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第七十六話  闇の中でうごめく者たち

都市ギエルダ、第十四地区。通称『貧民街』と呼ばれる一角にて。


「なあ姉ちゃん、いいだろ? ちょっとだけ、な? ちょっとだけだからさ」


 粗野な男たちが三人集まり、一人の少女へ声をかけていた。

 貧民街と呼ばれる通りだ。

 そこに住む者たちは野卑な者たちで一杯で、物乞い、強盗、中には人殺し――闇社会でなければ生きられない者も多かった。

 悪人の坩堝のような掃き溜め。

 そして不幸なことに、稀にそこへ偶然立ち寄り、悲惨な目に遭う一般人が稀にいた。


「い、いや! 離してください!」


 顔立ちの整った十七歳くらいの少女が、必死に抵抗の声を上げていく。

 金髪に翠の瞳。貴族の令嬢と言われても通じるような可憐な少女。

 男ならば誰もが放っておかない、そんな見目麗しい外見が三人の男に囲まれる。


「なあいいじゃん、ちょっとだけ楽しい思いするだけだって」

「そうそう。何も怖いことしないからさ、いいだろ?」

「終わったらさ、君は天国に登る気持ちにしてあげるから」


 粗野な男三人は下卑た笑いを浮かべる。全員が屈強で背の高い筋肉質な男だ。

 盗品や恫喝で得た品物をもとに屈強な体を手に入れた者たち。か弱い少女一人では到底太刀打ちできるはずがなかった。


「や、やだ、やめてください……っ」

「あはは、やめてくださいだって!」

「やめてと言われてやめる奴はいないよ!」

「それに、貧民街ここでは大声を上げても無駄だぜ? 皆がひもじい思いしてるからな」


 人助けという高潔なことをするのは心や財に余裕のある者がする事である。

 貧民が集まるこの区画で、人々は卑屈に、鬱屈に日々を過ごしている。だから他人の不幸を見ても気にかけない。

 実際、通りすがりの浮浪者がいたら見て見ぬ振りをした。


 それは『いつもの光景』だ。自分自身に不幸が降り掛かっているのだから、他人に構っていられる余裕はない。たかが少女一人が襲われたくらいで、助けに入る者はいなかった。

 ――普通なら。


「待て!」


 暗がりに満ちた裏通りで、少女が服を剥がされかけた時だった。一人の、勇ましい声が響き渡った。

 高く、高く、気高い勇気の声だ。

 それは薄暗いの通りの中で猛将のような威勢を含み、粗野な男たち三人を威嚇するのに十分な声量だった。


「!?」


 男三人が振り返る。

 衛兵、探索者、あるいはギルドの騎士か――?


 しかし、声のする方向を見て彼らはすぐ顔をにやけさせた。


「な、何だ、誰かと思えばクソガキじゃねえか!」

「衛兵でも来たのか思って、ぶるっちまったぜ」


 それも当然だ。少年はお世辞にも強そうな外見には見えなかった。

 脂ぎった体は豚めいていて、丸っこい体躯はいかにも鈍重そう。とても正義のナイトには思えない。

 肥満体の助け人を見て屈強な男三人が嘲りの笑いを浮かべる。


「何の用だよ、今いいところなんだ、失せろクソガキ!」


 陵辱を止められ激怒する男三人が喚いた。

 助けに入った少年は語る。


「暗がりで少女を囲み、暴行を加える――これほど見苦しいものはないな!」

「な、なんだと!?」

「てめえぶっ潰されてえのか!」

「しばくぞおらあ!」


 思わぬ反撃に口々に声を荒げる男たち。

 

