に作物を強化していた。

セラが俺の隣に立ち、声を震わせた。

「リク、私も……!」

「ああ、一緒にやるぞ。

お前の天候魔法と、俺の作物魔法を融合させる」

セラは頷き、手を差し伸べる。

俺は彼女の手を握り、魔力を共有した。

転生前の知識で、こんな応用は予想外だったが――今、試すしかない。

「霧と根の融合……起動!」

セラの霧が畑全体を覆い、俺の蔓がそれに絡みつく。

霧は蔓を通じて広がり、敵の視界を奪う。

さらに、霧の中に隠れた種子が爆発し、小さな水爆弾のように調査官たちを襲った。

「ぐあっ! 何だ、この霧は……!」

調査官の一人がよろめく。

リーダーは歯を食いしばり、杖を振り回す。

「小細工が!

嵐よ、吹き荒れろ!」

強風が吹き、霧を払おうとする。

だが、俺の蔓は地面に根を張り、風に耐える。

セラがさらに魔力を注ぎ込む。

「風を、逆流させて……!」

融合した力で、風が逆方向に吹き返し、リーダーを吹き飛ばした。

他の調査官たちも、次々と蔓に絡め取られる。

「こ、こんな力が地上にあったなんて……

調整院の報告にはなかったぞ!」

リーダーが地面に転がり、吐き捨てる。

俺は彼に近づき、蔓で体を固定した。

「調整院……空島の組織だな。

王都が、なぜ空島と繋がってる?

話せ」

リーダーは苦々しい顔で睨み返した。

「ふん……知ったところで、どうにもならん。

王都の貴族どもは、昔から空島と密約を結んでいる。

地上の作物を制限し、空島から『恵みの雨』を高値で買う仕組みだ。

それで、金が回る。

お前のような異端が邪魔をするなら、村ごと潰すまでだ」

セラの顔が青ざめる。

「そんな……王都まで、腐敗してたの?」

俺は拳を握りしめた。

――ただの異常気象じゃなかった。

経済的な陰謀か。

「もう、十分聞いた。

帰れ。

次に来たら、容赦しない」

俺は蔓を緩め、リーダーを解放した。

彼は仲間を担ぎ、馬に乗りながら捨て台詞を吐く。

「覚えておけ……空島の本隊が来るぞ。

セラフィーナを渡せば、村は助かるかもな」

調査官たちが去ると、空は晴れ渡った。

村人たちが、恐る恐る近づいてくる。

ミアが駆け寄り、俺を抱きしめた。

「リク、無事でよかった……!

あんなすごい力、持ってたなんて」

ガロン爺さんが頷く。

「リク、お前の秘密……みんなで守る。

この村は、一つだ」

セラが涙を浮かべて微笑んだ。

「ありがとう……みんな。

私、リクと一緒に、空島の陰謀を止める。

まずは、王都の情報を集めないと」

俺は空を見上げた。

遠くの雲に、空島の影が揺れている。

――次は、王都か。

融合の力が、どこまで通用するか。

第6話 終わり

(次回、第7話 「王都への旅立ちと新たな敵」)

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