Episode3 (強制的に)導かれし者たち
巡「…という訳で、このメンバーになったんですけど…」
早矢(古空穂)「お任せください」
カサンドラ(七人ミサキ④)「離してッ!嫌よ、こんなメンバー!何か起こるの前提じゃない、絶対!!」
フリーデリーケ(七人ミサキ⑥)「はいはい、どうどう。出番があるだけマシって考えようね」
神無月「…何というか…提案しておいて何だが、もう少しマシな連中は居なかったのか…?」
カサンドラ「無理矢理連れてきて、その言いぐさは何!?」
神無月「あ、いや、貴様や古空穂はまだ荒事にも耐えられそうだが…十乃ともう一人の七人ミサキはな…」
早矢「神無月殿、この二人とてそう捨てたものではありません」
巡「そうですよ。僕は主人公だし、フリーデリーケさんは『治療術師』として申し分ありません」
神無月「…そうか。お前がそう言うなら構わんが…(ハエたたきでどうこうする気か?…相当病んでるな、コイツ)」
フリーデリーケ「でも、そうなると前衛が一人足りませんね」
早矢「然り。私も『弓兵』として全力を出すのであれば、後衛がベスポジです」
巡「すると、あと一人は自然に肉体労働担当ですね」
カサンドラ「あ、私は前衛でも荷物持ちとか疲れるのは嫌だからね」
早矢「それなら、私も両手を塞ぐ訳にはいきません」
フリーデリーケ「私は既に救急箱とかお薬で手一杯です」
神無月「俺は本が無ければ使い物にならないからな。悪いが余分な荷物は持てん」
巡「よーし!!張り切って探しますよ、戦士系!」
カサンドラ「…逃げたわね」
早矢「はい。やはり主人公としての矜持が、荷物持ちを拒んでいるのでしょうか?」
フリーデリーケ「まあまあ。例え攻撃力がダンゴムシレベルでも、盾役は必要ですし」
神無月(この娘…虫も殺さない顔で…恐ろしいな)
カサンドラ「いずれにしろ、もう一人脳筋野郎が必要なんでしょ?さっさと行きましょうよ」
ぐにっ…
カサンドラ「きゃあっ!?何か踏んだ!?」
男「…」
早矢「この様なところに、地べたに倒れ伏す男が…」
フリーデリーケ「もしかして、盗撮魔?」
カサンドラ「いやぁっ!!だから、♂は嫌なのよ!不潔!破廉恥!十回タヒね!」
男「ま、待て、見るからにツンデレっぽいお嬢さん…俺は別にあんたのスカートの中を覗こうとしてたんじゃねぇ」
巡「え?じゃあ、通報しなくていいんですか?」
男「ああ。だから、そのスマホを切れ。国家権力と戦り合う気はねぇ」
フリーデリーケ「あの…もしかしなくても行き倒れさんですか?」
カサンドラ「ええ!?このご時世に?」
男「大当たり…」
早矢「何と…年末も間近なのに、難儀な御仁ですね」
フリーデリーケ「あの、少ないですけど、これ…」
男「…これは?」
フリーデリーケ「降神町商店街主宰の『年末メガクラッシュ福引券』です」
男「現ナマ!普通なら、ここで現ナマってシーンだよね!?」
フリーデリーケ「運命は自分で切り開くものです(ニッコリ)」
男「くっ…花の様な微笑みでド正論を…!」
神無月「あー、済まんが、話が進まんのでそろそろいいか?こちらは強靭な肉体と精神力を持つ若人の獲得に忙しいんだか…」
男「へぇ…なら、あんたらはツイてるぜ?その若人なら、今あんたらの目の前にいる」
神無月「む?いいのか?場合によっては荒事になるかも知れん道行きだぞ?」
男「荒事ね。なら、余計に俺向きだと思うがね」
早矢「すごい自信ですね」
フリーデリーケ「這いつくばってなければ、カッコいいんですけどね」
男「んンっ!で、どうだ?報酬は飯があれば、他は望まねぇよ」
巡「…いいでしょう。これも何かの縁です。貴方を最後のメンバーとさせて頂きます」
男「決まりだな。俺はロウってんだ。しがない流れ者だが、役にはたって見せるぜ!」
こうして。
ノリと勢いで導かれし者達の旅は、いつの間にか始まったのだった
【パーティ】
巡(勇者?:人間)
カサンドラ(剣士:七人ミサキ)
ロウ(魔銃騎士:人間)
早矢(弓兵:古空穂)
フリーデリーケ(治療術師:七人ミサキ)
神無月(賢者:紙舞)
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