Episode2 勇者への道
巡「ええと…確か、会場はこの辺だったな。へぇ…すごく広い！大きなツリーもあるし、食べ物や飲み物のブースもあるんだ」
神無月「む？」
巡「あ、あれ!?神無月さん…!?」
神無月「お前か。久しいな。その節は世話になった」
巡「あ、いえ、こちらこそ」
神無月「ところで貴様、どうしてここにいる？」
巡「実は斯々然々で…主任とははぐれてしまったんですが、何とかここまで辿り着きました」
神無月「そうか…貴様も苦労気質は相変わらずだな」
巡「いやあ…ところで、神無月さんはどうしてここに？」
神無月「ちょっとした調査だ。安心しろ『mute』や『K.a.I』絡みではない。ちょっとした知的好奇心という奴だ」
巡「はぁ…ところで、ここでうちのセミナーの皆さんとか見ませんでしたか？何か、人が多くて探すのに苦労してて」
神無月「セミナーの連中？何だ、一反木綿共も来ているのか？」
巡「分かりませんが、高確率で来ていると思われます」
神無月「さて…俺は見てはいないが」
巡「そうですか…」
神無月「人間、何なら俺と共に来るか？人探しを手伝うくらいの余裕はあるぞ」
巡「本当ですか!?それは助かります！」
神無月「ああ…ところで、貴様…その格好は何だ？」
巡「現場で取れる最高の装備です（真顔）」
神無月「……………そうか……俺はまた『蝿の王』でも迎撃するのかと思ったぞ。玉砕覚悟で」
巡「とにかく、神無月さんも必要以上に僕に近付かないように。お願いしますよ？」
神無月「安心しろ。頼まれても、並んで歩かん。というか、歩きたくない」
巡「それはよかった…では、行きましょう。今回は僕が前衛ですね。神無月さんは後衛向きだから、パーティとしてはあと四人は欲しいところです」
神無月「何やら偏った知識による編成のようだか…まあ、良かろう。ここは地下迷宮ではないが、荒事も想定しておくのは悪くない。よし、あっちに即席のカウンターバーがあったから、腕っぷしが強そうなのを見繕うとするか」
巡「はい！」
※次の更新は12月24日（火）・正午です