「おデブな坊っちゃんはそこで黙ってろ!」

「それとも何か、一緒に混ざって楽しむか?」

「くはは、それはいい。それか俺らにぼこられてパパのおっぱいでも吸いに帰るんだな!」


 下卑た笑いをする男三人に、『太った少年』は無言で一瞥した。

 服を剥ぎ取られかけた少女は、素肌をさらした箇所を恥ずかしそうに隠した。

 そして一瞬だけ期待の目を向けたが、助けが一人であること、勇猛な助っ人には見えなかった事、少年の不利に絶望のような顔を浮かべた。


「――おいおい、人を見かけで判断するのか? 貧民街のゴミってのはこれだから面白いな」

「なんだと!?」


 男の一人が眉を吊り上げる。


「ガキが……っ!」


 男三人のうち、まず一人がナイフを抜き放つ。続いて二人目が、三人めが、似た鋭利なナイフを取り出し少年のもとへと近づいていく。


「――おいおい、まさかそんなチンケなナイフで『俺』をどうにかしようと思っているるのか?」


 太った少年――改め【デネブ】彼は、男三人を前に鼻で笑うように言った。


 少年を前に、ナイフをぎらつかせ、少年に近づく男三人。

 それは捕食者が獲物を狩る時の顔だった。

 ――けれど、彼らは知らない。

 目の前の少年が、彼らが思いも寄らない『格上』であることに。

 つい一ヶ月前、この都市を恐怖に陥れた、『青魔石事変』の首謀者である事に。


「――主義だから一回だけ言っておこう」


 少年、デネブは言った。


「その女の子を見逃してくれないか? そうしたらここでの事はなかった事にしよう」

「舐めてんじゃねえぞガキがぁ!」

「てめえが条件出せる立場じゃねえんだよ! 俺らが出す立場なんだ!」



「――そうか、じゃあ仕方ない」



 デネブは、一瞬だけ哀れな目を男三人へと向けた。

 次の瞬間、冷徹なまでの目が獣のように三人へ突き刺さる。


「――《楽園術式》を起動。――第一章、第八節、『神の前にただ人はひれ伏す』」


 軽やかに紡がれた文言は、辺りに広がった。

 その瞬間だった。


「な!? ぐ、ううううう!?」


 男たちは突如異変に苦しみだした。


「なんだ……っ、これ、体が動かない!?」

「魔術……!? てめえ……一体何しやがった!?」


 デネブに襲いかかろうとした三人は、まるで影を縫われたように身動き一つ出来なかった。

 まるで、重力でも数倍化させられたかのように。

 四肢を震わせ、驚愕に目を剥くしか出来ない。


「自分が強者でなぶる側の人間だと錯覚している者ほど哀れな者はないな」


 デネブは、罠に掛かった間抜けな動物を見る目つきで、


「――じゃあ母さん、あとは頼んだよ」

「ええ。任されたわ」


 その瞬間、男三人の目に蠱惑的な声が響いた。

 横目で背後を見れば、そこには麗しき女性がいた。

 金の流れるような髪に、見事なウェーブ掛かった美しい艶。

 肌は白く、何より白く、その美貌は成熟された果実のように甘く、美しい。

 オペラの女優か伝説の聖母のように華やかだ。

 けれど、奇妙なのはその手に、黒い『手袋』がされた事だった。


 そこだけが何か、彼女を『異端』めいた印象を抱かせる。


「私の主義として、あまり野卑な人たちは使わないようにしているのだけれど。この際だわ、ごめんなさいね」

「な、何を言って……」「意味が分から……っ」


 男三人が意味不明な女性の言葉に、狼狽している間。

 女性は『手袋』のはまった両手を振りかざし、その手袋を外した。

 そこには、六本の『指』。

 両手で計『十二本』の異端の指。


 そして彼女はただ一言――こう告げた。


「――《楽園術式》を起動。――第二章、第四節、『神の前で人は眠れる猫に成り下がる』――さあ、哀れな獣たち、お眠りなさい」


 直後、男三人の肢体に力がなくなる。

 そればかりか、意思や感情といったものが急速に薄れていく。

 抵抗も何も出来ない。男三人は、その場で糸が切れた人形のように、一斉に意識を失った。

 



 

