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第三話 会議

皆さん、おはこんばんにちは!

初心者物書きクラウディです!

今回は、あの焼死体事件が異能によって引き起こされたことを知った優慈が、仲間たちと事件について話し合います!

ヴェルトと鉄郎も出てきますよ!

それではどうぞ!

 「ん~!やっぱりこの味よね~!」

 「あの、楓さんいったいいつまで食べ続けるつもりですか?」

 「ん?ん~、私が満足するまで?」

 「いやいやいや、満足するまでって、食い続けて十分と経っていないけど、ペースがおかしいんだけど!?」

 「もう、あんまり大きな声出すと周りから注目されるよ?」

 「いやもう、注目されてるから!その細身のどこに十杯のパフェが消えたんだよ!マジックか!」


 ここは花田市の中心部にほど近いファミリーレストラン。

 日本全国に勢力を広げている有名チェーン店の一角で、そんな会話が繰り広げられていた。

 今日は平日とはいえ、周囲の小中高校が入学式を行ったため、親子連れが多く、すべての席が埋まっている状況だ。

 そんな中、一人の少女、“楓”がすさまじい勢いでパフェを平らげていき、フードファイターも斯くやと言わんばかりの光景を作り出しているものだからさあ大変。

 その所為か、周囲の客がその光景を見て目を丸くしている。


 「はいはい、わかったからあと五杯ね」

 「トホホ……、これ払うの俺なんだけどなぁ……」


 そういって先ほどから抗議していた少年、“優慈”は矛を収めた。

 哀れ、彼はフードファイター少女に奢らされているのである。

 少年と少女は同じ席に隣り合って座っているが、ここは相席で、反対側にも少年と少女が座っている。


 「……はぁ、二人とも、漫才をしに来たわけではないんですから、話があるといったのはそちらでしょう?なら、ちゃんとしてください。すいません、チョコレートパフェを一つ」

 「そうじゃぞ、優慈に楓、お前さんたちが朝のニュースで気になることがあるからと“すまほ”を使って知らせてきおったから、“ぷらもでる”を作る時間を削って来とるのに。冷やかしなら儂は帰るぞ。店員さん、こっちには抹茶あいすを」

 「いや、流れるように頼むなよ。いいけどさ……」


 少女の方は身長が高く、魅力のある体つきと、おとぎ話のシンデレラが灰を被ったことからその名がついたように、少女の長髪はくすんだ銀色をしている。

 その隣に座る、少年はまるで小学生のように身長が低く、しかし、その口から発せられる声はその身長のように低く、それを聞いた周囲の客はまたも驚愕に目を見開いた。


 「んっ……、ふぅ。それじゃ話を始めようか。」

 「口元にクリーム付いてんぞ」

 「……、とりあえず私が先に結界を張るから、ヴェルトは重ね掛けをお願い」

 「分かりました」


 口元に付いていたパフェのクリームを拭いてから、楓は懐から“一枚の長方形の紙”を取り出して人差し指と中指で持ち、呪文とともに動かし始める。


 「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前。 ヲン・キリ・キャラ・ハラ・フタラン・バソツ・ソワカ・バザラド・シャコク」


 楓が唱え終わると、彼らの周りに透明な像が現れ周囲を薄く透明な膜で覆っていく。

 そんな不可思議な現象が起きているにもかかわらず、周りの誰も気づいた様子はない。

 透明な膜によって完全に覆われると、先ほどまで見ていた客も、何事もなかったかのように食事に戻った。

 そして、今度は“ヴェルト”と呼ばれた少女が、膜に触れると、袖の下から肌を通るようにして蒼く光る線が伸びたかと思えば、指先を伝って膜全体に張り巡らされた。


 『接続・隠蔽・防音・付加・遮断』


 言葉を紡ぎ終えると、少しだけ景色がぼやけだしたと思えば周りの音が遠くなる。

 それを確認したヴェルトは、袖の下から先端に杭の付いたワイヤーを膜に突き刺し、手を離した。


 「おっ、それ陰陽師のやつか?」

 「そっ、最近覚えたの。結構便利だよ。即興では使えないけど、こういった話をするときは周りに覚られにくいし、やろうと思えばある程度効果も変えられるし」

 「ほぉう、さすがは楓じゃ。“ぶーむ”とやらに乗らず、古き物を使いこなすとは」

 「褒めるのもいいですが、早く本題に入りましょう。魔力が無駄になってしまいます」

 「そうだね。それじゃまずは事件の概要について――――」

 

