異世界ダンジョン教授と助手の破廉恥探索ツアー
助手はワガママドスケベボディと相場が決まってます。
マグニチュード9の大地震による地割れから突如姿を現した古のダンジョン。その調査を国から任された大学教授は丁度暇してた女生徒を助手に、意気揚々とダンジョンへと突入した。
「きょ、教授……二人きりで大丈夫なんですか?」
「ハッハッハ、こんな古いかつてのダンジョンに魔物なんぞ居るわけなかろう。着の身着のままで大丈夫さ!」
「バォォォォ!!!!」
「あ゛ーーーー!!!!」
「ギェェェェ!!!!」
岩の凹みから姿を現した人型の魔物。全身が毛に覆われ背中には硬い骨が細く突き出ていた。
「エクスカリバーを喰らえ!!」
「あっ! 教授ちゃっかり武器持ってるじゃないですか!?」
「バカモノ! こんな前人未踏の怪しいダンジョンに素手でなんか来られるか!!」
教授は抜き身を振り回し魔物を威嚇するが、厚い皮膚が硬質化した掌で弾かれ、剣は容易く教授の手を離れ軽い音と共に折れた。
「ば、ばかな! 昨日買ったばかりなのに……!!」
「教授なんとかしてくださいよ!! このままではやられてしまいます!」
──ガシッ!
「イヤァァァァ!!!!」
魔物にその細腕を捕まれた助手は必死で抵抗するも、魔物は意に介すること無く助手の下半身に目をやった。
「教授!! もしかしてこの魔物、おハメしてくるタイプの奴ですかぁ!?」
「多分、他種族にタネを植えて子育てさせるタイプの奴だろう。早くしないと30秒後にはエッチシーンに突入してしまうぞ!」
「無理ですよ!! こんなゴリラみたいな奴にSTR対抗しても差がありすぎて自動失敗ですよー!!」
助手は手足を激しく動かすがびくともせず、逆に魔物は喜んでいるようにも見えた。恐らくは嫌がる相手に無理矢理事を運ぶのが好きなタイプなのだろう……。
「何をそんなゲームみたいな事を言っているだね! レバガチャかボタン連打で抜け出すんだよ!!」
「まんまゲームじゃないですか!!!!」
魔物の手が助手のスカートを掴んだ。助手の目に涙が浮かび上がり、心の中で育ててくれた親への感謝と詫びの言葉を述べる。
(お母さんお父さんごめんなさい……)
「仕方ない。アレを使うぞい」
──ズボッ!
「ウボォ!?」
魔物が一瞬怯み、後ろを振り向いた。するといつの間にか魔物のケツにダイナマイトが刺さっており、導火線には火が着いていた。
「さあ、これで30秒後のエッチシーンは免れた! 後10秒で貴様は木っ端微塵になるだろう!」
「教授! 私は私は!?」
「離れないと一緒に御陀仏だ!!」
「はぁ!?」
魔物が怯んだ隙に手を振り解き、必死で逃げ出す助手。魔物は初めて見るダイナマイトが何なのか分からず、ケツから引き抜いてしげしげと眺めている。
「どうしてダイナマイトなんか持ってるんですか!?」
「いやいや、念の為にケツに入れてきたんだ。意外と役に立って何よりだ」
「訳分かんない…………」
──ドカンッ!
二人は耳を塞ぎ、地面へと伏せた。煙が晴れじっくりと目をこらすと、そこにはやや焦げた魔物が驚いた様子で眼をパチクリと開いたり閉じたりをくり返していた。
「しまった! ケツに入れてたから湿気ってしまったか!?」
「そういう問題!?」
「かくなる上は……!」
「な、何か奥の手が?」
「総員退却ー!!!!」
「やっぱりかーい!!」
教授と助手は後ろを振り返る事無くダンジョンから逃げ出した。そして調査レポートには『ケツに入れたダイナマイトの爆風に耐えられる魔物が居た』と書いて提出した。
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