「――さて哀れな獣さん、お目覚めかしら?」


 十数分後。

 男三人が目覚めた場所は、異様な光景だった。

 広い部屋だ。年代ものと思しき家具がいくつも並べられ、高価なシャンデリアと、絨毯が部屋のインテリアとして映えている。

 壁際には豪奢な絵画。鎧。そして数々の調度品。それだけでここが『貴族』の屋敷だという事が判る。


「ここは……?」

「俺たち、どうしてこんな所に……」

「てめえ、何しやがった……っ!」


 覚醒し意識が鮮明になるにつれ、男三人は獣のようにがなり立て始めた。

 けれど――彼らは動けない。

 いつの間にか、『細く硬いもの』で、体を縛られていたからだ。


「な、なんだこれは……!」

「う、動けねえ……っ!」


 三人を起こした美貌の女性は、薄く笑った。


「あらあら、せっかくの来客なのに、縛り付けたままでごめんなさいね」


 女性、名を改め【ネルミーナ】と呼ばれる彼女は、『伯爵夫人』と呼ばれる人間だった。


 聞く者を魅了するかのような甘い声音で彼女は言う。


「あなた達はとても罪深い事をしたわ。だから私は息子と共にここへ招待したの。それが、あなた達がここにいる理由」

「な、何を言っているんだ……?」

「く、くそ! 離せ、離せ!」


 男三人は力の限り抜け出そうと試みるが、それは叶わない。

 細く硬いものが体を強く縛り、さらに力を込めれば込めるほど、体に深く食い込んでいく。


「ふふ、あまり無理に力を入れない方がいいわ。なぜならそれは、『糸』だから」


 男たちはそれで気づく。自分たちを縛るこの縛めは、糸――それも『ピアノ線』と呼ばれる頑丈なものだ。


「強く抵抗すればどうなるか、判らないあなた達ではないでしょう?」


 三人の男たちは、恐怖した。

 気づけば体を縛る『ピアノ線』が、体の要所に巻かれている。

 要所――つまり四肢の重要部である。

 『腕の生え際』『脚の生え際』、その他多数の箇所に強く巻かれている。


 無理に力を込めればどうなるか――想像して男三人は見る見る顔が青ざめる。


「わ、判った!」

「路地裏で馬鹿な真似したのは謝る! 謝るから!」

「どうかひどい事だけはしないでくれ!」


 それまでとは一転、獰猛な獣からひ弱な兎のように怯える男三人。

 それを見つめ、ネルミーナは子供をあやすような声で笑った。


「あらあら、相手が格上だと知ったら、途端に及び腰。それでは勇敢な殿方とはとても言えないわ」


 そして、美しいしなやかな腕を振り上げ、高く大きく音を打ち鳴らす。


「デネブ。私の可愛いデネブ。準備はいいかしら?」

「――ああ。いつでもいいぜ。母さん」


 いったいいつ、そこにいたのか。

 気づけば男三人の背後に、影のように太った、鈍重なはずの少年が佇立していた。


「ひい!?」

「いつの間に……っ!?」


 デネブは路傍石ころでも見るような目で彼らを見つめた。


「母さん、本当にやるの? 今更だけどさ、こんな質の悪い人間を『材料』にしても、対して『良い物』は出来ないと思うぜ? 考え直すなら今のうちだけど」

「あらあら、決めつけてはいけないわ、愛しいデネブ。成功というものは、思わぬものから発生出来るものなの。やる前から決めつけるのは良くないわ」

「お、お前ら……いったい。俺らをどうする気だ……」


 いったい何が前提で、何を話しているのか判らない三人の男達は、青ざめた顔つきで叫ぶ。


「あんたら……貴族なんだよな……? その、貴族の怒りに触れたなら謝るから……っ」

「どうか! 俺たちの命だけは助けてくれ!」


 なりふり構わず叫ぶ男三人。蒼白色に顔を染める三人へ、ネルミーナは小さく笑って告げる。


「別に、私はあなた達に怒ってなどいないわ。むしろ逆。大切な『計画』のための『実験材料』に使えそうな『生贄』が、三人も手に入ったから、喜んでいるだけよ」