 少し古風なしゃべり方をする少年、“鉄郎”が楓が引き起こした現象に感嘆し、それをヴェルトが話を戻すように呼び掛けた。

 そういって楓は話し始める。

 話の内容は、昨日起こった公園での焼死体事件についてのことだ。


 「私が調べた限りでは、周囲に隠蔽された痕跡はなく、誰かがやったっていう可能性は高いけど、まだ断定できるほど情報が集まっていないって“表”の人たちは思っている。かな?」

 「そこで現場を直接見た俺的には、やっぱ、異能がかかわっていると思う。あと魔力の残痕があったから、“裏”にかかわりのある誰かがやったことで確定した」


 途中、優慈も付け加えて二人に情報を渡す。

 それを聞いた二人は、それぞれ別の反応を返した。


 「……つまり、また裏のことがらみ。それも街中で、っていうことかい……」

 「なるほど。やはり事故ではなかったみたいですね」


 鉄郎は、眉をしかめ、見るからにいやそうな空気を漂わせてる。

 ヴェルトは、顎に手を当て自分の考えと起こっていた事態が一致していたことに納得していた。

 そんな二人を前にして楓は、皿に乗っていたショートケーキを一口で食べ終えると二人を見て、楓は言った。


 「多分、一週間の間に上から任務が下りると思うからそのつもりで。ヴェルト。外していいよ」

 「分かりました」


 楓の指示に従って、ヴェルトはワイヤーを外した。

 すると、透明な膜に張り巡らされていた光の線は、溶けるようにして消えていった。

 そして、残った透明な膜を前にして、手に持った札を横一文字に動かしながら呟く。


 「解」


 たったその一言だけで透明な膜は、氷が解けるように消えていく。

 透明な膜がなくなったことにより、周囲の喧騒が戻ってくる。

 その時ちょうどよく優慈以外の皆が頼んだスイーツを持って、店員がやってきた。


 「はい、こちらご注文の品になります」

 「ありがとうございます」

 「アハハ……、買おうと思ってた漫画あるのになぁ……」


 それを素早く受け取った楓は、これまたおいしそうに食べ始めた。

 優慈以外の二人も手に取り食べ始める。

 人の金で食う飯はうまいのだ。

 しばらく遠い目をしていた優慈だったが、ふと思いついたような顔をして、ヴェルトと鉄郎に聞いた。


 「なぁ、二人とも、ちょっと聞きたいことがあるんだがいいか?」

 「ん?なんじゃ?」

 「はい、何ですか?」



 「友達出来たか?」



 空気が凍った。

 正確には、ヴェルトの空気が凍った。


 「友達ぃ?んなもん儂はいらんがな」


 鉄郎はいつも通りの空気で、友達など必要ないと言う。

 異様な空気を感じてスイーツを食べていた楓の手が止まる。

 優慈が自分の過失に気付いたのか、「あっ、やべ」という言葉が漏れる。

 ヴェルトは腕を組んで俯いてしまった。


 「フフッ、そうですよ朝早くにきて教室に居たというのに、誰一人として話しかけることも話しかけられることもなく入学式を終えた私はボッチですよ……」


 「ボ~ッチボ~ッチ」と歌い始めてしまったヴェルトに誰も声をかけられない。

 この後、彼らは気まずい雰囲気を纏いながら、ファミレスを後にしたという。

いかがでしたか?

ボッチってつらいですよね~。

作者は、ボッチ……というわけではありませんが、誰かと話していないと、なんて言えばいいんでしょうか……、虚無感?に襲われてしまいます!

今回はここまでにしておきます。

それでは、感想・評価をよろしくお願いします!

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