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出会い、そして始まり。

この物語は1人の男がちょっとした依頼を受け辺境の村まで行った所から始まります。


こういうのは初めてで拙い部分も多いと思いますが最後までお付き合い頂ければ幸いです。

今日も退屈な1日が過ぎるだけのはずだった。


職をやめて数年、自ら望んだ事とはいえ他にやることもなく、結局自分の剣の腕を使って傭兵まがいの事をする毎日。

正直剣を握ることすらあまり乗り気ではないのだが、他に出来る事も大してないので、こうなるのも仕方ないのだろう。

「朝食の準備が整いましたよ!」階下から聞こえる宿屋の店主の声で思考を止め、しょうもないことを考えていたなと軽くため息、まあいつものことだと気持ちを切り替え、階段を下りる。

あまり豪華とは言えないが、十分な量と味、店主に聞くと全てこの村で取れたもののようだ。

小さい村だし王都から随分と遠いのでその方が安く済むのだろう。

手短に食事をとり終え、店主に聞いておいた依頼主の村長の家へ向かう。

どうやら魔族が出たとからしいが、、、。


言われた通り道なりに進むと一回り大きいかなくらいの普通の家、こういう村ならそんなものかと思いつつ、扉を軽く叩く。

少しの静寂の後、どうぞの声。

中へ入ると老人と使用人らしき人が2人、意外としっかりした内装。

そういやお金の事が明記されてなかったが思ったよりは貰えるかも、などと思いつつ早速本題にと話を始める。


結局ほぼ依頼書通りの話を聞かされただけで、南の森の方に魔族らしき者をみかけたので探索といたのであれば排除をして欲しいとの事。

ダーツで依頼を決めたのが失敗だった、なんて声を洩らしつつ、早速行ってみますと家を後にする。



森に入り4時間程、やはり怪しい痕跡も気配も無い。

近くに川があるのか、せせらぎの音が聞こえてきた。

折角なので昼食がてら休憩をとろうかとしたその時、人の息の様な音に耳がいく。

素早く近くの木の影に体を寄せ、剣の柄に手を当てる。

音は動く気配は無い、そして規則正しく、まるで寝息の様な…。

ゆっくりと身を乗り出す。

そこには、14歳くらいの少女が木漏れ日に守られるように確かに寝ていた。


いやいやおかしいだろ。


少しの間思わず立ち尽くしてしまったが見ててもしょうがないかと気を持ち直しとりあえず少女を起こしてみる。

「おはよう、ございます。」

肩を揺すると意外とすぐ目を開け少女は喋った。

「あ、ああ。おはよう。」

無意識に返す。

少しの沈黙の後、とりあえず聞いてみる。

「君はこんな所で何をしてるんだ?」

少女は答える。

「わかりません。」

もしかして

「何処から来たんだ?」

「わかりません。」

これは

「…名前は?」

「わかりません。」

お手上げだ。


とりあえず他に人や魔法の気配も無いし、言葉は喋れるようだから、村に連れて帰る事にした。

誰かしらは知っているだろう。


「俺はエイン、職業は、傭兵だ。」

道すがら、そういえば自己紹介をしていなかったなと口を開く。

少女は「はい、、。」とだけ。

しばらくの無言の後、少しずつ少女も自己紹介をする。

まあ結局の所何もわかりませんよ、との事だが。


その後は特に会話も無く、今朝の宿屋まで帰ってきた。

すっかり夜になってしまったのでとりあえず食事を済ませようと、店主に準備をお願いをするついでに少女について聞いてみる。

「森であの子を拾ってきてしまったんだがどこの誰の子かわかったりしないか?」

「いやあ、この村の子では無いですね。小さい村なんで子供はみんな顔見知りですけど、あの子は見た事無いです。」

店主は不思議そうな顔でそう返す。

ふむ。何だかいよいよ謎が深まった訳だが、とりあえず2人分の食事を頼むとお願いし、先に少女に座らせていた席の向かい側につく。

特に会話もなく待つ事数分、シチューの香りが店主と共にテーブルに届く。

2人分食事が並べられていている事に少し驚いている少女。

「勿論食べて良いからな。」

そうとだけ言っておいて、食事をとり始める。

少女もお腹が空いていたのだろう。

ゆっくり一度口をつけたと思ったら目を輝かせパクパクと食べ始めた。


そろそろ完食かといったところで、少女はいきなり訳の分からない事を言い出した。

「北に行きたいです。」

…は?

「それは王都って事か?」

「もっと北です。」

何を言ってるんだ?

「じゃあ国境って事か?」

「もっと北です。」

まさか…。

「じゃあ、魔族の領土って事か?」

少女は無言で頷く。

「えっと、とりあえず、、、記憶は戻ったのか?」

首を横に降る。

「じゃあどうして魔族領に?」

少女は言う。

「わからないけど、そう頭の中に響いてくるんです。」

まるで神からの御告げとでも言いたいのか。

「それで?」

次の台詞を分かっているとはいえ促す。

「傭兵さんなんですよね、助けて欲しいんです。」

微かに声が震えている。

「今はお金は無いけど、必ずいつか払います。」

そういって少女は俯いてしまった。

・・・どうしたものか。

お金に困っているわけではないが、流石にメリットが無さすぎる。

普段なら確実に断るのだが、何故かその言葉が出ない。

これも神の御告げって事か。

神など信じちゃいないが、何故か自分をそう納得させる。

「王都までだ。そこから先は他を当たってくれ。」

「ほんとですか!ありがとうございます!」

既に若干後悔を覚えつつも嬉しそうにキラキラと輝く瞳をみて、たまにはこういうのもいいか、と少し微笑む。

明日、軽く依頼の報告だけして早速旅に出るか。

最後の1口を飲み込む。


そうして、長い旅が始まった。


いかがだったでしょうか?

今回はまだプロローグの部分、といった形なので、あまり面白みはなかったかもですね><

次からは早速動き出すので、ぜひ続きも見て頂ければと思います。


それでは!

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