「ざ、ざいりょう……?」

「何を言って……っ」


 男三人はその時、悟った。

 ここは――彼らが来てはならない場所であると。

 決して連れてこられてはならない――絶対に足を踏み入れては、ましては拉致されるてはならない『危険』の坩堝である事を。


 けれど遅い。

 いつだって、捕食者というものは、捕らえた獲物を逃しはしない。


「デネブ。今から『緑魔石』の実験をするわ。ベンジャミンを呼んで頂戴」

「判った。――ベンジャミン! 出番だ、ベンジャミン!」


 言うや、ひっそりとアサシンのようにデネブの真横に現れたのは白髪の老人だ。

 細く、背の高い、鷲鼻の立派な装いの執事。

 隙のない、執事として完璧な佇まいの老人。

 それが無言で貴族の親子、二人へ礼をした。


「――お呼びでございますか、お坊ちゃま、ネルミーナ様」

「ええ。今から『緑魔石』の実験をするわ。対象はこの三人の殿方。威勢の良い材料だと思うから、丁重にね」

「かしこまりました、後はお任せください」

「お、お前ら、何をする気だ……!」


 男三人は顔面蒼白になった。


 ネルミーナが男たちを順番に指さし、


「それではベンジャミン。――まず被検体1は、《ドルブリクスの秘薬》を投与して。実験の成功率を上げて頂戴」

「かしこまりました」

「被検体2は、《リブ・カーリナの劇毒》を投与してみてみて。体が崩壊する過程を調べたいの」

「かしこまりました」

「そして被検体3だけど……彼は、《ドルミーミルの水晶》で試してみて。安定後の経過を見てみたいから」

「かしこまりました」

「だから! お前らは何をしようとしているんだお前たちは……っ!」

「やめろくれ! うわあああ! 誰か、誰かぁぁぁぁ!」


 男三人は必死に叫ぶ、尋常を超えた危険な何かをしようとしている事態を察して。

 人を人とも思わぬ、無慈悲な命令のやり取りをする彼らへ懇願する。

 けれど、悪魔のような冷徹な笑みを、デネブたちは隠さない。


「――何って、そんなの判りきっているだろう?」


 デネブがせせら笑うように語る。


「これからお前たちには、『計画』の礎になってもらう。――まあ、ひどい目には遭わないさ。一人は体がドロドロに溶けて、一人は一生ハッピーな気持ちになれて……最後の一人は、まあ……どうなるか判らないけど。運が良ければ幸せな『楽園』に行けるよ。そうでなければ楽しい地獄に」

「ふざけるな!」

「誰か! 衛兵! ギルド騎士! 誰か助けてくれ!」


 穏やかに語るデネブとは裏腹に、男三人は叫ぶ。

 判る。

 これから行われる事がどんな事かは、想像で判る。

 それは、人を人とも思わぬ所業――許されざる事。

 先ほど、自分たちは少女にひどい事をしようとしていた。しかしそんな事、とても小さな出来事に思えるような、非業がこの先に待っている。


「やめろ、よせ、やめてくれ!」

「金なら払う! 何ならお宝も! だからぁ!」

「――それでは、これより『実験』を開始致します。ネルミーナ様、デネブ坊ちゃま、危険ですから離れて頂くよう」

「大丈夫よ。これでも私は『楽園創造会シャンバラ』の幹部だもの。危ないと思ったら、自分で身を守るわ」

「母さんに同じく。俺も一応幹部だからさ、何かあっても自分で何とかするさ」


「「「何かって何だ!? お前たちは何をしようとしているんだ!? やめろ、やめ――」」」


 そうして、男三人は執事ベンジャミンの手で昏倒させられた。

 そして魔術により宙に浮かされる。

 最初の三人には緋色に輝く石を。

 二人目の男は鈍色に輝く石を。

 そして三人目の男は黒紫の水晶を、無理やり飲み込まされる。

 そして、おぞましき人体実験の材料として使われた。


 

 ――その日、都市ギエルダにて。三人の男の消息が不明となった。


 彼らは、野盗をして返り討ちにあったとされた。

 あるいは、うっかり迷宮に踏み入れ戻れなくなったとも。

 またある場所では、マフィアの一味に捕まったとも噂された。

 けれど誰も真実を知る者はいない。

 なぜなら彼らをさらったのは、この都市で暗躍する、とある『組織』の一味だから。

 かつてこの都市を破壊と、混沌と、嘆きの渦に巻き込み、数多の悲劇を生み出した元凶。

 『楽園創造会シャンバラ』――そう呼ばれる者たちの名を、人々は知らない。


 

 泣き叫び、命乞いをした男三人が昏倒してから一時間後。


「やった! やったわ、デネブ!」


 甲高い声がネルミーナから漏れた。


「久しぶりに嬉しい成果が出たわ! これで『計画』は進むわ、大成功よ!」

「そうだね、母さん。こっちの二人は使い物にならなくなったけど、向こうの一人は成功だ」

「――おめでとうございます、デネブ坊ちゃま、ネルミーナ様。これで我らの『悲願』まで、より進んでまいりましたな」


 絶叫と血潮にまみれていた部屋の中で。

 三人の『異端者』は静かに笑う合う。


 一人はネルミーナ・アルティール――この都市において、伯爵夫人の称号を持つ麗人。


 一人はデネブ・アルティール――屋敷において、御曹司と呼ばれる太っちょな少年。


 一人はベンジャミン・ガルバ――親子の面倒をみる、老練な執事。


 表向きは貧乏貴族だが、裏は逆。その実態は知れば誰もが畏怖し、怒り、あるいは怯える『組織』の一味。

 ベンジャミン・ガルバは組織の『上位戦闘員』であり、

 デネブ・アルティールは組織の『幹部』の一人であり、


 そしてネルミーナ・アルティールは、組織の『幹部』であると同時に、この都市において裏から糸を操る、『中枢』とも言うべき女性だった。


「ああ、ああ! また『楽園』への階段を上がることが出来る。このまま、このままだわ、私たちはさらなる実験を経て、輝く未来にたどり着く」

「そうだね、母さん。そのための『青魔石』。そして次なる『緑魔石』だ」

「すでに、『使徒』によると、都市アークレタに忍ばせた隊は、最終準備が終わったと報告が上がっています。此度の実験結果も反映させ、よりよい実験の場となりましょう」

「そうね、そう。『青魔石』の実験はもう終わり。これからは『緑魔石』の出番だわ。――ああ、『幸福と侵食の魔石』は世界を変える。そう、私たちは『偉業』を築くの。その道のりは果てなく、まだ至らないでしょう。けれど私たちは目指すわ。『楽園』は、そう遠くない――手の届く位置にまで至っている」

「当然だよ母さん。そのために俺たちは邁進しよう――それが、『楽園創造会シャンバラ』のある理由で、俺たちのいる意味なんだからさ」


 ネルミーナ、デネブ、ベンジャミンの三人は楽しそうに笑い合う。

 これが、世界の平和を崩す異端者。

 人々の幸福を奪う元凶。

 今日も彼らは使う。

 『楽園』のための生贄を。いつか素晴らしい『世界』を創り出す――そのための手段として。


 

 その日、かつて『青魔石』と呼ばれ恐怖の代名詞だった物は過去のものと成り果てた。

 次に計画の柱となるのは、『緑魔石』。

 『幸福と侵食の魔石』と呼ばれる、『楽園創造会シャンバラ』の、次なる災禍の種だった。

 


今回もお読みいただき、ありがとうございました。

次の更新は2週間後、9月26日となります。

 

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